どうせなら男を描こう

さて、描きたいものってなんだろうか。
描きたいかわからない絵を描いて、途中でやめる。
途中で辞めるから、できないんだと諦めて絵を描かなくなる。
この負のループを幾何学的対称性を失った楕円渦巻発散ループと呼ぼう。
やっぱり長いからやめて、付和雷同型いこじ打算スイーパールーパーと呼ぼうか。

昔も今時のイラストレーションも無駄に女性画ばっかりが本屋に出回っている。
女ばっかり美しいっていうのは全く持って事実に反していると主張する。
美しくない女もいるし、透明感の美しい男性の横顔だって存在する。
丸顔、面長、顎広、顎割れ、デコッパチ、えらの張った顔。
10美人画のあるうち、1は美男画であってほしい。

男性が自分の顔を美しいと思える世の中になりつつある。
この世の中を嘆く古の男たちもいるけど、きっと今の方がずっといい。
男は自分で自分を差別して、女の塩漬けを作って気を紛らわしていたんだ。
塩漬けの女性がパクパク息してるのをオバタリアンとか呼んでいたに違いない。
男性が自分の干物を作るのをやめて、女が塩からさで悩むことが減ったらいいな。

にきび、かさぶた、できもの、皮膚の荒れ模様をケアする少年たちは美しい。
美しくなろうとする男性は、美しくあろうとする女性と同じぐらい明麗だ。
当然のことだ、だからこそ凛とした男性を描くべきなのではないか。
素直とは言い難い、それでも美しい少年が描きたくなった。
そしたら、描きたいものがみえるかもしれないし。

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