老後のためにやっとくと良さそうなこと

美容とかアンチエイジング的な話ではなくて、もっともっと先の、本当におじいちゃんおばあちゃんになったときに、何を持っていると豊かに過ごせるのか　という話です。お金と健康はもちろんですけど、それ以外で。

医学部生・研修医をやっていると、なぜか数年に1回老人ホームに行く機会があります。
研修医のときに地域医療かなんかの一部で数日間だけ老人ホームに行ったのですが、たいていのおじいちゃんおばあちゃん達は、普通におしゃべりしたりして時間を潰しているという感じだったんです。
でも1人だけめちゃくちゃ自分の世界に入り込んでピアノを弾きまくっているおばあちゃんがいて、それを見て私は「これだ！」と思いました。
その方はもともとピアノの先生をしていたらしく、とても上手だったので他の人たちの迷惑になっている感じではなかったですが、だからといってだれも聞いてはなかったです。みんな気にしてない。
でも別にだれが聞いてるとかだれも聞いてないとか関係なく夢中でピアノを弾いているおばあちゃんを見て、老後に持つべきものは1人でのめり込める趣味だなと確信しました。それがあるとないとでは生活の充実度がかなり変わってきそうです。

わたしには深夜ラジオがある！と一瞬思いましたが私がそのぐらい長生きしたとして三四郎が2人とも生きてラジオやっててくれる確率はかなり低いなと思い直し軽く落ち込みました。
でも空気階段の踊り場とか聴いてると70代のハガキ職人もいるので高齢者になっても楽しめる番組はきっとあるはずです。

会いにきてくれる家族がいればより良いとは思うんですけど、病院で実習したり働いたりした経験があると、どうしても、配偶者が先に亡くなっていて1人だったり、家族がいても放置されていたりするご年配の患者さんをたくさん見ますから、そこは自分ではコントロールしきれない部分かなと思います。

あと老人ホームで記憶に残ってるのは、職員の人が「みんなでクイズ大会しましょ〜」と言ってクイズを出している時に真面目に聞いていないおじいさんがいて、その人に他のおじいさんおばあさん達が「職員さんが一生懸命やってくれているんだから、参加しましょう」と諭していて「すごく大人だ…」と思ったことですね。
もしかしたら私たちが思っている以上にお年寄りたちは、全部お見通しなのかもしれないです。
自分たちが子ども扱いされていることも分かっていて、大人だから怒らずに付き合ってくれてるのかもしれないです。

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