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No6 軽やかでキラキラした音色の元へ

『ホントだ かすかに聞こえるね チリリンみたいな音・・・』

聞こえる 聞こえる。耳をすますと どうやら湖の方角から聞こえてくるようです。二人は音のする場所に行ってみることにしました。
湖面はうららかな陽の光を浴びて 時折吹き抜けるそよ風に揺れながら優しい波紋を躍らせています。大きな風は怖いけれど そよ風ってこんなにも気持ちのいい物だったんですね。
 赤や白や黄色やピンクや紫色に咲き誇るバラの花に埋もれるように佇んでいる建物を見つけました。
屋根からは小さな煙突が顔を出しています。そこから白い煙が気ままに漂う春の雲みたいに浮かんでいます。


その時突然ドアが開けられてドアチャイムが鳴りました。さっき聞いたあの軽やかでキラキラした音色のベルの音です。
そしてドアノブを握りしめたまま 向こうから顔を出したのは 懐かしいあの子達でした。
えっ どうして なんで?
そう 左門虎家(サモトラケ)のミケと オチビさんと呼ばれていたマーチルだったのです。


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