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マルチプラットフォームユーザにiPhoneが向かないなと思った話

マルチプラットホームかつマルチデバイスと言った方が適切かもしれません。何を言っているかと言うと今回は、AndroidやApple、WindowsにLinuxなどなど、異なる陣営に跨がってデバイスを複数持っている、持ちたいと思っている方に向けたお話となっています。

先日、長年愛用していたau回線のガラホをDocomoのiPhone SE2に乗り換えました。一方で私は、MVNO回線のPixel3を普段愛用してます。

ここで困るのが、如何に手間なく2台運用を行うかという話です。そんな私のしょうもない問題に悩んだ過程とその結果をまとめてみました。

スマホもタブレットもパソコンもApple製品で固めてるぜ!と言う方には、何をいまさらというお話ですので、そっとページを閉じて頂ければと思います。

■ 私のデバイス事情

話の前に、私がどのようなモバイル端末を持っているか一覧にまとめます。

・ AQUOS K SHF31【au】(ガラホ)
・ Google Pixel3【BIGLOBEモバイル 音声契約あり】(スマホ)
・ iPad Pro 9.7【Wi-Fi】(タブレット)
・ PIX-MT100【BIGLOBEモバイル データのみ】(モバイルルータ)
・ Surface Pro 2017【Wi-Fi】(タブレットPC)

メインで使っているのはPixel3で、音声通話はガラホからPixel3の番号に転送させていました。ガラホは発信・ショートメールの送受信・auの2段階認証承認くらいにしか使っていません。

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なにせこのガラホ初期型も初期型で、パケット通信は4Gですが音声はVoLTEではなく3G回線です。スマホで受けた方がよっぽど音質が良かったです。着信の度に転送の通話料が発生するのがネックでしたが。

キャリアメールはスマホで受信出来るように設定は変更していましたし、知り合いとのやり取りはほぼLINEだったので、そちらの面では特に不便はありませんでした。

■ 悩みの始まり・・・auのガラホからDocomoへの乗り換え

2015年8月から契約していたガラホことSHARPのSHF31が2年契約の満期を迎えるという事で、10数年契約していたauからDocomoに乗り換えました。スマホ乗換割が効くという事で、話題のiPhone SE2を選択しました。

これが悩みの始まりでした。

■ ガラホをやめた理由・・・ショートメールを転送したかった

今のご時世に?と思うかもしれませんが、うちの部署では電車の遅延で遅れる様な時はショートメールを使う事が多いです。

LINEのIDや個人のメアドを会社の人に教えたくないですし、かと言って緊急連絡用に電話番号だけは教えてありますので、電車が動かなくなった時は車内から連絡する時に、割と良く使っています。

このショートメール、電話やeメールと違って転送が出来ません。ただ最近はIFTTTやアプリを使ってショートメールの内容をeメールで転送する事が出来るようになりました。でもガラホではそれが出来ません。

「だったらスマホ乗換割でスマホに変えてしまおう」
「Androidは持っているし、せっかくだからiPhoneにしよう!」

これくらいの軽い気持ちで選んだと思います。

■ iOSの罠・・・転送が出来ない!

2台持ち最大の悩みは、通知の集約です。1つの端末をメインに、もう1つをサブにする場合、往々にしてサブ機はカバンの中か自宅待機です。ただその場合、サブ機に来た着信や通知を知るすべはありません。

実はガラホはその辺り優秀で、Bluetoothで通知をスマホに知らせるアプリがありました。あくまで数m以内にいる場合だけですし、誰から着信したかしか分からず、メールを読むとかは出来ませんでしたが。

ではスマホは?となった時に、私は二つの方法を想定していました。1つはIFTTTを使ったメールの転送、もう1つはPushBulletを使った通知の転送です。

IFTTTは言わずと知れたアプリやサービス連携に使われるサービスです。「何かトリガーが引かれたら、何かを実行する」という物で、その一連の動きをレシピと言います。Android版には「ショートメールが届いたら、eメールにして送信する」というレシピが存在していたので、それを使えばいいと思いっていました。

ところがなんと、IOSではこの「ショートメールが届いたら」を検知する仕組みがありませんでした。iPhoneを持っていなかったからとはいえ、これは不覚です。いえいえ、私にはまだ大好きなPushBulletというアプリが残っています。

PushBulletは通知を転送するサービスで、スマホの通知部分をそのままパソコンや他のスマホにも表示させるという物です。FirefoxやChromeの拡張機能にも対応していて、スマホの通知をパソコン画面で見られるので、非常に重宝します。(これもIOSユーザならば当たり前の事なのでしょうが)

IOS版のPushBulletが存在する事は確認済みだし、これならば、問題ないだろう。・・・・・・と思っていた矢先、PushBulletがApp Storeから撤退するとのWebニュースが。どうやら、App Store側の規約変更に伴う対応らしいです。(これだからプラットフォームビジネスはブツブツ・・・・・・)

さて、この時点で私はメインで使っているAndroidにiPhoneの通知を飛ばすという手段の一切を失ってしまいました。

もちろんApp Storeを探せばそれらしいアプリはあるでしょうが、レビューも見つからない怪しいアプリはさすがに使いたくありません。

■ アプリでダメならハードで解決

ここでふと頭をよぎったのが、ワンナンバーサービスの存在です。

DocomoではワンナンバーフォンON01なる製品を出しており、1つに電話番号を2つの端末に割り当てるなんて楽しいサービスを提供しています。サービス開始当初はAndroidのみの対応でしたが、なんと最近iPhoneにも対応したとの事。

ただ、これには問題が2つありました。

1つ目はサービス利用料に月500円かかるという事。通話転送サービスであれば、使った分だけ電話代が掛かるだけですが、このサービスだと掛かってくるか分からない電話の為に、月500円払わなければいけません。

2つ目は専用端末が約1万円するという事。小さい電卓みたいな端末に、通話とショートメールの機能だけ付いて1万円。しかも中古市場にはほぼ出回っておらず、ちょっと前までキャンペーンで5000円だったという事実もあり、どうも損としか思えません。

ではとりあえず通話の転送だけで凌ぐのか、というとなかなか難しいです。転送で受けた電話に限って長電話である事が割と多く、しかも今回はガラホと違い1000円の無料通話分もありません。いつまでも通話転送には頼りたくありません。

更に1週間近くバッテリーが保つガラホと違い、2日程度で切れてしまうiPhone SE2(それでもスゴい)では、カバンに放置出来ず管理の手間が掛かりますし、サイズもガラホよりは大きいので、常に2台持ちするのは、正直ジャマです。

スマホは2台持っているけれど、うまく2台を持ち歩かなくて済む方法。
ここで私は2週間ほど悩む事になります。

■ ワンナンバーサービスを使う事に。だけど・・・

で、結局どうしたか。ワンナンバーサービスを契約する事にしました。でもワンナンバーフォンは買っていません。ではどうしたか。


『Apple Watch 3 Cellularモデルを買いました』


ええ、笑って下さい。友達からも「おっ、早速染まったねぇ」と言われました。いや、染まってないから。

因みに余談ですが、通話はBluetoothイヤホンでの通話や折り返し電話をする事を想定しています。Apple Watch自体で通話を始める事はあまりないと思っていますが、今後どうなるでどうでしょうか。

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さて、先ほどから出てきているワンナンバーサービスですが、別にDocomoだけのサービスではありません。

ワンナンバーフォンという飛び道具を出したのはDocomoだけですが、そもそもこのサービスはApple WatchのCellularモデルの為の契約形態です。auではナンバーシェア、SoftbankではApple Watch モバイル通信サービスという名前で提供しており、どちらも月350円です。

ええ、Docomoは500円なのに他社は350円です。ホントなんで乗り換えたんだろ・・・と思わなくもないですが、いろいろと想いがあっての乗り換えなので、まあいいです。少し悔しいですが。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

閑話休題。では、何故この方法を選んだのか。理由は3つあります。

1つ目は通話以外の付加価値があるならば、500円払ってもいいかなと思えた事です。Apple Watch GPS版とCellular版の大きな違いはもちろんモバイル通信が出来る事ですが、この通信とは通話だけではありません。

ショートメール、メール、LINE、TwitterもApple Watch単体で通信して読む事が出来ます。これであればAndroidだけ持っていても通知がこちらに来るので、スマートウォッチとしての機能を果たします。(これについては、実はあとでいろいろ課題が出てくるのですが、ここでは割愛)

更にiDやQUICPay、Suicaが使えるスマートウォッチはApple Watch以外にありません。CellularならSuicaにチャージも出来ます。むしろApple Watchの為にiPhoneを持つのもありだなと思っていたくらいなので、それが現実になったとも言えます。

2つ目は、ちょうどスマートウォッチが欲しかったという事です。

iPhoneを買った直前に、Androidで使っていたスマートウォッチがたまたま壊れました。メーカーからも問い合わせを無視されていて、もう諦めていたところにこの話があったので、買う良い口実が出来てしまったというのはあります。

そして3つ目は、ちょうど3 Seriesが安くなっていたという事です。

本当は5 Seriesが欲しかったですがGPS版でさえ高いので、もちろん無理です。3 Seriesも正直高いなぁと思っていたのですが、ちょっと安くなっていたので、今を逃すとこの値段でCellularは買えないなと思ったので、買ってしまいました。どうも今回は、すべてタイミングが『悪かった』と言わざるを得ないでしょう。

■ 中途半端なマルチプラットフォームはお金が掛かる

ただここまでの話を読んで分かる通り、数百円数千円の月額云々どころの話ではなく、ハードウェアだけで相当な諭吉さまが飛んで行かれたのは言うまでもありません。MVNOでわざわざ月額料金を抑えているのに、これでは意味がないように見えます。

ここで思うのはやはり、メインスマホをiPhoneにしてしまえばこんな事しなくてもいいのでは?という事です。

実際、ギガホライトで1G 1,980円と5G 3,980円を比較した場合、差額2,000円×24ヶ月で48,000円なので、Apple Watchと月額料金を考えれば、実はトントン、MVNOを含めたらむしろ高上がりだと思います。

ただ正直iPhone SE2とPixel3を比べてしまうと、SE2が見劣りするのは間違いないです。かと言ってiPhoneのグレードを上げるとそこで数万円のプラスが出るので、仮に集約したとしてもそれなりのコストは掛かっていたと思います。

ただし今回は、『Pixel3という現役で性能のいい端末が使えるという縛り』があったので、このようなトリッキーな結果になってしまいました。普通であれば、さっさとMVNOを解約して集約するなりするので、もっと安く抑える事が出来たと思います。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ただそう考えると、やはりiPhoneは1台に集約してこそのiPhoneなのだと思います。Androidとは違い、自由気ままに端末を入れ替えるのではなく、キャリアの契約期間を眺めつつ上手に端末を入れ替えないと、よりお金が掛かるという訳です。

つまりはマルチプラットフォーム・マルチデバイスというよりは、『集約していった方が機能面でも価格面でも有利』という事なのだと個人的には思いました。

■ まとめ・・・AndroidとiPhoneの2台持ちはオススメしない

やはりApple製品は、Apple製品で固めてこそ強さを発揮するのだなと、今回改めて感じました。というか他のApple製品が欲しくなります。ホント恐ろしい。

ただ実はiPadに関しては、Androidとの親和性はそれなりにあると思います。と言いますか、当たり前ですが領域が被っていないので、影響がないのでしょう。

一方iPhoneはと言うと、スマホという分野でダブっているからなのか、金銭面以外にも運用面(アプリや通知の問題)でいろいろ悩ましい事がありました。長くなってしまったのでここでは触れませんが、実用面での問題がそこそこあります。

そう考えるとAndroidユーザは『2台目として』安易にiPhoneに手を出さない方がいいと思います。手を出すのであればしっかり調べて、納得して、且つ『Androidから乗り換える覚悟』でいた方がいいです。正直この2台持ちはいろいろ面倒なので。

これを読んでもこの2台持ちをしたい、始めた、前からしている、という強者がいらっしゃいましたら、是非運用のコツなどを教えて下さい。よろしくお願いします。


※注釈:先ほどから書いているとおり、iPhoneとAppleエコシステムの作り込みは本当に素晴らしいです。ただ、だからこそ、他陣営のデバイスががジャマになる部分もあるよ、というお話でした。要は、好みと使い方次第ですので、Appleが大好きな方はお気を悪くしないで下さいね。











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