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Organize my thoughts

これはちょっと大人になった時の話。

当時私は、進学のために関東に住み始めたばかりだった。敷地内にある寮が便利で安いと聞いて、私は寮に入った。ある日、寮で仲良くなった友達同士で集まって話している時に「ローソン行こうよ」と誰かが言いだし、5〜6人で最寄りのローソンに行くことになった。

ローソンと聞いて、私は密かに心が躍った。私が育った田舎には、ローソンどころかコンビニ風の店も無かった。それなのになぜかローソンのCMはよくやっており、ずっとローソンってどういうものだろうと思っていた。

ついに、ローソンというところに行けるのか

私は抑えきれないワクワク感を友達に悟られないように歩いた。コンビニすらない地元を恥じていたわけでもないのだが、寮にいる子達は垢抜けている子たちが多かったので、なんとなく言い出しずらかった。

わいわい話ながら10分も歩くと私たちはローソンに着いた。友達たちが普通にドアを開け入っていくなか、私は青と白の看板やローソンという文字に、「CM通りだ!」と感動をしたのを今でも覚えている。

卒業後、そのローソンの近くの職場で働くことになり、結局7〜8年ほどそこにはお世話になった。職場の人たちに偶然出くわしたり、仕事帰りに寄ったり、飲みに行って帰るときにアイスを買って、酔い覚まし〜と言いあって食べながら帰ったり。

大きなドラマはなかったけれど、いろんな思い出がそのローソンには詰まっていた。

数年前に、その地域に行く機会があった。かつての懐かしい場所が変わったり、なくなったりしていたが、あのローソンだけは変わらずそこにあった。

ただそれだけなのに、私の中の色褪せた思い出が、新鮮な色を伴って蘇ってきた。


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