コロナになった

陽性だった。
どこでもらったか分からない。
一瞬の発熱と、喉の痛みと咳。
薬の効かない怖さってこういうことかと実感した。
10日間、部屋から出れない人になった。

夫氏倒れてから、
思い出が詰まった我が家になるべく帰りたくなくて
休みなく絶え間なく働いてた。
家にいると、夫氏のいない生活を突きつけられて
つらくて悲しくて
耐えられないと思った。

コロナになったので、
そんな心に塩塗るマイスイートホームに
ずっといなきゃいけなくなった。

おかげで
マイスイートホームの
マイスイートデイズを
嫌でも思い出してしまう。

歳重ねてもこの家に2人で住みたいね
良い街に出会えて良かったね
大家さんも街の人も温かくて
一生この街にお世話になってやろう

そんなこと言いながら
私たちは毎日ここで暮らして
毎日笑ってて
たぶん1日欠かさず笑ってた。

夫氏はリハビリ通いながら
毎日散歩して、自主トレして
行動範囲がどんどん広がって
お気に入りの唐揚げ屋さんでお弁当買ってきたり
コンビニスイーツを全制覇したり
日常生活も一人でだいぶ送れるようになった。
仕事も在宅中心に復職できて
オンラインで勉強もしてて
夢と希望しかない、
本当に幸せな40歳だったと思う。

改めて
40歳で、こんなに夢と希望が溢れてるって
すごいことだったのかもしれない、、
それが断たれてしまったのは悔しいけど
その記憶もないのであれば
本人は幸せなのかな。
今の夫氏には何が見えてるんだろう。

人生何があるか分からないから
一生賃貸で暮らそう派なので
このマイスイートホームも、
本当ならもっとあっさりと捨てたいのに

離れたくない。
いればいるほど塩塗られるけど
それでも夫氏との幸せだった生活の残り香を忘れたくなくて、浴びていたくて
出る気になれない。

もう2度と前の生活に戻れないのは分かってる。
もし在宅介護になるとしても、
この家は作り的にも難しいから引っ越さないといけない。
それでも、
万が一急に目が覚めて
この家に帰ってくるようなことがあったら
もっと覚めるんじゃないかとか
淡い期待を抱いてしまうから
余計にこのマイスイートホームを離れられない。

夫氏ーー
帰ってきてよーー。
ふらりといつもみたいに
杖カツカツ言わせながら
帰ってこないもんかのう。

会いたくなってきた。。
会いたいよーー夫氏ーー

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