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寒中お見舞い申し上げます。

令和5年・2023年の新年もすでに19日。
新年のご挨拶はおろか、このnoteも慌ただしくしているうちにほぼ五か月のご無沙汰となってしまった。

【今年の守り本尊、文殊菩薩のお詣りと卦体神信仰】
今年の干支は兎である。いただいた年賀状も、みな優しくかわいらしい兎の模様ばかりで心も和んだ。昨年は年女で、渋滞の中、寅年の守り神、仙台西南部、愛宕山の虚空蔵堂、大満寺にお詣りをしたことを思い出す。
仙台ではその年の守り本尊を祀る卦体神(けたいかみ)という風習があり、十二支を祀った神社やお寺がある。昨年もその一つだったので、卦体神参りも良いかと思い、うさぎ年の守り本尊がある文殊堂、に出かけた。

【鷲巣山文殊堂】
初めて出かけたお堂で、道を行き過ぎたり迷ったりで苦労してたどり着いた。昨年の虚空蔵堂と同様、小高い森にあり、仙台を見下ろす景色がきれいであった。
創建は仙台藩祖の伊達政宗公の家臣であった嶺八兵衛藤原之長秀とあった。長秀の父は大峰山で修業したという修験者で相馬に住んでいた。
代々、文殊菩薩を大切にしていた家であった。
その後、相馬から仙台に移り、長秀は伊達政宗の家臣となった。文殊菩薩を祀りたいと思っていたが、戦功もあったため、政宗公から鷲巣山の地を賜り,堂を建てたという。
100余年後の享保元年、第五代藩主の伊達吉村公の時代に改築が行われて落成したらしい。
創建から400年経った折、信仰厚い人々の尽力もあり、近隣に住む石仏師により、三十三観音が彫られ、境内に安置されている。石仏師は2年の歳月をかけ、一体彫るごとに滝に打たれたそうだ。三十三に変化する観音菩薩が丁寧な駒札と共に境内に並ぶ様子は霊験あらたかな雰囲気である。
文殊菩薩だけでなく、観音信仰も感じられた。

文殊堂境内に建つ三十三観音像
三十三観音像

本殿に向かう手前に大崎八幡宮にあるような長床があり、中には巨大な兎の張り子があって驚いた。やはり信者の奉納品のようだ。

かなりの迫力
階段の上正面が本堂

この階段の足元にも兎の石像があった。これも三十三観音を彫った同じ石仏師の作らしい。

こちらもインパクトが強い。
文殊菩薩の御開帳は25日の縁日でこの日は扉は閉じられていた。
文殊堂の屋根の上の兎

お堂の屋根の両端前面に、逆立ち兎が乗っていた!
飾り瓦というだけではなく火伏せの意味もあるのだろうか。
兎や龍、猿などが屋根の上に乗っているのを見かける。
体を思いっ切り反らして足の裏が正面に見える。

この兎に似たものが知事公館の屋根にもあったことを思い出し、帰りに、通り道なので寄ってみた。旧仙台城中門を移築したもの。↓
文殊堂と違い、勢いよく飛び跳ねている。

宮城県知事公館正門
屋根の左上


屋根の右端

【大崎八幡宮松焚祭】
この日は小正月の一大行事、全国的にも有名で、国宝建築である大崎八幡宮の松焚祭、いわゆる当地ではどんと祭と呼ばれているもの。
仙台市内、各神社で行われるが、こちらのが最大規模である。
今日の一番の目的は、実は文殊堂の方で、こちらは混雑するので、立ち寄らないつもりであった。ただ、文殊堂の帰り道に八幡宮の前を通ったら、赤い提灯がずらりと並び華やかな雰囲気で、思わず引き付けられ、参道に入り込んでしまった。
どちらかと言うと静かで地味なお堂と境内だった文殊堂とのコントラストが大きい。
成り行き上、火入れの時間までいたので、簡単に写真だけでもご紹介しようと思う。

国道の前の一の鳥居


参道の階段にずらりと赤い提灯
参拝者たち
火入れ前に積み上げられた正月飾りや縁起物など
やきそばの露店。三年ぶりに露店も賑わっていた。
まずは参拝。意外にすいていた。
裸参りのご一行。

例年、一番の寒さの時期で雪模様のことも多いのだが、今年は例外的に暖かく、裸参りの皆さんも心なしかリラックス。右手に鐘、左手に提灯を下げ、口には私語を慎むための含み紙をくわえるが今年は全員マスク。お供えのお酒などを捧げ持つ人も見かける。シャンシャンと鐘の音が境内に響き、会社や学校、病院など、グループ毎に、まずはお浄めと参拝を済ませ、御神火を回って終了となる。
(タイトルの写真は拝殿での参拝の様子)


燃え盛る御神火

いよいよ火入れとアナウンスがあり、大きな音で花火があがり、わくわくしていたが、それから神事が30分ほど続いたので、立ちっぱなしでかなりの待ち時間があり、正直応えた。(不謹慎ではある)年齢も自覚しなければいけない。


御神火の周りを歩き、良き一年を祈る裸参りの一行。境内の木々の枝が揺れている。

火の前からだいぶ下がって見ている参拝者の私たちも体が暖まり、顔が熱いくらいであったのに、裸で火の回りを歩く人たちはさぞ熱くて大変であろう。御神火にあたると風邪を引かないと言われているが、今は風邪より怖いあの感染症を追い払ってほしい、と切に願うばかりであった。

【おまけ】
いつおみくじを引いても、せいぜい中吉,小吉で一番多いのは末吉、という私。しばらくぶりで、お守り付きのおみくじを恭しく引いてみた。驚きの結果の【大吉】が出た。あとでゆっくり読もうと、大事にポケットに入れて持ち帰った。

一瞬、嬉しくて友人に写メまでした私だが、少し時間が経つと、『何もかもがうまくいくが、油断は禁物』の文言より、『今は大変だがそのうちきっとうまくいくので精進するように』という末吉の言葉の方が希望があって性に合っているような気もしてくる天邪鬼の私でもあった。

まずは良い小正月であったと思う。今年もよろしく。ではまた。









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