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シャンプーとリンス

10年近く使い続けているシャンプーとリンスがある。

割と高めで、1600mlの詰め替え用が2本セットで約7000円。CMでおなじみのL〇Xが今調べたところによると330gで220円であるから、ざっと計算すると約3倍近くのお値段である。

「10年」や「割と高め」というとすごくお気に入りのアイテムのように聞こえるが、ここまで他に何を使っていいかわからず私の日用消耗品のスタメン入りしている。

私は人に会うにも関わらず、ときどき朝にヘアブラシで髪を梳かないで出かけるほどの人間だ。接客業や営業職でもないので、職場ですらボサボサで出社するときがある。

そのためか、兄から誕生日プレゼントでヘアブラシをもらったことがある。きっと私へもっと身なりに気を使った方がいいのでは?という意思表示だったのかもしれない。

そんな髪にこだわりのない人間がここまでなぜこのシャンプーとリンスを使っているのかというと、ただの惰性である。もっと言うと他に選ぶものがないのである。

このシャンプーとリンスの出会いは、派手髪でワックスでツンツンヘアにしていたバンドマンだ。その派手髪バンドマンが好きだったとか、追っかけていたとかそんなことはない。こんな人達がいるのかとなんとなくバンドマンのブログを覗いていた時に、コメント欄で「○○さんってどこのシャンプー使っているんですか?」とファンの誰かが聞いていた。それにバンドマンが返信していて、なんとなくそのことが気になっていた。

そしてある日、使用していたシャンプーとリンスがなくなりそうになった。その時ふと、バンドマンのブログを思い出した。あのバンドマンと同じシャンプーとリンスを使ってみよう。ブリーチして大量のワックスで髪を尖らせている人が使っているシャンプーとリンスならきっといいものだ。商品レビューに対して懐疑的であるのに、商品紹介とは関係のない箇所でおすすめされると本当に良い商品のように感じてしまう。

値段を見て高いなと思ったがが物は試しと買ってみて、それからずっと使い続けている。

「カラーしてるのに意外と傷んでないですね」と美容師さんに褒められたりとか、友達に「この香り初めて」とか褒められてるのか貶されているのかわからないことを言われながら、今日もなんとなくシャンプーとリンスを使う。

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