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「妻」に。(3)

ひとりになってつくづく思うのですが、あなたに毎朝握ってもらっていたおにぎりと、美味しいお昼のお弁当、もちろん晩ごはんに、私はずっと支えられていたと思います。まったく今さらですが、本当に感謝しています。ありがとうございました。最後、「一緒に食べたくない」なんて言ってしまった私は本当に馬鹿者でした。すみませんでした。許してはもらえないかもしれませんが、それでも、謝らせてください。ごめんなさい。

以上、7月21日(日)に。

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22日(月)です。先ほど、実印の件でメール、受け取りました。ありがとうございました。よろしくお願いします。
実印は、***銀行の印鑑と一緒だったかなと思います。
銀行と言えば、そちらに置いてきた通帳の袋の中に、*くんが幼い頃に描いた幾何学模様の落書きが2枚入っていると思います。私はいつもそれを大事に持ち歩いていました。それを見なくても、鞄のポケットにそれが入っていることはいつも意識していました。ところが、今の私の部屋には、そんな彼のことを思い出させるものは何ひとつありません。あるとするならば、風呂場の石鹸を置く台の吸盤をあなたが、「*くんのセンスでいいと思う場所に付けて。」と言って彼が付けてくれたもの、それくらい。だから、私はそれが何度剥がれ落ちても同じ場所に貼り付けています。
今朝は出勤時にラジオ体操から帰る子どもたちがたくさんいて、切ない気持ちになりました。最後のころはコロナの影響や猛暑のせいで、ラジオ体操もプール開放も本当に限られたけれど、それでも、*くんと一緒に自転車で****台公園に行ったことを思い出します。それから、コロナで休校の間、彼と一緒に山に登ったり、家の前でキャッチボールしたりしたこと。外出先であなたの分もお昼のお弁当を買って帰ったりしたこと。そんなことも、もう戻らない過去です。
一昨日から世の中の子どもたちは全国的に夏休みに入ったところが多いようで、ラジオではそんなニュースもやっていました。あちらこちらの観光地からの中継。*くんは中3で部活も引退したことでしょうし、今年の夏はどこかに旅行にでも行くんですか? 私はもちろんそれに加わることも出来ないのが残念です。

*くんは今はどれくらいの背の高さですか? 中学校は*****中学校ですか? 部活は何に入っていたんだろう? 声変わりはしたのかな? 知りたいことだらけです。
夏のオープンハイスクールはどこに行くんだろう? ***? ****? **? 勉強はどんな感じなんだろう? 進路の相談にも乗りたいし、勉強も教えたいけれど、それができないのも悲しいです。

仕事で、ときどき近くの小学校に行きます。放課後、算数の苦手な子が集まって勉強するののお手伝いです。その教室には小4から小6の児童がいるのですが、ちょうど私が別れた*くんくらいの年齢なので、教えながら、*くんの宿題を見ていた頃のこととか、思い出します。私、本読みを聴くのとか、好きでした。ちゃんと丁寧に読んでくれる*くんが好きでした。読み間違いを指摘しても、アクセントを直しても、*くんはいつもちゃんと読み直してくれました。いい子だなって、いつも思っていました。

昨日書いたところ。
ちょっと書き加え。