見出し画像

秋は小鳥たちの季節             ~セキレイとの一問一答~

第四十四侯【鶺鴒鳴 せきれいなく】9月12日~16日                                                             Wagtails sing                       文字通り、セキレイが鳴き始める時期の意味。留鳥なので、一年中見られる鳥ではあるが、秋の季語になっている。                             

今日はセキレイに登場してもらい、インタビュ―を試みたい。聞き手は小手毬、答えるのは面会しやすいハクセキレイ君。夕方になってしまったので、ねぐらの街路樹にお邪魔した。最初にお断りするが、聞き手が初心者なので入門編とさせていただく。

ハクセキレイ

セグロセキレイ

キセキレイ

日本の代表的なセキレイの面々、上からハクセキレイ、セグロセキレイ,キセキレイ。(写真はwikipediaよりお借りした)

Q ハクセキレイさんとセグロセキレイさんの区別はむずかしそうね。

ハク: 確かに白と黒で紛らわしいとも言えるかも。僕たちはどこにでも出没するけれどセグロさんたちは街中にはあまりいないんだ。それに黒いとは言ってもこれから冬になると、僕たちの背中はグレーっぽくなるけれどセグロさんたちは、一年中真っ黒なんだ。それに声だって違う。僕たちは甲高い声で鳴いているからすぐわかると思う。自慢じゃないけれど秋の空みたいに澄んだ綺麗な鳴き声さ。セグロさんたちの声はもっと渋いよ。

Q:ところで、セキレイさんたちは昔からいろんな名前で呼ばれてきたわよね。何でも日本書紀の「国生み」にも関係があるとか?

ハク: そうらしいね。イザナギノミコトとイザナミノミコトは夫婦の在り方をセキレイから学んだので「恋教え鳥」なんても言われているし、子宝の神様と呼ばれる場合もあるんだ。僕たちの歩き方からヒントを得て日本が生まれたと思うとなんだか気恥ずかしいな。

Q:セキレイさんって他の小鳥たちと違ってピョンピョンと歩かないで、足を交互に出して歩いているのね?

ハク:それはね、地面を歩きながら虫を捕まえて食べるので大昔の歩き方をしているんだ。だから僕たちは作物の害虫を食べる益鳥と言えるんだ。

Q:なるほどね、でもなぜあんなに尾を上下に振って歩いているの?それが可愛いいとも言えるけれど、かなり個性的よね。英語ではwagtail,、尾を振る、っと意味ね。

ハク:そうそう、でもなぜかって言われてもわからないんだ。それで『庭叩き』とか『石叩き』何てあだ名も頂戴してるんだけれどね。

Q:スズメの仲間だけれど、人が近づいても逃げないのね、そこがスズメやカラスと違うわね、なぜかしら?

ハク:それはたぶん、ぼくたちが人から逃げる必要がないからだと思うよ。作物を荒らしたりしないからね、だから人が僕たちに危害を加えることもないし、怖がる必要もないんだ。僕が言うのもなんだけど、縄張り意識が強いのかもしれないね。

Q:今思い出したけれど、セキレイさんの綺麗な鳴き声や可愛い歩き方がいかにも想像できるピアノ曲を知ってるわ。

ハク:あれ~、知ってたの?嬉しいな。ブルグミューラーの25の練習曲の中の確か11番に「セキレイ」ってあるんだ。50秒ほどの、さほど難しい曲ではないけれど、軽やかに粒をそろえて雰囲気をだして弾くのって結構難しいよ。

Q:あれってゆっくり弾くと感じがでないし、昔弾いたことがあるけれどテンポが速くて、リズムを崩したり、弾き間違ったり、つっかかったりしたものだったわ。短い曲だけれど綺麗に弾くのはむずかしいわ。

ハク:それははっきり言って練習が足りないからだと思うよ。あの25曲のエチュードはうまくできていて楽しい曲も多いから子供たちの発表会の定番なんだ。また弾いて楽しんでください。指先を動かすのはボケ防止にもすごくいいよ、あれっ、失礼だったかな。

Q;ううん、そんなことないわ。ハクセキレイさん、お休み前にお邪魔して沢山お話してくれて本当にありがとう。日本書紀にも関係があたり、ピアノ曲にもなっていたり、セキレイさんってすごい!ってよくわかりました。きっと人間とはこれからもうまく付き合えるわね。                           セキレイ君と楽しくお話したら、久しぶりでブルグミューラーにチャレンジしたくなったわ、多分指がまわらないわね。ではおやすみなさい。

ハク:僕たちはコンビニの駐車場なんかにも時々遊びに行くからきっとまた会えるよ、See you  later.

★今日はケヤキ並木からライブでセキレイ君のインタビューをお届けいたしました。ではこの辺で。(見出しの写真は仙台市の孝勝寺の五重塔)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?