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「合同部会」とは?【川崎市木材利用促進フォーラムの取り組み紹介】

こんにちは、川崎市木材利用促進フォーラム事務局担当です!

前回のnoteでは私たちの取り組みについてお伝えしましたが、今回はもう少し具体的に、フォーラムで定期的に開催している「部会」についてお伝えします。


「部会」とは?

前回もお伝えした通り、このフォーラムは「国産木材の利用促進・普及を図ること」を目的に活動しており、有識者や自治体、民間企業など多岐にわたる会員が連携し、「建築物の木造木質化、木の空間づくり」及び「国産木材の利用意義を広く市民に伝える普及啓発」を中心とした取り組みを推進しています。

「部会」とは、その取り組みの一つ。フォーラム会員同士の情報共有の場となるよう、定期的に部会を開催しています。

<合同部会について>

フォーラムの部会は主に、民間企業を中心とした「作業部会」と、行政を中心とした「行政部会」に分かれています。

【フォーラム会員数】 *令和6年6月13日現在
◎行政部会会員 30自治体
◎作業部会会員 106企業・団体

https://kawasaki-mokuzaiforum.com/top/forum/group/
出典


これまでは「作業部会」と「行政部会」を別々に開催していたのですが、昨年(2023年)度から試験的に合同開催をするようになりました。

そして、今年(2024年)度からは「合同部会」として、民間企業と行政の垣根を越えてコミュニケーションが図れる仕組みに整えたのです。

合同部会で話されることは?

では、合同部会ではどのような内容を話し合っているのでしょうか?

今年9月に実施した第1回の合同部会では、(事務局である)川崎市からは主に下記の内容が話されました。

・木材利用促進事業補助や木育イベントなどの取り組みについて、情報提供
・現在進行中である行政部会会員と連携した、SNSの活用等について報告
・フォーラム会員が行っている取り組みの紹介

部会の会員数は130団体を超え(※2024年9月時点)、大所帯化したことでお互いの強みが見えにくくなっていることもあることから、こういった取組紹介は非常に有益なプログラムだと考えております。

会員の取り組みのついて

さらに、9月に実施した第1回の合同部会では、フォーラム会員である「NPO法人みどりなくらし」さんと「株式会社乃村工藝社」さんが、それぞれの取り組みについて発表しました。

このnoteを読んでくださっている方々にも、その2団体について少しだけご紹介しますね。

「NPO法人みどりなくらし」の活動内容

NPO法人みどりなくらしさんが掲げるのは、「次世代を担う子どもたちにみどりあふれる地球を残すため、今のくらしから身の丈に合わせ、半歩だけでも踏み出す」暮らし。

それを“みどりなくらし”とし、子どもから大人まで楽しめる様々なワークショップやイベントを各地で開催しています。

①親子向けの環境啓発活動
一つ目は、親子で楽しめる木工体験イベント。小田原市森林組合の間伐材と川崎市の公園等で拾い集めた木の実などを使用して、かわいらしいオーナメントを作れるワークショップなどを開催しています。

ほかには、宮崎県諸塚村のFSC認証を得た木材を用いた、絵本「どうぞのいす」のいす作り・箸づくりのワークショップや、自然・SDGsを身近なところから親しむ活動も。

森林や公園を自然観察員と一緒に探検し、木や草花を学ぶイベントでは、五感を使って自然を楽しむことを伝えています。

②自然観察会
中原区の事業として、年に4回の自然観察会を3年間にわたって開催している自然観察会。これまでに等々力緑地、多摩川などで開催し、多くのみどりにふれる場を提供しています。

夏にはセミの抜け殻しらべ、秋には落ち葉や木の実を使っての造形あそびなど……季節ごとの違いも楽しめる内容をお届けしているのが、ポイントです。

③やさちぃ き のひろば
川崎市 市制100周年を記念して、今年は川崎市全7区で開催予定の「やさちぃ き のひろば」。

その中でNPO法人みどりなくらしさんは、「森のおはなし」として、森の課題やわたしたちに今できることを紙芝居風のスライドで紹介するプログラムを提供しています。

「株式会社乃村工藝社」の活動内容

株式会社乃村工藝社さんは、商業施設、ホテル、オフィス、博物館・美術館などの展示に加え、イベントなどプロモーションまで手掛ける空間の総合プロデュース企業。

フェアウッド(合法・持続可能な木材)の積極的な調達を推進しているだけでなく、公共施設の木質化や、廃材利用による環境保護、国産木材を活用した市民参加型ワークショップも行っています。

①浜松こども館改修
2001年、静岡県浜松市に開館した「浜松こども館」。施設リニューアルに、天竜材(市産材)を積極的に活用し、ホール・だいちゾーン(床・壁・一部遊具)・ワークショップ室・廊下などに浜松市産材である天竜杉を活用。

それにより、公共の類似児童施設としては日本で初めて「FSC®プロジェクト認証」を取得しました。

②拠点集約プロジェクト
本社ビル(東京・お台場)に隣接する台場ガーデンシティビル内に、ニューノーマル時代に対応した新オフィスを2021年にオープン。

フェアウッドを100%取り入れるのはもちろん、伐期を迎えている国産材のスギ・ヒノキを積極的に活用しながら、それぞれの表情を生かした空間・家具をデザイン。木材をたっぷりと使用した空間をつくりあげました。

③もりまちドア
森を育む空間デザインを共同創造していくプロジェクトを、一般社団法人 全国木材組合連合会と共催。

“もり側”の林業・木材産業事業者と、“まち側”の空間クリエイター(デザイナー、プランナー、施主)が、改めて互いの背景を知り、人と人で深くつながることを通して、森を育む空間デザインを共同創造していくプロジェクトです。

スギ、ヒノキ等の価値を存分に発揮させながら、国産木材の利用を増やし、サスティナブルな社会の実現に貢献していくのが目的。

木を植え育てる費用がもり側へ戻り、次世代に健全な森を受け渡していくことのできる状態を目指すプロジェクトです。

④その他: 新建材 「(仮称) WOOD FLOOR UNIT 3.2」 (特許出願中)の開発

株式会社乃村工藝社さんと三菱地所さん含む国内6社が、共同で国産木材を活用した新建材「(仮称) WOOD FLOOR UNIT 3.2」 (特許出願中) を開発しました。こちらは今後、MEC Industry 株式会社さんにおいて製造・販売します。

株式会社乃村工藝社さんは、製品化の構想段階から参画し、 デザイン面施工技術面を監修、提案したデザインを実装に向け具現化するため、 ディテールや施工方法を助言しています。

本製品はCLTを活用したフリーアクセスフロアであり、 床一面に美しい木目が広がる高い意匠性、CLTが持つ高い強度を活かした機能性、 木材が持つ炭素固定効果により地球温暖化防止にも繋がる環境貢献機能を有した 「新建材」 です。

最後に

今回は9月実施の合同部会にて発表していただいた2団体さんについてご紹介しましたが、そのほか行政部会の会員は、全国各地にいます。

北は秋田県、南は宮崎県まで……すべての会員の参加への負担が比較的少なくなるよう、部会はオンラインで行うことが多いです。

ですが、今回は今年度第1回目の開催ということもあり、現地参加とオンラインのハイブリットで開催しました。

現地では、部会終了後も多くの方が残り、名刺交換など交流も活発に行われている印象を受けました。直接顔を合わせることで、新しいビジネスの種が生まれたかもしれませんね。

また次回の開催の様子も、こちらのnoteにてお伝えしていきます!


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