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犬をゴミに出す家

秋頃に母から「あそこの家の〇〇(以下Aとする)さん、死んだ犬ごみ収集に出したんだって」と言われた。

正直そういう話はご近所間で尾鰭が付いて伝わるモノだろうし、話半分に聞いていた。
だが一方で自分も家で犬を飼っている身である以上、なんでそんなことをしたんだろうという思いはあった。

7年ほど前に祖母が飼っていた犬が死んだときには骨は庭に埋めた。
なんとなく、そうすれば今後も一緒に暮らせるような気がするのは共感できる。
生まれて初めて見たペットの弔い方がそうであったため、それが当然だと思っていた節は少なからずあったかもしれない。

自分に直接関わりのない話なんてしばらくすれば忘れてしまうもので、それからは別段その話を気にすることもなくいつも通りに暮らしていた。
だがクリスマス頃にAさんが近所で犬の散歩をしているところにすれ違った。

その時にAさんがゴミとして犬の亡骸を出していただのという噂話を思い出して、新しい犬を飼い始めたのかなとか気になって声を掛けてしまった。

犬、また飼い始めたんですか?

そうなんだよねー。2ヶ月前ぐらいに前の子が死んじゃって。居なくなるとやっぱり寂しくてさ。

あ〜。やっぱりそういうもんなんですね。犬ってお墓に入れたりとかするんですか?

そういう家もあるみたいだけどうちはしなかったな。ペットって法的にはモノとして扱われるみたいだからさ、その、言いづらいコトではあるんだけどゴミの日に出しちゃった。

へ〜。法的にはモノとして扱われるんですね。

法的にはモノとして扱われるらしい。モノは散歩なんて行かないけれど。
法的にはそうだとしても長らく一緒に暮らした犬をゴミとして捨てるのはやはり気が引けるというか、理解できないというか。

食べちゃいたいぐらい可愛いのに

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