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ちいさなドラゴンの話

わたしは絵を描くのがすきな子どもで、絵を描きながらお話をつくるのがすきな子どもだった。絵を描くのとお話をつくるのとそれを口に出すのと、すべて同時進行で、喋りながら絵を描いていた。中でも当時お気に入りだったのが、きのこの家に住む女の子の話だ。彼女は、毒きのこ代表みたいな、赤に白の斑点もようのきのこの家で、ちいさなドラゴンと暮らしている。ドラゴンなんだけど、飛んでるシーンを描いたことは1度もなくて、女の子を乗せて飛んだりもしなくて、むしろ女の子が台車に乗せて散歩に連れていくのだ。

品田遊さんのエッセイを読んでいた。その中に、移動式こたつ・小竜(こたつ)のお話があって、ふと、幼き日のわたしのドラゴンのことを思い出したのだった。

小動物が好きなくせに、部屋の壁には大きなくじらときりんの絵を飾り、飼ってみたい動物はなにかと尋ねられれば、猫かはりねずみ(今は猫を2匹飼っています)と答えるわたし。でも本当は、どこかでわたしはドラゴンが飼いたいと思っている。のかも、しれない。知らない。

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