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【フランス/ロワール】受験生を悩ませる広大なロワール渓谷はグリーン広がる森でソーヴィニヨン・ブランを横向きに踏め
ワインエキスパート受験生時代、最後まで苦戦した地域の一つがロワール渓谷でした。
全長1,012kmに渡るロワールの川沿いにある、15もの県にまたがる地域。1,000kmって東京から九州くらいまでですね。ひろ。orz
私がロワールに苦戦した理由は主に次の4つでした。
1.ロワールとローヌとなんかごっちゃになる。どっちも川だし。
2.広大な地域ゆえにワインの種類も軽めの赤・ロゼからしっかり赤、白も辛口から甘口、貴腐に発泡まで。まさにWINEの総合百貨店状態(なんか古いな)
3.5つに分けられる地区と気候、ブドウ品種もかぶったりかぶらなかったりでややこしい。
4.名産地プイィ・フュメは、ブルゴーニュの名産地プイィ・フュイッセとこれまたごっちゃになる。
1,000kmにも渡り、広大で取り留めないロワール渓谷。
そもそもフランスの中だと、ここらへんにあたります。
※青いところ
大西洋に面した左端からグイグイ伸びて、もう少し右にいくとシャンパーニュの下に位置するブルゴーニュに突き当たる辺りのエリアです。
横にロワーーーーーーールと伸びるロワール様
冒頭にあげているように、私は結構後半まで「ロワール」と「ローヌ」が感覚的に瞬時に判別できなくてモヤっとしていましたが
ロワーーーールは横。
ローーヌはシュッと縦。
字面をイメージングすると、なんとなくロワールって横向きな感じしますよね?
します!
なのでこのイメージを頭に持って判別していました。
ロワーーーーーール。横向きに伸びーーーーーるイメージ。
5つの地域に分けられるロワール様
そして、この横に伸びる部分を西から順に5つの地区にわけ、ただひたすらに覚えるという苦行・・・。
〈地区(主なブドウ品種)※西から順に〉
◆ペイ・ナンテ
(→ミュスカデ)
◆アンジュー&ソミュール
(→カベルネ・フラン/シュナン・ブラン)
◆トゥーレーヌ
(→カベルネ・フラン/シュナン・ブラン)
◆サントル・ニヴェルネ
(→ピノ・ノワール/ソーヴィニヨン・ブラン、シャスラ)
◆中央高原
(→ガメイ/シャルドネ)
・・・。
なんで最後だけ地名じゃないねん!
なんでド日本語やねん!
という出落ち感もなんとも一筋縄ではいかないロワール様。(ちなみにフランス語だとマッシフサントラル)
個性的なワインを生み出す名地域がちょこちょこと点在していて、捨てるに捨てられないし、知っておくと今後のワインライフがもっともっと楽しくなる、そんな憎いロワール様。
例えば、西から2個めにあたるアンジュー&ソミュール地区には、フランス3大ロゼの1つである『ロゼ・ダンジュー』がおわします。
※その他の2つを含めたフランス3大ロゼはこちら
◇ロゼ・ダンジュ
◇プロヴァンス ロゼ
◇タヴェル ロゼ〈こっちはややこし仲間のローヌにあります。ここでもまたややこしい。)
ダンジュー(d'anjou)と付くと、半甘口を指していて、その名が示すとおりにさっぱりと甘く、和食から中華までお料理にも幅広く合わせやすい。
それはそれはもうチャーミングだけど洗練された可愛子ちゃんです。
暖かくなり始めた初夏に、キリッと冷やして飲めばもうサイコー。
ビジュアル的にもオシャレ感抜群のロゼは、季節の風を感じながら口にすると「あ、私ついに勝ち組かもしれないわ」と一瞬の俗にまみれた恍惚に浸らせてくれる魔法のチカラも備えています。
たとえすっぴんパジャマの外出自粛中×一畳ほどのベランダで感じる外の風であっても!
ちなみにこの、アンジュー&ソミュール地区にあるロゼ・ダンジュー。
品種はグロロー(Grolleau)です。
・・・・。
◆アンジュー&ソミュール
(→カベルネ・フラン/シュナン・ブラン)
って言ったそばから裏切ってくるやつ・・・・
こんな愛すべき憎らしいロワール様。古城への想いを馳せながら地図を書きまくって部屋中に貼り、覚えました・・
そして地図の至るところに、ゴロ。
ロワールで好きだったゴロは、
「すべって(赤白ロゼ、全て)シュヴェルニー」と
「なんでも(赤白ロゼ、なんでも)賛成(サンセール)!」
本当にゴロ本にはお世話になりました。
愛用したゴロ本はこちら
『ワイン受験 ゴロ合わせ暗記法/矢野 恒先生』
このゴロ本がなければ、受かってなかっただろうなと思います。
ボロボロですね。すごく勉強した感。
と見せかけて実は、カバンに入れて毎日持ち歩きはするけれど電車やバスで読むにはちょーーーっと恥ずかしくて結局ただ日々持ち歩いたからボロボロになっただけ・・・というなんちゃって「勉強してます感」。
でも、本当にこの本は偉大です。
めちゃくちゃお世話になったのは間違いないので、暗記が苦手でゴロが好きな人は絶対に買うべしだと思います。
受験後もまだややこしかったプイィ・フュメとプイィ・フュイッセ
そして受験が終わっても、しばらくずっとややこしポイントとして積み残してたのは
プイィ・フュメ(ロワール)
と
プイィ・フュイッセ(ブルゴーニュのマコネ地区)
でした。
この2つ、どちらも素敵な白ということを同じくしながら、産地も品種も味わいも全然違うわけで、
合格後のちょっとワインに詳しいワイン仲間とワイン会をする際に持っていく候補にあげるにはちょうどいい白なのですが
「あれ、どっちがどっちだったっけな・・・」とエノテカの店頭でスマホで調べることしばしば…。
プイィ・フュメはロワールはサントル・ニヴェルネ地区で造られるソーヴィニヨン・ブランの白ワイン。
一方、プイィ・フュイッセはブルゴーニュのマコネ地区で造られるエレガントなシャルドネの辛口白ワイン。
味わいの特徴はここでは述べませんが、私が最終的にロワールのフュメがソーヴィニヨン・ブラン!と覚えたポイントは
森に囲まれた古城広がるロワール渓谷は、緑が溢れる場所。
緑といえばソーヴィニヨン・ブラン!
というイメージング。
全体的に色々ややこしいロワールは、ばっくりと右脳的に
広大なロワール渓谷の緑あふれるソーヴィニヨン・ブランは、横向きにプイィっと踏め(フュメ)!
という形で最終的にインプットされたのでした。
この広大なロワールのワイン達は、受験後その奥深さを楽しめる魅力あふれる地域の一つ。
受験の時はまずはバックリと覚えつつ、そのあとの長い人生をかけて色んな地域を深く知っていきたい、そう思わせる楽しみが詰まったロワール地方なのでした。
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