杢原朱織
創作シリーズ。 私が私であると証明するのは、一体なんなのだろうか。
君と僕 貴方と私 彼等と我等 私と貴方との間には、何があるのだろう。 私を私たらしめているものは、なんだろう。 貴方を貴方たらしめているものは、なんだろう。 どこからどこまでが私で、 どこからどこまでが貴方?
…雨が降ってきたわね。 今朝はあんなに晴れていたのに。 …雨は嫌いじゃないけれど、何か、落ち着かなくなる。 …タオルの用意と、傘立てでも出しましょうか。こんなに急に降られたんじゃ、雨宿りに駆け込んで来るお客さまもいらっしゃるかもしれないわ。 …あら、噂をすれば… いらっしゃいませー。 ッ、ミゲル…貴方もしかしてミゲル? …いやそんな訳ないわね、ごめんなさい。勘違いだったわ。 あの子は、100年前に死んだ。死んだんだわ。 …でもその目…。 嗚呼、一緒にしてはいけない。だって
あんた ♂ おまえ ♀ あんた おい、おまえ。 おまえ はい、あんた。 あんた …おい、おまえ。 おまえ …はい、あんた。 あんた 明日は、晴れるだろうか。 おまえ そうねえ、街の汽車の音が聞こえないから、晴れるんじゃないかしら。 あんた そうか。 おまえ ええ。 あんた ……おい、おまえ。 おまえ ……はい、あんた。 あんた 明日の飯は、どうしようか。 おまえ そうねえ、お隣の山田さんから頂いたお茄子で、お味噌汁でも作りましょうか。 あんた そうか