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AI生成画像で見る 表情工学の未来

 私を愛しているなんて嘘だわ。
 「 あなたの嘘はすぐに分かる。あなたが嘘をつくとき、私とは視線を合わせないもの。左斜め下70度あたりを2秒ほど見たあと、私の頭頂部の2センチ上あたりを見ながら話すから。 」
 「 な、なんで、そんなに細かく正確にわかるんだ!? 」
 「 ごめんなさい。あなたとビデオチャットしている時に、表情解析アプリでずっと観察していたの。 」

 こんな事が近い将来、やろうと思えば今すぐでも、起きるかも。人の表情はよく研究されていて、だから最近静止画像の顔を動かしたり、動画を生成できるようになって来たのだと思う。
 人は人の表情を正確に認識できるけど、正確に読み取ることはできない。相手に対する先入観や想い入れに阻まれるから。
 でも、これはbingAIとのチャットのときに出た話なので、必ずしも正確では無いかも知れないけど、カメラ画像で見ると、人の作り笑いと、本当の笑いは全然違うのだそうだ。使われている表情筋が違う。または動き方が違うらしい。
 だから、人の顔の表情筋の動きを、ミリ平方単位で観察すれば、その人の仮面の下に隠された本当の感情を検出できる。

 その技術はすでに完成されていて精度を高めつつある。販売されていて、たぶんもう使われている。
 でもこれは、厄介な問題を引き起こすはずだ。前回も話題にしたけど、何か問題をおこしてテレビで謝罪会見をしている人の画像を使って表情分析して、この人ほんとうは全然反省なんかしていない、表情分析アプリで解析すると怒りと苛立ちを強く感じている。謝罪なんて口先だけだ。そんな表情分析されてる画像をXに投稿されたらどうなるのだろう。

 TV局は、対応に困ると思う。表情分析されないように、リアルなアバターでも使う?
 たけど、アバターで謝罪しても全然誠意を感じられないと思う。だいたいそれでは、フェイクニュースと区別がつかない。顔にスクランブルでもかける?ますます怪しくなりそうだ。
 TVに出演すれば。視聴者に表情分析されてしまうとなったら、誰もTVに出たがらないのでは。インタビュー番組なんて不可能になってしまう。

 相手の顔色をうかがう事がアプリでできてしまう。営業スマイルの裏にある本当の顔を見透かされてしまう。
 だけど逆に、無愛想で怖そうな人だと思っていたけど、表情分析してみたら、とても穏やかで安定している精神を持っている事が分かったという場合もあるかも、う~ん!そこまで分かるかな?
 応用範囲も広くて、すでに大勢の人の表情を一度に分析出来るアプリもあるそうだから、これは警備に役立ちそう。
 オープンな場所で演説している要職の人を取り囲む群衆の表情分析をして、ひどく緊張している挙動不審の人を探し出せるから。
 教室に集まる生徒の顔を表情分析して、何か問題を抱えて不安そうにしている生徒を見つける為に使う試みもあるみたいだ。

 マンションのドアスコープに取り付ければ、悪意を持っている人の侵入を防げる。
 でもどうなんだろう。スマホで使える表情分析アプリもあるみたいだけど。隠しておいた方がいい想いというのもあるから。偽りの微笑みも、必要な場合だってある。


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