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『料理綱目調味抄』(4) 鱠の部

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『料理網目調味抄 5巻 [2]

たで」と書は

たで酢也。生姜酢、芥子酢、胡麻酢、山葵酢わさびす。皆、首の一字を出。酢のにぶきこのむは、だし、酒を加。

「取合」と書は

或は、さい類、又、魚に、魚具類、何にても取合能物也。大根、瓜、茄子、葱、にら、あさつき、しそ、ぼうふう、うど、せり、三葉、はじかみ、青豆、くりしやうが、めうが、松な、ざくろ、なし、柿、たで、此内を可 用。

けん」と書は

橘類は、魚毒消也。依て多く加也。又、近代、梅露ばいろきく露、忍冬にんとう露、鱠に加て一興とす。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『料理網目調味抄 5巻 [2]

加雜かぞうの事

一書曰、堺より色々の魚貝類を造り交、杉の箱の下に穴を明、夏は一塩してのほすを かんそう鱠といふ。箱あげ、冷水に漬、塩出して後、押をかける。かはかして鱠にあゆると云々。

ぬた鱠は

酒の糟、酢、芥子を以、あゆるを云也。酒のかす板にのせ、刀を以、そろ/\扣かへば、ちう は下に居々を上斗とりて遣ふ。青ぬたの青葉、たゝきよくすり、なべに入、煮たて、青味を居させ遣へば、青くさき事なし。

※ 「扣かへば、ちう は下に居々を」は、誤読しているかもしれません。

夏日鱠は

作りたる魚の上下に、にはとこの葉を置けば、魚損ぜすと也。



筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
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