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鬱々として。

鬱。
意味も無く涙が零れそうになる。
我ながら活動エネルギーが極めて低下している感じがする。

汚い話だが(とは言え、何度も書いてきたことだけど)、私、お風呂に入れないのです…。
どれくらい入っていないかはちょっと「引か」れそうだから書けないけれど、たまにシャワーを浴びて身体をこすると「垢太郎」ができそうなくらいには。
これもいつも書くごとく、普段は洗面台で頭と足とおちんちんとだけを洗い、誤魔化している(誤魔化せてんのかなぁ…?)。

今日は仕事が暇で、午後、3時間の休みを取った。
「どこかでお風呂に入ってから帰ろう。」と思い、朝、クルマにタオルと着替えの下着を積んだところまでは頑張った(!)のだが、結局どこにも寄ることは出来ず、真っ直ぐに帰ってきてしまった。お昼も、そこで美味しいもの(唐揚げ定食とか。)を食べるつもりでいたのだが、結局、今、いつものスーパーで買った冷たいお好み焼きを冷たいまんま食べている。

夕方からは宝塚(売布)で見たい映画があるのだが、もうすでに飲んじゃったし、行けなくなっちゃった。私、夜まで何して過ごすんだろう…?

午前中、別に読みたくもなかったんだけど、『中高生のための文章読本』なるものを読むことになっちゃった。ところが、これが頗る良かった!

笹原留似子さんの『おもかげ復元師』の紹介。
東日本大震災の津波被害などで亡くなった遺体の復元をするボランティアさんのお話。ひどく傷付いた父親の遺体を目にした小学校低学年の男児。

 電話をくれた知り合いが、復元をお願いできないか、と早速その場で申し入れてきました。男性の復元でした。この方は、自宅も何もかも津波に流されたとのこと。そばに小学校低学年の子どもの姿がありました。残されたお子さんのようでした。父親の死を受け止められていないようです。
「何度見たっておんなじだよ! こんなのお父さんじゃない!」
 泣き叫んでいます。すでに死後一〇日が経過していました。肌の色は緑がかっています。しかも、顔半分だけが上を向いた状態で発見されたのでしょう。光があたっていた部分と、地面に接していた部分とで色が変わってしまっていました。
 この年頃の男の子にとって、お父さんは特別な存在です。大好きで大好きでたまらない。遊んでもらったり、勉強を見てもらったり。一緒に走り、とっくみあいをし、キャッチボールをし、転がりまわる。お父さんはヒーローであり、かけがえのない最高の友人なのです。
 わたしはそれまでの納棺で、そのことを知っていました。だからこそ、お父さんとのお別れはつらい。そのうえに、現実は変わり果てた姿なのです。とてもお別れなどできない、と思いました。
 わたしは彼に声をかけました。
「そうだよね。お父さんじゃないよね。ちょっとおじいちゃんたちと向こうで待っててくれるかな。お父さんを元に戻すから。」

そう言って、彼女は「復元」の作業を始めるのです。

 家族を呼びました。おじいちゃん、おばあちゃん、お母さん、そして小学校の男の子。誰もが下を向いたまま、とりわけ男の子はしょんぼりとした表情です。
 ところが、棺に近づくと、まずは大人たちの表情が一変しました。みるみる赤みが差し、驚きの表情を浮かべています。生前、一緒に生活をしていた息子が、夫が、棺のなかに現れたのです。すると次の瞬間、男の子が棺に駆け寄ってきました。
「うわぁー、お父さんだ、お父さんだ! お父さん、お父さん、起きてよ、お父さーん。」
 男の子は棺の外から、何度も呼びかけました。大粒の涙が頬を伝っていきました。

ああ、もうこれ以上書き写せないや。
私も、息子に会いたい。一目でいいから。
息子はどう思ってるんだろう? そして、「妻」は、そのことをどう考えているんだろう?

「離婚」の話は、それをちゃんと踏まえた上でしたいように思う。