今日も

最近、よく涙が出てくる。

本を読んで、
音楽を聴いて、
シャワーの音と、
眠りに落ちるその前に、
図らずも人前で。


冷えた指の先、乾燥した空気に晒された髪の毛。
シャワーで、冷えと乾きを、称(たた)えながら、シャンプーを軽く泡立てる。
濡れて重たくなった髪に、指を通す。
目を閉じて、触り心地の暗い世界。
指先で、触れる地肌を感じる。
泡立った頭を、てっぺんから解かし流す。
解けて、ぺったんこの髪の毛。
流れから外れ、顔にも水の筋ができている。

目を閉じたまま、身に染みついた過程の最中(さなか)。
涙が、何事もなかったかのように流されていく。
シャワーの音と、泡と一緒に。


布団をかぶって、天井か、真っ暗な空気か、よく分からない、ぼやぼやした黒い部分を見つめていた。

疲れ切った体でベットへ潜り込んで。
体はベットに縛り付けられたようにぐったりして、もう動けないと言っている。
心は潤いを渇望して、眠りに落ちる瞬間を心待ちにしている。
なのに、体の外へ、心から。
絞り出される涙。


私は辛いのかな。
悲しいのかな。
月日とともに、ゆるみ、締まりの悪くなった涙腺のせいなのかな。

さして、感動的でも、感傷的でも、衝撃的でもない場面なのになあ。


泣くというより、涙が出てくる。


自分のことなのに、自分のことじゃないみたい。
分からんねえ。

自分の言うことを、体が、心が、聞かなくなっているのかもしれない。
がむしゃらに頑張っているわけでもないのに。

そもそも、自分って何なんだろうね。

とりあえず、少し疲れたみたい。
今日も、シャワーを浴びて、電気を消した布団の中で眠ろうね。


#雑記