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特撮ヒーロー、好きだけど、難しい。

こんばんは。りんごです。
布団の中から指を動かしてお届けしております。

実は昨日、『仮面ライダー剣(ブレイド)』を3年ぶりくらいに観ました。
中学生の頃、自分がリアルタイムで観られなかった仮面ライダー作品をひたすら見漁っていたことがあったのですが、そのときに出会って以来好きなライダートップ3に入るくらい大好きなんです。何度見返したことか。
久々に観ても、台詞やbgmを覚えてるところがたくさんあって、当時の熱の入れ様を思い出して少し恥ずかしくなりながら観てました。

ということで、今回は久しぶりに観た仮面ライダー剣(以下、ブレイド)について思ったことをお話しようと思います。ネタバレしかありませんので、ご容赦くださいね🤗

 観た、と言っても、私が昨日観たのは最終話に連なる3話分のみです。ライダー作品はどれも49話ほどあって、気軽に全部観るのはなかなか至難の業なので、美味しいところだけ再び味わうべく、47.48.49話を観たわけです。
 先に感想を言えば、やっぱりおもしろかったです。仮面ライダーはどれも言わずもがなフィクションなわけですが、ブレイドはその性質を最大限に活かしてて、SFとしてとてもおもしろいなぁと思います。
そしてなにより、中学生の頃にfall in loveした相川始というキャラクターがやっぱり好きすぎる!!

 この相川始というヤツは、主人公ライダーの仲間となるいわゆるサブライダーというやつで、作品内の登場順で言えば3人目の仮面ライダーです。
陳腐な言葉で言えば、彼は人外。ブレイドの世界で人類の敵となる生命体「アンデッド」の1人(1体?)なんですが、まぁいろいろあって人間として生活してます。

私はこういう、なんかでけぇもんを抱えて生きてるキャラクターが好きなんです。たまんないです。
私がとりわけツボをつかれていたのは、彼には大切に思う人間の少女がいるという点。
この少女は始さんがかつて戦闘の中で殺めてしまった人間の娘でして、流れで何故かこの少女とその母親のもとへ転がり込んで暮らしてるんですよ。言語化するとほんと、なんで?って感じですね。
少女の名前は天音ちゃんと言うんですが、ブレイドの中では最初から最後までこの天音ちゃんと始さんの家族愛のような、それ以上の愛のような繋がりが大切な軸として描かれていきます。アンデッドとしての運命と、人間として天音ちゃんたちと生きたいと願う気持ちの間で葛藤する相川始の姿が描かれているわけです。

 一気に飛んで最終回付近の話をすると、始さんは結局、アンデッドとしての運命を振り切れず、一度は人間としての生活を捨てかけます。しかも彼はアンデッドの中でも特殊な、生き残ると他の全生命体が滅びるというヤバい個体だったので、始さんの仲間として歩んできた他の仮面ライダーたちも葛藤します。
 最終的に始さんは生き残ってしまいます。そして人類滅亡へのカウントダウンが始まり、始さんも己が封印(アンデッドは死なないので、封印されることで終われる)されることを望みます。
さて、どうする仮面ライダー…!!!

どうしたと思います?
なんと、主人公ライダーである剣崎一真は、自己犠牲の道を選ぶんです。
ちゃんと説明すると長すぎるのでニュアンスで話しますが、始さんが生き残っていても人類が滅びることがないように、自らも怪物となり、始さんには人間としての生活を送らせようとするんです。

なんで彼が怪物となれば人類が滅びないのかを説明するのは省かせてください。「仮面ライダー剣 バトルファイト」とかで調べてみてくださいすみません。

で、さらにエグいのが、剣崎と始さんは、もう二度と会うことが許されないんです。
剣崎が怪物、ていうかアンデッドですけど、になった時点で、彼らは戦い合う運命なんですよ。だけど、どちらかが生き残ればまた同じ結末を辿ることになるので、決してそうならないように、もう二度と、ふたりは会ってはならないんです。
「お前は、人間たちの中で生き続けろ。」
「俺たちはもう、会うこともない。触れ合うこともない。それでいいんだ。」
そう言い残して、剣崎はどこかへ去っていきます。

剣崎と始さんは、長い時間をかけてわかり合い、種族を超えた信頼関係を築き、互いにとってかけがえのない存在になってきたわけです。そんな2人がもう二度と会えないなんて辛すぎる………。
こんな濃密な関係性を、朝8:00(昔はこの時間だった)から放送してたなんて、なんてこったい!!と、私は思わず頭を抱えてしまいました。すげぇよ。ほんとに。


大筋のストーリーはこんな感じで、私のクソデカエモーションも感じていただけたかと思いますが、他にも思ったことはあります。

やはり、「守られる対象としての女性」の描写が非常に多いんですよね。
ブレイドは2004年に放送された作品で、この頃のヒーロー作品はほとんどそうだと思いますが、女性のキャラクターはみんな、男性ヒーローの戦うモチベ要員として、守られるべき花として、描かれています。
2人目の仮面ライダーである橘さんにも恋人の女性がいたのですが、序盤も序盤で敵に殺され、それが橘さんの戦う理由になっていきますし、
4人目の仮面ライダー、睦月にも恋人ちゃんがいて、いつもお弁当を作ってくれたり、話を聞いてあげたりと、サポートに徹しています。
私はこの睦月の恋人ちゃんである望美ちゃんが大好きなんですが、48話あたりで、睦月が「これで最後」と言っていたはずの戦いに再び向かおうとする際に「もう戦いは終わりって言ってなかった?」と詰め寄るシーンがあり、いろいろと思うことがありました。
望美ちゃんにそう問われた睦月は、ろくにそれに答えず、望美ちゃんの「なぜあんなの(敵)がまだいるの?」という質問にも、説明をしません。終いには「もう行かなきゃ。」と強行突破しようとしやがるんです。
望美ちゃんはそこで「行かないで」とつい口走ってしまうのですが、そこでも睦月はムッとした顔で、自分たちが戦わないとみんなが大変なんだから仕方ないだろ!的なことを言い放ちます。
「そばにいてほしいの」と言われても、「必ず、帰ってくる…!」と返してバイクで走り去ってしまいます。
うわーーーん、そういうことじゃねぇ〜〜!!

恐ろしい怪物が湧いた理由は、サポーターである女性は知る必要がなく、逆に男が戦いに行かねばならぬ理由は当然女性は理解しているべきという観念を感じます。そばにいてほしいの、という台詞を言わせて、男が世界を守るために去ったあとに涙を流させるというのも、女は常に待っているもの、みたいなのを感じてげげぇとなります。
いや、もちろん時代が今とは違いますし、仕方ないのはわかっているのですが、やっぱりヒーロー作品って女性の周縁化に一役買ってた時代があるんだよな〜と突きつけられて、ため息が出ちゃいました。

仮面ライダーはコンテンツとして昔から大好きなのですが、いろいろと分析すると問題もたくさん見えてきて難しいところです。
今は、いつか男の子たちのトキシックマスキュリニティからの解放をテーマにした仮面ライダーをやってくれないかなぁと思ってたりする次第です。
最近はピンクの仮面ライダーを出したり、最初から女性の仮面ライダーを登場させたりと、頑張りも見えるので、これからも期待を寄せていようと思います。


長々とお付き合いいただきありがとうございました。完全にオタクエンジン全開の記事になりましたが、楽しんでいただけていたら幸いです😁

ではまた、配信か新たな記事でお会いしましょう!!

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