声にすぐ惚れる女
なんでか私は、人の声にすぐ惚れてしまう。 誰の声もすぐに好きになってしまうという意味ではない。 人を好きになるきっかけが「声」という事が多いのだ。
まず、音楽での話。 音楽を鳴らしている人たちを好きになる条件は様々。 曲調、歌詞、なんとなくの雰囲気、好きになるきっかけは色々あるけど私の場合、ボーカルの声に惚れる場合が圧倒的に多い。
少年のような声だって、大人びた色気のある声だって、特に好きな声の決まりはないけど、ピンと来た声には素直に好きになるのだ。
私のその癖は音楽だけでは終わらず、恋愛観にまで首を突っ込んでくる。
好きな人がいた。「いる」ではなく「いた」とわざわざ過去形にするのは。まぁ色々あるんだ。話せば長くなるというか話す程のことでもないというか。
そう、好きな人に初めて出会った時、彼は転校生だったので全校の前で自己紹介をした。マイク越しに聞こえる細くて消えてしまいそうな声が忘れられなくなった。朝会から帰り、教室の席に座ると、隣の席にはその声の主が座っていた。 あの日から3年近くたった今でもふとした時に蘇る声。 恋を迷わせるあの声は好きで嫌いだ。でも好きだ。
人生振り返れば声が人生の鍵を握っている気がする。 声ひとつで変わることがある。
あなたの声も聞いてみたいなんて、思ったりする。