『料理綱目調味抄』(4) 鱠の部
「蓼」と書は
たで酢也。生姜酢、芥子酢、胡麻酢、山葵酢。皆、首の一字を出。酢の鈍を好は、だし、酒を加。
「取合」と書は
或は、菜類、又、魚に、魚具類、何にても取合能物也。大根、瓜、茄子、葱、にら、あさつき、しそ、ぼうふう、うど、せり、三葉、はじかみ、青豆、くりしやうが、めうが、松な、ざくろ、なし、柿、たで、此内を可 用。
「權」と書は
橘類は、魚毒消也。依て多く加也。又、近代、梅露、菊露、忍冬露、鱠に加て一興とす。
加雜の事
一書曰、堺より色々の魚貝類を造り交、杉の箱の下に穴を明、夏は一塩してのほすを かんそう鱠といふ。箱あげ、冷水に漬、塩出して後、押をかける。かはかして鱠にあゆると云々。
饅鱠は
酒の糟、酢、芥子を以、あゆるを云也。酒のかす板にのせ、刀を以、そろ/\扣かへば、● は下に居々を上斗とりて遣ふ。青ぬたの青葉、たゝきよくすり、なべに入、煮たて、青味を居させ遣へば、青くさき事なし。
※ 「扣かへば、● は下に居々を」は、誤読しているかもしれません。
夏日鱠は
作りたる魚の上下に、にはとこの葉を置けば、魚損ぜすと也。
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖