怪・綱渡り人生(再掲)

お恥ずかしい話をしようと思います。卒論の話です。よく堂々と人前でこんな話ができますね、と思いながら、話さないで隠してる実は実は表面取り繕ってるゴミ屑になる前にちゃんと言った方がいい気がするという気持ちと、人に話すことによってすっきりするなという気持ちとがせめぎあって今ここです。それはもうちゃらんぽらんな、私を助けてくれてる人を裏切るわ足蹴にするわ踏みつぶすわ、どうしようもないことをしてここにいます。

どうしようもない最低なことをしている時や、失敗してしまった時は、可愛いお洋服を着たりお化粧して気取ってるのが無性に恥ずかしくなり、お風呂に入ってのんびりしたりご飯を食べてお腹いっぱいになっている自分をめためたに刺したいほどそんなことして満足してはいけないのにと居ても立ってもいられない気分になります。
今、そんな気分です。

大学を卒業するにあたって、4年生現在、大変な課題が2つありました。必修英語の単位と、卒業研究です。

1年半前、4年生の夏に研究室生活半ばで休学しました。たっぷり遊んでこの間の秋、研究室生活に復帰しました。 休学した訳だし心機一転研究頑張ろう!と思っていたものの、やれ体調を崩しただの、やれ進路が決まらずしんどいだの、やれ院試に追われているだの、言い訳をしまくってさぼりまくっていました。1週間で進捗がほぼなかった週は教授にちょこっと現状を伝えてゼミを遅刻・欠席するのを繰り返しました。ちゃんと出席したのは数回じゃないかな。ゼミで顔を合わせていれば自然と覚えるはずの後輩(同級生)の名前をちゃんと覚えたのは1月も半ばになってからでした。

研究室に根つめて通っていた時期もありましたね。8:00-18:00で籠っていた時期がありました。それもね、もう気分が乗っていた時だけです。一度実験を始めてしまったら休めないというのもあったので仕方なかったし、貯金をつくっておく感覚でした。この後さぼるのを見越して。

卒論発表が2/8にありました。その3日前、卒論発表練習と題した、各自プレゼンをつくってきて教授に添削してもらう会が研究室で行われました。1週間前からプレゼンの制作の予定をたてていたのが、5日前になり3日前になり、前日になり、当日朝になりました。会は9:00からの予定だったのでその前になんとか形はつくらねば!と思った私は6:00に起きました。9:00になりました。私はまったく完成させていませんでした。手をつけてすらいませんでした。後輩(同級生)が発表したあと「あ、私今の見て書き直そうと思いました、発表次回でいいですか」とばればれであろう嘘をつき、その日の夜中、さすがに必死になって根つめてなんとか終わらせました。こう見えて、やり始めたらちゃんとやるので結構いいものができたと思います。翌日の発表練習では教授に褒めて頂いたこともあって喉元過ぎて完全に熱さは忘れました。

こんなこと高校の定期試験でも何度もやったのにな。

卒論提出が2/24に控えていました。卒論発表を終えた時点でちゃんと書き上がっているのは、目次と謝辞だけでした。なんか知らんけど表紙すらできていませんでした。
書けるところだけ気分で書いていて、残るは面倒で後回しにした部分と、実験データの整理・図やグラフの挿入、という作業でした。作業なんかやればできるんですよ、ちょっと踏ん張って早くやっちゃえばいい。分かってはいるのに取り組めなかった、いや、取り組みませんでした。これを完成させないと卒業できないのに。やるべきことを残していることからくる精神的重圧なんて漢字を5つも使うのがもったいないけれど、そんなもので精神が荒みました。書けば解決するのに、何もせず心が不安定になりました。意味が分からない。
卒論発表から16日もあったにも関わらず、お尻に火を付けようと思ったのは締め切り2日前。結局付いたのは前日。徹夜して、昼間友人に付き合わせ、頑張ってる風を装っていました。当然"不測の事態"も起こり、提出期限ぎりぎりまで作業はかかりました。なんなら間に合いませんでした。web提出でアップロードに時間がかかり、1分遅れて提出できなかった。私が作業しているのを見ていた教授がお情けでもう一度提出可能にしてくれて何とか事なきを得ました。

必修英語に関しても同じでした。お気付きでしょうが、"1年"必修英語です。しかも英会話。普通にちゃんと出席してれば単位はとれます。なんで4年生…5年生まで残っているのでしょうか。4年前期で出席できず(せず)落とした時は、同級生の1人に本気で怒られ、1人に泣かれました。今期の授業は、泣いてくれた同級生が、もう社会人になったにも関わらず毎授業前に「今日授業だよ、ちゃんと出てね」と電話をくれました。
これで授業に出ない罪悪感にはさすがに耐えられない、という動機で全授業に出席しました。これがなかったら多分また授業に出ずさくっと単位を落として卒業できなかったでしょう。コロナでオンライン授業になってパソコンのボタンを押すだけだったのも救いでした。
とはいえ授業に出たところで、課題の提出は遅れまくり、なぜか先生に嫌われ不正を疑われて今後評価を付ないと言われ、もう諦めようかと思っていたのをこれまた周りの人が熱心に力を貸してくれ、元気付けられ、何とか課題最終提出期限前日に残りの課題を全部提出し終え、無事単位をもらうことができました。

こうして卒業が確定しました。

どうにかなってきてしまいました。振り返れば具体的な例が思い出せないほど周りの優しさと運でなんとか首の皮1枚で繋がってきた人生でした。

私なにも頑張ってない。卒業させてもらっちゃった。またなんとかしてもらっちゃった。
これから大学院?こんな状態でそんなことをほざいているの、本当に滑稽です。こんな状態で何するつもり?就職できるの?自分で生活できるの?

そんなことを思いながら、今も勉強もしていないのに焦燥感に駆られるだけの時間が無為に過ぎていく。いつか、なんとかならなくなる時が来ることだけは、確実に分かる。

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