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みねのさんのおでかけレポート。

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どこかにでかけた時のレポート記事まとめ。美術館・博物館関連が多いです。
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記事一覧

ぴゅあくる刀剣男士は次元の壁を越えられるか?

 新プロジェクトは3DCGライブ!? 2.5次元で舞台やミュージカルが定着してるのに?  おそらく大半の審神者が疑問に思ったであろう「ぴゅあくる刀剣男士」。  ようは3DCGの刀剣男士がライブに一生懸命な姿勢を「ピュア」、歌唱やダンスの内容を「クール」としているらしい。  まずは今秋に「テイスティング公演」なるトライアル公演を行い、観客からのフィードバック「テイスティングオーダーシート」に書かれた意見を反映した大型公演を来年3月に実施するとのこと。  3DCG化した刀

HAKUROさんの個展に行ったはなし。

HAKUROさんのこと HAKUROさんはアートソフビ界隈きっての有名クリエイター。作品のガチャ化は何度もされてますし、ソフビの代表作「デンシタコ」は商業フィギュア化されています。なんと初音ミクとのコラボも!  私のnoteで3番目に古い記事はHAKUROさんと村瀬材木さん(村瀬さんも「ウオメカ」シリーズで有名なクリエイター)の二人展「メクアリウム」の全通しレポ。note休止前の記事ではいちばん気合い入れて書きました。

三浦海岸で貝殻をひろったはなし。

「みねこ今年は社員旅行どうする?」 「あー、行くつもりですけど昼レクはパスっすね」  職場の社員旅行は基本「宴会をやるホテルに現地集合・現地解散」。忙しすぎて社員旅行当日に休みを取れない人への配慮が発端だったはず。  ホテルへの移動は社員何人かが車を出し、それぞれに数人ずつ分かれて乗るのが基本。ガソリン代や駐車料金は各車のメンバーでワリカンです。  宴会の集合時間までは自由なんで、車ごとに現地で観光してからホテルへ、というケースも多々。  私はこの「誰かの車で移動して

田中一村展でアダンの菓子を売ってないことに首をひねったはなし。

「前半はべつに見る必要なかったね」  レストランで食事を待ってるさい、母は展覧会をそう評しました。 「まぁ『いかにも一村』って感じの絵は最後に集中してたけど」  確かに展示作品の2/3は南画だったので、「アダンの海辺」のような画風を期待して観に行った母は拍子抜けしたんだと思います。観る前は「どうせ作品数は少ないでしょ」と言ってたし。実際は300超えてたんですが。 「一村は南画より奄美で描いた西洋画のほうが向いてると思うのよ」 「一村の絵はぜんぶ日本画だよ?」 「え、本

春〜夏に行った展覧会。

 なんだかんだで記事を書きそびれた展覧会の感想供養。 半・分解展 衣服標本家の長谷川氏が主催する展覧会。東京だと10月にもまた開催地されるようです。 ティファニー展(リベンジ) どうしてもゴブラン織の壁を他の客がいない状態で撮影したかったんです。

中世の彩飾写本を通じてコレクターについて考えさせられたはなし。

 なぜコレクターは自分が心血を注いで蒐集したものを手放せるのか?  国立西洋美術館に近年寄贈された「橋本コレクション」「内藤コレクション」を目にするたびに抱く疑問です。  両コレクションともに作品数・資料的価値は素晴らしいもので、集めるにはカネ以上にコネ――コレクターどうしや信頼の置ける古物商とのつながり――が重要ではないかと思わされます。  だからこそ蒐集物には愛着もひとしおでは?  収集癖のケがあり強欲を自覚している私は、「集める」という意思のもと購入したモノがも

デ・キリコ展で奇妙なマヌカンたちに出会ったはなし。

 漫画「ギャラリーフェイク」は大昔に読んだきりですが、ミステリークロックをはじめ「いつか実物を見てみたい」という欲求を何個も植え付けられました。  デ・キリコの絵画もそのひとつです。  春から東京都美術館で開催している「デ・キリコ展」、観たい観たいと思いつつもなかなか行けず、夏になってようやく観賞できました。 展示構成自画像・肖像 形而上絵画 イタリア広場 形而上的室内 マヌカン 1920年代の展開 伝統的な絵画への回帰:「秩序への回帰」から「ネオ・バロッ

曜変天目ぬいぐるみのついでに後家兼光を見に行ったはなし。

 曜変天目茶碗、特に静嘉堂文庫の「稲葉天目」が好きです。  丸の内への移転前、世田谷は岡本に美術館があった頃から曜変天目めあてに特別展を観に行ってたぐらいには。  曜変天目グッズは何種類か持ってますが、美術館移転後に「ほぼ実寸の曜変天目ぬいぐるみ」が出たときは流石に正気を疑いました。  疑いはしましたが、欲しかったのです。発売当初は入荷タイミングとスケジュールが合わず、入荷つど販売から毎日10個限定販売に変わってもなかなか購入機会が得られませんでした。  そこに入って

日本刀と未来展で完全勝利Sをキメて驚きを提供したはなし。

 家を出たときは完全勝利Sだな、って思ってたのに、駅前についたとたん「敗北」の2文字が頭に浮かびました。  オタクは限定グッズの売り切れを恐れる生き物なので、展覧会初週の金曜日に来場予約を取って年休取得。  予約時間と移動にかかる時間から逆算して、余裕をもって家を出た私を待ち構えていたのは、事故による運休。  バス停は通勤客で長蛇の列。タクシー配車サービスのアプリもすっかり世間に認知されて、申し込んでも30~40分待ちというありさまです。  こうなりゃ地獄の沙汰も金次

平均的みねのもみぢばを東京都美術館まで見に行ったはなし。

 女性三人組が動画の収録か配信をしてたんで(主催のうどよしさんがウェブカメラ構えてた)そーっと後を付けてたんですが、私の作品はフツーにスルーされました。  創作大賞2024の応募作品で言及した「平均的みねのもみぢば」がついに東京都美術館に展示されたので、今年の夏休み初日にさっそく観に行きました。  ちょうどお昼ごろで他のスタッフさんがいなかったらしく、うどよしさんご本人が受付にいました。 「出品者の方ですか?」 「あ、ハイ」  次回の作品応募に使えるハガキを数枚貰った

カルティエ展で赤いバラを一輪もらったはなし。

「あんたカルティエ展やるの知ってる?」  えっ何それ知らない行こう行こう。  いつもは私がXで見かけた展覧会に母を誘うのですが、今回は珍しく母からの情報提供。  カルティエ展で検索して引っかかるトップヒットがトーハクのお知らせという状態なので、オンラインより紙媒体での宣伝に力を入れているのかもしれません。  ともあれ、(たとえ自分に一生縁がなくとも)ジュエリー系やブランド系の展覧会は必ず母と二人で行くことにしてますんで、開始初週の土曜日に行ってまいりました。  展覧会

マティスの切り絵と礼拝堂のデザインに圧倒されたはなし。

 マティス展ってちょっと前に都美術館でもやってなかったっけ、とスルーぎみだったのですが、同じ画家でも切り取り方が違えば新鮮な展示になるんですね。  そんな気付きを得た「マティス 自由なフォルム」の感想です。  国立新美術館は開業日から行き慣れてるんで(実は館内に足を踏み入れた1人目の一般客。テープカットも生で見たよ)サクサク行ってサクサク手荷物預けて展示室に入りました。 展示構成Section1 色彩の道 Ways of Color Section2 アトリエ |

ティファニーの前では無理でもクロワッサンを食べたくなったはなし。

 計ったかのようなタイミングでTV放送された「ティファニーで朝食を」を観ました。世界一クロワッサンが食べたくなる映画だと思います。  なにせティファニーのショーウィンドウの前に立つオードリー・ヘップバーンの姿が美しい。  肘まである黒手袋をしたまま紙袋からクロワッサンとコーヒーを取り出し食べ終わるまでずっと、背筋がピンと伸びている。最後に紙袋をゴミ箱に放るところもサマになってて素敵。 ――彼女が着ている黒のドレス、この目で見れちゃったんだよなぁ。  というわけで、虎ノ

一足先に咲く光琳のカキツバタを愛でに行ったはなし。

 展覧会のことを知ったのは昨日の夜です。Xのフォロワーさんのつぶやきからでした。  調べたら「特別展 国宝 燕子花図屏風 デザインの日本美術」は4/13から開始。会期は庭園のカキツバタが咲く季節のあいだのみです。なお日時予約制。  春の予定が落ち着き、そろそろ展覧会に行こうと思っていましたので、12:00以降の枠がまだ残っていたのをこれ幸いと夕食の八宝菜を食べながらウェブ予約しました。 庭園 根津美術館には11:45頃到着。もう入場できたので、先に庭園へホンモノのカキツ