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「希望を掴め 高校受験」物語書いてみた

私は、おとは、16歳の高校1年生。とても楽しい学校生活を送ってる。でも、受験前は大変だったな。だけどね、あのとき頑張れたからこそ、今の私がいるんだよ。

✳️

受験生でもある中学3年生になった。

(1,2年生あっという間だったな。もう受験生になっちゃった。)

私は時間の速さに驚いた。その後もどんどん時間が過ぎ、春から夏になった。明日から夏休みだ。

「明日から夏休みだぞ。しっかり受験勉強しろよ!ここからの頑張りが、合格か不合格かの分かれ道だ!」

先生の声が教室に響く。

(えっ!まだ志望校決待ってないんだけど…みんな決まってるのかなー?そうだ!あいつにきーてみよっと)

「ねえ、れお?」

「ん?なんだ」

「志望校ってどこにするの?私決まってなくて、今焦ってるの。」

「俺は一応、四葉高校にするよ。志望校早く決めとけよ。自分の将来も、高校で大きく変わるから。」

「うん、ありがと。ばいばい」

「じゃあな」

四葉高校は、偏差値60の高校だ。正直今の私には届きそうもない。この前の実力テストだって120人中55位だったし…いつも偏差値50ちょっと。 こんなことを考えて下校していると、後ろから孝介がきた。

「おーい(^^)/おとはー。なんか悲しそうじゃん。もしかして、れおと喧嘩でもしたか?」

「別にしてないよー。ていうかなんで、れおとなんかあったと思ってるの?」

「まあ、そんなことどーでもいいだろ」

「もうーからかうのやめてよ~(。>﹏<。)」

孝介は何でも知ってる。頭が良くて、テストではだいたい5位以内に入ってる。私がれおを好きだということもいつの間にか気づかれてた。孝介は、頭いい高校行くのかな?気になって聞いてみる。

「そうだ、孝介は高校どこ行こうとしてるの?」

「俺は四葉高校。」

「本当に!?もっと頭良いところいくと思ってた。」

「先生にも言われたよ。もっとレベルの高い学校行けって。でもさ、遠い高校は行きたくないなって…四葉市のなかで、ここらへんから近い高校って四葉高校か四葉中央高校じゃん。四葉中央高校は偏差値45くらいだから…」

「そうなんだ。いろいろ大変そうだね。今日、私も四葉高校行きたくなったんだよ。無理かな?」

「無理じゃない。全然間に合うよ!四葉高校行きたい理由ってあるの?」

「それは…(。>﹏<。)」

「そういうことか。おとはって分かりやすいな(笑)」

「そんなにわかりやすいの??ていうか、学力どうやって上げればいいかな?孝介はどんな勉強してるの?私、数学が苦手すぎて、家で勉強しててもわけわかんなくなってすぐに終わりにしちゃうの」

「そういえばおとはって、数学ヤバかったな。他の教科はまぁまぁできるんだっけ?そうだなー…いつもはどんなかんじで数学やってるの?」

「ワーク繰り返してる。分からない所は答え見て、それでも分からなかったらお兄ちゃんに聞くの。」

「分からなかったらすぐ答え見ちゃうの?」

「うん、ぱっと見て分かんなかったらずっと考えててもわかんないでしょ。」

「それはだめだよ。確かに分からなかったところを答えを見て理解することは大切だけど、数学って答えを出すことよりも、答えを出すまでの流れが重要なんだ。だから、分からない問題も、時間がかかってもいいからどう解くか考えてほしい。」

「そうだったの!私、今まで問題に対してあんまり深く考えてなかった。」

「これから夏休みだし、数学できるようになるといいな。応援してるよ!」

「ありがとう」

「おう、じゃあばいばい👋」 

「ばいばい」

もう家の近くまで来てたんだ!と、孝介とわかれてからふと気づく。家に着いて、自分の部屋に入る。そして、決心した

(数学を得意教科にしてやる)

と。なんとなくだけどできる気がした。それからの夏休みは自分でもびっくりするぐらい数学に没頭していた。夏休み4日目、分からない問題を分かるまで考え続けると、解き方を思いついたんだ。そのときはすごく嬉しかった。数学の楽しさを知ったのだ。

夏休みが終わった。私は自分に自信が付いていた。

学校では、数学の授業に集中できるようになる。

「なんか、おとは、さっきの数学の授業楽しそうだったな。」

れおがこう言ってくれた。

「そうかな、夏休みに数学頑張ったんだ。」

「おとはが数学できるようになったら俺負けちゃうよ」

「いやいや、さすがに勝てないよ〜。」

「次のテスト、勝負しような。」

「えー。絶対まけるじゃん。」

このとき、負けるとは思っていたけど、全力で勉強しようと決めた。テストは10月にある。あと1ヶ月半だ。

実際にテストの日になる。

学校へ行くとみんな席を動かしているところだった。私も急いで席を移動させる。

「れお、おはよう。」

テストの席ではれおと隣になる。結構嬉しいんだよね。

「おはよう。あの約束覚えてるか。」

「もちろんだよ〜」

朝の会も終わり、テストが始まった。テストの時間は一瞬に感じる。

(ふー、終わった〜)

国語、社会と、自分の得意科目はうまくできた。数学はやっぱりだめだった。時間が全然足りなかった。あと、理科が足を引っ張ちゃったかな。英語はできてそうだ。

「テストどうだった?」

隣のれおが聞いてきた。

「う〜ん。いつもと同じくらいかな。」

「俺もいつもどうりだなー。今回、数学難しくなかったか?」

「そう、めっちゃむずかった。私、最後時間なくなっちゃった。」

他の人も難しいと思っていることを知って安心した。

「結果が楽しみだな。」

「うん!」


それから2週間後、テストが返された。結果を見て驚く。数学で初めて平均を超えていたのだ。ただ、全教科ではいつもとほぼ変わらなかった。

「れお!どうだった?」

「17位だったよ。おとは何位?」

「51位だった。なんとね、数学の点数平均より2点高かったの。」

「すごいじゃん!頑張ったな。これからのテストも勝負しような。」

「えー、まじで!」

それからは、れおとのテストの勝負が恒例になった。

11月のテスト

私(おとは) 44位  れお 15位

12月のテスト

私(おとは) 32位  れお 16位

れおからのアドバイスもあり、理科や社会も勉強し、どんどん順位が上がっていった。

冬休みになる。このときの私は少し浮かれてた。きれいに順位が上がりすぎているのが原因だとおもう。勉強はしていたけど、やっても3時間ちょっとだ。そんな気持ちのまま私立受験を迎えた。受験日当日も大丈夫だろうと安心してた。

何日かたち、私立の結果が発表された。私はそれを見て部屋に閉じこもり、涙を流した。

志望していたコースに落ちていたのだ。絶対に受かると思っていた。そんな自信があったからこそ、あまりにものショックで立ち直れず、体調も崩した。
お腹が痛くて学校を休んでしまった。ずっと部屋にいた。

窓の外を見る。

(あいにくの曇り空だ。今日もお腹が痛いよ。大切な時期なのに…)

そのときだった、インターホンが鳴る。

今、親はでかけているのでこの家には私しかいない。しかし、出るのは面倒だ。

ピンポーン また鳴る。


ピンポーン

イライラする。もうインターホンの音を聞くのが嫌になって部屋を出る。廊下を走り、いい加減な開け方でバッとドアを開ける。

「どなた様で…えっ!!れお!?」

そこには、急に開いたドアに驚いたのか、後ずさりしているれおがいた。

「よお!体調大丈夫?」

「うん、良くなってきてるよ…」
(嘘ついちゃった)

「良かった。私立、残念だったらしいな…」

「うん、まあ…」

「かなり落ち込んでるんだな。みれいから聞いたよ。だけど、本番は県立だろ。気持ち切り替えよ。」

みれいは私の一番の友達。悩み事もみれいにはよく話す。そして、私立のことも話していた。でも、どうしてれおにそんなこと言ったんだろー?

「うん、切り替えたいよ。だけど…」

「四葉高校行きたいんだろ。まだ全然間に合うよ! 俺はおとはに後悔してほしくないんだ。だから、頑張れよ」

「うん」

確かに四葉高校が本番。入試まではあと1ヶ月。

次の日起きると、嘘のように体調が治っていて、学校ヘ行った。クラス全員、真剣な顔になっていた。

(みんな、ラストスパートをかけてる。私、出遅れちゃったなぁ)

その日の下校中、孝介と話した。

「孝介は、結局四葉高校にしたんでしょ。」

「あーそうだよ。 おとはは受験受かりそうか?」

「う~ん、なんとも言えないなー」

「大丈夫!いけるって!そういえば、おとはが四葉高校に行きたくなったきっかけ、覚えてるか?」

「覚えてるよ。れおと同じ高校に行きたかったんだよね。」

(そうだ!れおといっしょになりたかったんだ。)

「その夢、叶えよう!残り1ヶ月死ぬ気で勉強だ!」

「そうだね」

孝介から勇気をもらった。毎日毎日時間があるときは、常に勉強した。こんなに勉強に集中できたのは夏休み以来だ。また、自信がついてきた。

そして迎えた入試当日。手応えはあった。

あとは待つだけ。私は近所の神社にお参りに行った。

手をたたく。

パンッパンッ!

(合格していますように。れおも合格していますように。)

こんなに気持ちを込めたお願いしたことがなかった。

入試から1日、2日、3日。こんなふうにお参りをする。

4日目、ついに合格発表の日が来る。朝起きて時間を確認する。

(まだか…まだ時間はけっこうあるな)

ドキドキしていた。もう発表されてないかな、と思い、スマホを開いてページを探す。当たり前だけどまだだった。スマホを閉じる。待ち遠しかった。

「朝ごはんできたよー」

いつもの声が聞こえてきた。いったんリラックスしよう。そう自分に言い聞かせる。

朝ごはんを食べ終わった。

「お母さん、15分後だね。」

声が震えていた。そんな私を落ち着かせようとしているらしく、母が言う。

「少し外の空気でも吸ってきなさい。気持ちが整うと思うよ。」

「分かった。」

そう言い外へ出る。朝の冷たい風が頬に当たり、肌寒い。鳥の鳴き声が聞こえ、声のした空を見ると、雲一つない快晴だった。

家に戻り、またスマホを見る。

結果は

合格

そして、孝介やれおも合格していた。

そんな喜びのなか、れおに呼び出された。そこは小学生のとき、よく遊んでいた公園。れおが来た。

「言いたいことがある。」

自分の心臓の音が大きくなっていく。こんな音を聞いたのは生まれて初めて。

「おとは、」

もしかして、これって、、


✳️


今は、ほんっとうに幸せ!れおが近くにいてくれる。クラスもおなじになったんだ。

そういえば、孝介は最近退屈そうだなー なんでかな?

終わり

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