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Diary 5

〈新しい家族〉

ユオ🌌
 夜狼族の獣人。
 色々な物から逃げる為外から来た。1人で色々な仕事をしたがつまらなく、夜に走り回るソラを見かけ、追いかけたソラに誘われて夜動く為チームを組む。
 ソラと同じ位か小さめだが力持ち。
 成長すれば騎獣ができる。ソラ隊にいたので戦闘も可能。

「地面は俺のテリトリー‼︎」
「小さいからって馬鹿にすんな!」

withイネス

ソル🦉
 雪梟の獣人。
 空を飛べる。雪降る森に住んでいたが、同族による村八分により外へ。その時にいたソラを気にいる。夜?組む組む!と付いてきた。
 普段はクールお兄さんだがノリが軽いのはこの方。
 偵察得意。霧持ち。隠れるの上手タイプ。いたずらかます、おちゃめな63㎝。人化すると173㎝。
 方向音痴は笑いながら誘導し、手紙を笑顔で届ける。
 一時期、月の所に居たので、大切な人に限り居場所が分かる。
 ソラ隊にいたので戦闘も可能。

(梟時)
「ホゥ?クルァ?クゥ ┐(´д`)┌ヤレヤレ」
「クゥwクゥwクルゥ w (>▽<)ノ」

「空は僕とソラのテリトリーだよ?」
「ソラと空散歩w楽しいんだw ん?冗談だよ!しっかり偵察さ!」

withジャンニ

(ユエ猫様からの授かり物)


休日にただ作業する話

 「そうか、ユオは大きくなると2mくらいになるのか」
肩にとまった雪梟のソルと図鑑を覗き込みながら、ジャンニは呟いた。
机の上の子夜狼のユオは、心なしかドヤ顔で尻尾をパタパタ打ちつけている。
 言われてみれば、ソラと同じくらいの大きさなのに手足は太く強そうだし、さっき抱っこを求めて飛びかかって来た時は抱き止めた際に思いの外衝撃を受けた。
 あの小屋を使ってみるか。
思いついたジャンニは庭に出てみることにした。

 そう。
 実はこの家には、裏に庭があるのだ。
周りを家に囲まれているので外からも見えないが、何なら敷地面積の3分の1ほどを占めていて意外と広い。
 そこに窓付きの小さな小屋が建っていて、今のところ特に使うこともないので食料や薪を置いている。だが本来の使用方法は、おそらく離れの部屋だ。

家の図解


 どうせ大したものは入ってないし、食料は庭に地下室でも作って置いておけばいいだろう。あそこを片付けて、ユオとソルと、ついでにイネスも使える部屋にしてみるか。

「ソルは止まり木がいるんだな」
立ち上がりながら聞くと、肩のソルが「ホウ」と返事をする。
「木は売るほどあるんだよ」
 キッチンの引き出しを探り、奥から小刀を探り出した。カバー状の鞘から抜いて刃を確かめまた収めると、デニムの後ろポケットに入れる。
 小屋に歩き始めると、ユオは椅子を経由もせずテーブルから飛び降り、足元をすり抜けて先に駆けて行く。ソルは肩から飛び立つとジャンニの頭上を前後しながら付いて来た。

 先に着いて待ちきれないように尻尾を振っていたユオは、裏庭に続くドアを開けると弾丸のように走り出た。庭木はないのだが、芝生だけはちゃんと手入れをしていたのが今となって役立っている。
 考えてみれば、せっかく庭があるのだからテーブルセットやベンチを置いても良かったのかもしれない。食料や薪を取りに行く道としてだけ使っていたが、縦横無尽なユオの動きを見ていると、そういえばここは庭だったと改めて思い出す。
 ドア横にかけてある鍵を取り、裏庭に出た。

 小屋は左に薪が積んであり、奥にはとうもろこしやじゃがいも、玉ねぎなどが袋や木箱に入れて置いてある。
 背後を飛んでいたソルがジャンニの横を掠め、積んである薪の元へ行った。歩いたり飛んだりしながら吟味しているようだ。
「うん。この薪を使ってとまり木を作ろうと思ってたんだ。どれがいいかな」
 何が好みポイントなのか、真ん中辺りの微妙な位置取りの薪をじっと見るとこっちを向いた。
「それがいいかい?」
その通りと言うように床から飛び立つと、再びジャンニの肩にとまる。
 何とか抜けた薪2本と共に、ドア枠に寄りかかって座った。
 母国にいた頃は求めに応じてスプーンや人形を彫ったものだが、木を削る作業は久しぶりだ。
 ユオはまだ帰って来ず、ソルは付かず離れずの位置で小屋の中を調べている。
「気になるかい?面白いものは何もないだろう。ここにとまり木と寝床を作ろうと思うんだ。あとイネスのベッドとね。その内ユオが大きくなったらイネスと2人でここを使えばいいかなと思うしね。その時は、君と私は家の方に引っ込もう。私たちだけなら多分、あの家も狭くはないだろう。…ほら、どうかな。このくらいの太さで」
 小屋の窓辺から戻って来たソルが、両手で支え持った薪に止まる。ちょうど良さそうなのでもう一本作っていると、やっとユオが戻って来た。
「庭の偵察は終わったかな。今刃物を使ってるから気をつけて」
あぐらをかいている膝に前足をついて薪の匂いを嗅いでいたが、それに満足したのか、あぐらの中に入ると丸くなって眠り出した。
「来たばかりだから、慣れない所で疲れただろう?」
背を撫でると、寝ているはずなのに尻尾をゆるゆると振った。ソルも戻って来て右足にとまる。
 こうなるともう危ないので小刀は鞘に納め、薪を削る作業も中断する。ソルを撫でていると何となく眠くなって来た。
「最近やたらと眠くてね。多分もうすぐ入院することになると思うんだ。来てくれてすぐいなくなって申し訳ないんだけど、一週間くらいだと思うから。まあでも、その間も君たちがいてくれるんならイネスのことも安心だね」
1人で始まった人生に、だんだんと家族が増えてくる。
「生きているといいことがあるもんだね。来てくれてありがとう」

 ウトウトと考える。
 後は何がいるかな。2人は果物と肉を食べるんだからもう少し買い足さないと。
ユオはスイーツが好きで、ソルは穀物も食べるんだよな。
 明日はまだ、仕事帰りに買い物をするくらいのことはできるだろう。

 夕方の庭から、ワーだかキャーだが、帰宅直後のイネスの奇声が聞こえてくる。
 食事の支度をするキッチンから窓越しに見遣ると、
「どうしたのこれ!すごいじゃない!」
と、何故か隣のユオに聞いている小屋前のイネスがいた。

 昼寝はしたものの、その後ちゃんと部屋は作ったのだ。
 ふと思い出して近所からいらないベッドをもらって来て補修もし、簡単なものだが机と椅子も一応作ってある。我ながら、材料が薪だけの中でよくこれだけ作ったと思う。
 そこに止まり木と、ユオ用のベッド型の寝床も作ってみたのだが、これはそんなに好評ではなく、ユオは結局カウンセリング用のソファで落ち着いている。
 家の方にもとまり木を作った。ソルは6割ジャンニの頭や肩、4割はとまり木と家具くらいの割合で過ごすらしい。
 イネスがバタバタと居間に戻って来た。
「どうする?今日はあっちで寝る?」
ユオと一緒に一目散にソファに飛び込むと、ゴロゴロしながら答えた。
「ううん。ジャンニと寝る」
 あんなに興奮していたのに、結局まだ使わないらしい。

 今までの倍の皿量に食卓はいっぱいだ。
ソルは机の端にとまり、ユオはイネスに抱えられて食べている。
 ユオもソルも、ソラのところにいたから戦闘もできるとは聞いたのだ。
だが戦わせるのは忍びない気がして仕方がない。
 
 ただずっと、一緒にいてくれればいい。
一緒に起きてご飯を食べ、一緒に出かけ、また一緒に昼寝もしよう。
 そして君たちが元気で、できれば幸せであって欲しいと思う。

ソルとユオ

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