水害にあった仏像への処置

ご質問をけっこういただいたので、水害にあった仏像に対する処置まとめてみました。

雨水にあたった場合は、カビがでてなければ、陰干しのみで乾かしたい。カビの恐れがある時は、エタノール噴霧。

汚水によってカビの危険がある場合には、消毒用エタノール噴霧の後、陰干しが基本。汚水はカビが好む養分を持っているので、カビやすい。

カビが出た場合は、エタノールを含ませたサラシなど(毛羽だったり、引っ掛からない布)で、優しく叩き拭き。その後、軽くエタノール噴霧。
でも、金箔は、こすると剥がれる場合があるので、慎重に拭く。剥がれる時は、速やかに撤退。
素地像は、エタノール噴霧は急激に水分飛ばすので、やりすぎて木が割れないよう注意必要。

一木造り内ぐりなしの像は、扇風機など風に当てると干割れするので、陰干しで乾かしたい。

金箔なしの漆塗りは、割合何でも大丈夫だが、泥地の場合は、水吸うと、緩むので、触る際には、注意が必要。

彩色像は、エタノール噴霧しても大丈夫なものが殆どだが、目立たないところで、試してから行いたい。濡れてる時は、拭いたりは出来ない。まずは、エタノール噴霧で対応し、乾いた後に、無水エタノールで対処すべきか。

現代の像の色材やニスは、エタノールでゆるむものもあるので、注意。

近年修理された像も。

というところでしょうか。

でも、像それぞれによって、状況は違うので、それぞれ注意が必要。多少の損傷覚悟しても、やらなければいけない場合もあろう。。マニュアル通りには、いかないことも多い。

内容もう少し考えて修正していきたい。

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