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漫画にしたいtalented lady.

愛すると愛が返って来る。

ごきげんよう、もくれんです。

へべれけでペンを取りました。
今日は大好きな先輩の文章が面白かったので、あまねく世に広まってほしいなと思って感想文を書きます。

まぁまずはこれを読んでほしい。

学生時代から文才光る御方だったのですが、軽妙洒脱。流れるような筆捌きに、クスクス笑いながら読んでしまいました。イ短調の日常をモーツァルトのような長調に仕立てるのが本当に上手い。丁々発止のテンポ、同じく文章書きとして本当に感動してしまったね。モノカキしてるとね、短調を単調に短調で弾き語るのはすごく簡単なんですよ。で、自分で読み返して不幸の瞑さにびっくりしたりするわけです。わ、根暗じゃねぇか!!みたいな。ビックバンが起こる前の宇宙のような深遠でひとりぽっちでいるのは誰だってできるから、その影からいかに光を見出したり三文オペラに仕立てるかっていうのは技量がいるんです。

ここまで書いて先輩の人生を三文オペラや不幸だって断定してるみたいで失礼極まりないなと気づいたけど、話を前に進めます。実際どうかは知らんけど、いつだって幸せでいてほしい。

私は独身だけど、読みながら「あるある」と思っちゃったんですよね。体験したことないくせに。ちびまる子ちゃんに似たものを感じました。別に同じ体験してないのに共有できる感情をみずみずしく取り出して、なお水洗いしかしてない感じ。そうそう、このnote読んでね、無駄な味付けがないところが非常に素敵だなと思いました。「ビジョナリーってなんだろう、アンジェリーナジョリーかな」とかもね。狙って書いてるとバレるのよ、こういうの!!!前に、聖句の引用をさかしらにするnoteを読んだことあるんだけど、作為的に散りばめてるからまぁきな臭いわけです。インテリ気取ってる香水臭さで読む気を無くす。はい、ここでアカデミックなあたくし、はいここでもアカデミックなあたくし、みたいなね、自我が気になって中身が入ってこない。この、文章をいかに化粧して化粧しないかっていうのは人柄が出る。笑かそうと思って書いた文章は私のような捻くれ者には大変鼻につく。そういう意味でね、本当に昔から等身大なのよ、先輩は。無駄な背伸びしないってすごくカッコ良いことなんだけどできない奴が多い。私含めて。今日も満員電車の前に立った男性のねじりデザインに細かいミル打ちが入った結婚指輪と高級腕時計を見ながら「蔦屋書店にいそうだな。」とか思ってるわけよ、わたしゃ。そういう、モノとか態度とか見せ方とか色んなところに人柄はどうしても出てしまうので、蔦屋書店と対局にいながら、令和の時代にあった文章を書けるというのは本当にセンスがあるよなぁとしみじみしました。あと腐心して書いた文章というのは努力の汗臭さが出てしまうので、そういう意味でも無臭であるところが本当に凄いなと思った。ナチュラルに才能があるんだろうなと思う。知ってたけど地頭も良いし性格も良い。すげ〜!

地頭が良いと性格悪くなるのあるあるなのに、性格良いというのが同居してるんだよね。人間してる日々の営みを目元の小皺が寄ったような文章ではなくテンポよく書けるのは本当に凄いなと思った。ほんでね、さらに凄いのはここまで才気あふれた文章にも関わらず下手な嫉妬を呼ばないのよ。気取ってないからなのかなぁ。こんなに文章上手いのに、「あぁ楽しかった」で終わらせてくれる。誰もサリエリにしないモーツァルト。

そして絶妙な塩梅でほとばしるリアル。このエピソードチョイスも軽すぎても重すぎてもダメで、暖房効率とチラシの販促効率の話なんかめちゃ笑ってしまった。こんなこと言うと怒られるかもしれないが、正論を語って通じるのは自分のアラを知らない相手だからであって、毛穴が見える距離で生きてるモノ同士で正論をぶつけると戦争が起きます。夫婦は最も小さなマネジメントだと思ってるけど、会社をしていることで地でそれをしている夫婦のリアルが詰まっていて、本当に嫌味なく心に入ってくるのね。正直知らんけど、もっと絶望した夜とか泣いて走り出したくなった日々とかあったんだと思うのよ、人生、生きてりゃ。それをね、こうやってまとめあげることの人生讃歌を感じたし、こうやって真面目に生きてる人の面白い文章に出会うから人生はやめられないなと私は強く思ったね。
そして夫婦起業の苦労も絵が浮かぶような表現が多彩で、漫画にしてほしいなと思った。安い水菜を買うこと、起業したのに会社の仕事ができないという哲学にぶち当たること。現代のお伽話みたいだなー。

シンデレラは王子と結婚して、国政にも入り始めて早数年。王子は抜けてるところがあるので家事でぼんやりしてるのに国政に関しては真っ当な意見を述べます。シンデレラは12時になる前にこの会議おわんねーかな、と思いました。ガラスの靴を持ってきた執事も最近は「また始まった」とでもいうかのようにたばこを燻らせています。シンデレラはやたら周りから羨ましがられている自分を知っていますが、そんなことないぜ、と思いながらスリッパをぶらぶらさせました。ガラスの靴?そんなものは結婚式以来履いていません。ガラスの靴で歩いていけるほど、王子との人生はイージーではなかったのです。

こんな感じでぜひお伽話か漫画化してほしい。
更に言うと自虐もすぎれば毒になる、というもので読み手も書き手もうんざりする自虐ではなくクスクス笑ってもいいよと読者への赦しがあるのも、実にお伽話っぽい。

人生の主人公は自分自身なのにモブみたいな生活してんな、と自分のことを振り返る私だけれど、先輩は主人公気取らずこの世界の片隅(小田急線登戸駅TamariBaar)で確かに自分の人生を生きていて、その姿はとてもとても美しいなと、私は思った。

先輩夫婦の記事が載っている雑誌↑

人生は常に荒波まみれの塩まみれだが、先輩の人生がこれからもさんざめく光となって誰かを照らしているのだと、私は確信している。

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