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HEAVEN ONLY KNOWS


今日
空を見上げると、本当に真っ青で
ああ綺麗な秋空だなあと
勤務先まで急勾配の坂を自転車で一気に駆け下りると
風が心地よい。
体感
もう
あの人は青い空も見れない
心地よい風も感じない
でも
心が苦しむ事も
悩むことも無い
悩まぬ者・・・
そうか
黄泉の国の薬を飲んでしまったのか
そんな風に想った
づいぶん前に読んだ漫画で※山岸涼子先生の妖精王※
黄泉の国の棚に
【悩まぬ者】と書かれた薬を取ろうとした
主人公に黄泉の国の王様が
【お前は、悩まぬ者に成りたいのか】と
問う場面がある
悩まぬ者
それは死を意味し
もう悩まなくて良い意味を持つ
とても心に残った場面だった
彼女があえて
人生を懸命に生き
過ごしていた人なのは
舞台を見ていたなら分かると想う

カプリチョーザで沢山 でてた
可愛い子がいるな 双子さんなんだ
そこから始まった お手紙 本当に
書いて出せば良かった
出したら何か変わるなんて想っては居ないけど
伝えたかったよね
アリア aria
イタリアの言葉だと空気 オペラなら独唱曲
澄んだ歌声をもっと聴きたいと
ああやって記事になれば
犯人探しは有るよね
絶対にシンドイ立場じゃん
でもエクスかリバーで舞台に出てるし
どうなの?大丈夫なのかな
11月産経と友の会当ったから
観劇したら手紙だそう
とか

想ってたりしたよ
命日も49日も過ぎてないのに
どうして
騒ぐんだろう
そして
早くから遠征が決まっていた星組の観劇は
幕が上がる事になった
どうしょう
テラス席から見えるらしい
でも
行かなきゃ
命日前にムラに行ってこなきゃ
何だか
良く分からない気持ちが湧いた
そして
大劇場へ
武庫川の岸辺には無数のマンションが立ち並ぶ
不思議に
あれじゃ無いのか
すると
噂する様な
声が聞こえる
ああやはり、あそこなんだ
沢山の方々が住んでいる
お家だから
川岸からお花だけ捧げよう
生花店で
1輪アイボリーホワイトの薔薇を選ぶ
淡いピンクが入った八重の花は
娘役さんのドレスの様だ
ラッピングは断り
大切に手提げに仕舞うと
川岸を目指し裏道に入ると
可愛らしいカフェや
凝った居酒屋が次々に
目に入る
ああ
追体験だ
きっと
この光景を
この日常を
彼女は愛していたんだ
生きて過ごしていたんだ
川岸に下りようとした時
お線香の香りが
ふっとした
よく観ないと分からない
くらい
小さなお堂があった
【お参りはご自由に】
そっとお堂の鍵を開くと
三体の可愛らしい地蔵尊がいらした
大切にされているのだろう
お揃いの前掛けをされている
不思議なことに線香台には
灰しかない
小銭を入れて小分けにされた線香に
火を点けて手を合わせる
幼い頃に聞いた住職さんの話を思い出す
閻魔堂のあるお寺さんとご縁があり
夏休みはよく伺ったのですが
閻魔様を恐がる私に
閻魔様とお地蔵様は同じ神様なんだよ
子供を助けてくれるんだよ
恐がらなくて大丈夫
ああ
そうか
手を合わせる場所を教えてくださったんですね
良い所に
明るい所に
お導き下さい
そうお願いすると
もうちど
川岸を目指した
武庫川の流れだけを見て
そっと
花を水面に置くと
風に吹かれ水面が波打ち
ゆっくりと
花は流れていった
大劇場に戻ると
沢山の人が
お土産を買い
食事をし
買い物を
会話を楽しんでいる
なにも無かった事の様に
それが
少しだけ心強く
少しだけ哀しく感じた
神は天におわしこの世は事も成し
そう
これからも
この世界を私は愛する
でも
忘れたくない
こんなにも愛しい世界に
生きる事を選んだ彼女の事を
どうか
御霊が安らかでありますように
と心から祈ります





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