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『どれみと魔女をやめた魔女』を見たんだが?

面白かったんだが?

めーちゃくちゃ面白かったんだが????


目次
『どれみと魔女をやめた魔女』とは?
ふつうにすごいところ
はあ、ヤバイィ……ってところ


『どれみと魔女をやめた魔女』とは?

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おジャ魔女どれみシリーズの4作目、おジャ魔女どれみドッカ〜ン!の第40話として放送されました。初代の第1話から通算すると190話目。
『時をかける少女』や『サマーウォーズ』の細田守監督が演出で参加した、いわゆる神回として語り継がれている、そんな回です。

軽く自己紹介をしますと、僕はちょうど小学生のころに世代ど真ん中でおジャ魔女どれみを見ていました。
男の子ながらにおジャ魔女どれみって面白いなーと思い、日曜朝の楽しみとして、とはいえ仮面ライダーほどがっつくわけではなくという距離感で見ていました。
大好きな作品ではあるのですが、本編をしっかりじっくり鑑賞したことはありませんでした。通算で200話近くあるので、リアタイを逃したら追いづらい作品なんですよね。
TVシリーズの最終回さえ部活があって最後まで見られなかったんです。
つまり僕にとって「好きではあるが詳しくは把握していない」という感じの作品でした。
それが先々週くらいまで。

そんな折、Amazonプライムで全シリーズ見れるようになっていることを友人から聞き「よーし、頑張って全話(200話くらい)見ちゃうぞ〜〜(笑)」と半ば冗談で見始めたらいつの間にか190話と劇場版2つを見終わってしまったという次第です。
(どういうこと???)

いや、でもすごいよおジャ魔女????
だって世の中に良質なアニメがたくさんある2020年でさ????
放送されたのが1999年〜2002年、アス比が4:3のころ、20年前のPCやインターネットもはじめましてくらいの昔の作品なのに190話ぶっ続けで見れちゃうんだもの????
本当によくできていて面白いアニメ作品です。

それで、僕がなぜ190話という一見、中途半端にも思える話数で一回感想をしたためているのかというと、前述したおジャ魔女どれみドッカ〜ン!の第40話『どれみと魔女をやめた魔女』があまりにも衝撃的過ぎたからです。

ちょっと、感情が限界になってしまったので限界オタク長文を書かなければ続きを見ることができないと思い、ここに吐き出すことにしました。


ふつうにすごいところ

細田守監督が演出をした回ということで色々な前情報は得ていましたが、僕はこう思っていました。

「どうせさ〜、ミーハーなアニオタがネームバリューにつられて持ち上げてるだけじゃないの〜〜?? 女児向けアニメの評価においてスタッフとか座組とか関係ないんで(笑) 僕そういう視点で見てないんで(笑)(笑)」

正直、女児向けアニメを周回しているタイプの人間としては、作画や演出が良いにこしたことはないが、今更そんなものは求めておらんので、誰がどう作ろうが総合的に面白ければなんでもいいやって思ってます。

子ども向けアニメの作画が良い回、みたいなのは別に作画オタクでもないし、普通の作画でも微妙な作画でも面白いときあるじゃんと思うタイプなので特別重宝したりしません。

まあ、そういうスタンスをとっていたので細田守さん演出回という前情報に対しても「え? だから何?? 誰が作ろうと僕の前には全て等しく女児向けアニメですが?」という逆張りクソオタクとすら言えるスタンスでそこに至るまでの189話と劇場版2本を鑑賞していました。

しかし、事態が急変するのは
おジャ魔女どれみドッカ〜ン!第39話
での次回予告でした。

いつもの帰り道の、いつもの分かれ道。
いつもと違う道を行くと、不思議な人に会いました。
あの人の言ったこと、今の私にはよくわからないけど、いつか、わかる時が来るのかな。
おジャ魔女どれみドッカ〜ン!『どれみと魔女をやめた魔女』
ピュアピュアドリームでっかくそーだて!

いやいやいやいや、ちょちょちょちょ待って待って待って待って
名文か?
詩か?
歌か?

これまでもね、おジャ魔女どれみさんには詩的な次回予告とかもあってね、いいなって思ってたんですけど、これにはちょっと度肝抜かれちゃったよぉおじさん。
いつも元気などれみちゃんが静かなトーンでこんなこと言うんだもの。
ぼーっと流してたんですけど、慌てて次回予告だけもう一回ちゃんと見ようよ巻き戻しちゃいましたね。

僕、次回予告って大好きなんですよね。
それでさ、だいたい神回ってその前の次回予告から神懸かっているんですよ。
予兆、なんだよね。
あ、すごいのがこれから来ますよ〜〜!って。
今回もそれを感じちゃってね、ああ、なんか穿った見方をしてはいましたけれどこれはちゃんと見ないと私は世界の理に反することになり死ぬだろうと察したので、気合を入れて見ることにしたんです。

それではい、とりあえずアニメーション作品としてふつうにすごいなって思ったところを言いますと、普通に質が高い。

単純にですね、脚本、作画、演出、どれをとってもかなり丁寧に作り込まれている。
女児向けアニメに作画の良さは求めていないと前述しましたが、とはいえ良いにこしたことはないんです。

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おやおや?

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エッシャーかな?

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女児向けアニメが標識アップのフェードインから始めるんじゃない

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みかん?
そうそう、いい匂いなんだよねえ〜。
ハーブならあるけど。
私、先月ショウガでやってんけどな。えへ、やってみよかな。
いいよ〜。お肌すべすべだし体もポッカポカ!

脚本の入りが劇場版なんよ。
あとなんじゃこの背景、美術か? すごい街か?

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細田守かな……?

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細田守かと思ったらおジャ魔女だった〜。
よかった〜😊 よく動いて楽しいですね。

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細田守じゃねえか。

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-回す。 -はい。
-息。 -はい。
-回す。 -はい。
-息。 -はい。

細田守じゃねえか。

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私、昔からふたつのこといっぺんにやるの苦手なんだ〜。

僕もです。

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このシーン面白かった。

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細田守じゃねえか。

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ちょっと物憂げな回なんですよね。

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はい、おんぷちゃんとももちゃん可愛い〜〜〜〜勝利〜〜〜〜〜〜!!!

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美術がね、美術なんですよ。

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どれみちゃんも思春期なんですよ。

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12歳になったらね、世界の色々な部分がわかるようになってきましてね。

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色々なことを考えるきっかけがあって、どれみちゃんが少しまた大人になった、そんな回でした。

こう並べると、ふつうにすごいところ、でまとめるには失礼なくらいすごい画面ですよねこれ。
この回だけ単体で見てもめちゃくちゃ面白いアニメ作品だと思います!

だと思うんですが……。

この回の真価はこれだけでは語れないのです。

本当に大事なポイントだと思うのは、この回がおジャ魔女どれみドッカ〜ン!の第40話に位置していることの意味です。

この回ってね、この回に至るまでの189話と劇場版2本があってここに繋がっているんですよ。
ヤバくないですか????

そりゃ早口にもなりますよ。
僕がこの回に巨大感情を抱いてしまったのは、上記のことから、通常は得られないアニメ体験をしてしまってたいへんな衝撃を受けたからです。
これは到底真似できない。
何がどうすごいのかは後述しますが、ネタバレも含むので、これから189話と劇場版2本を見る予定の人はこれ以降を読むことは非推奨です。

189話と劇場版2本を見る予定のない人はこちら

実は期間限定で『どれみと魔女をやめた魔女』を公式で見れちゃうみたいなのでよかったらご覧ください。
この回だけ見てもとっても楽しめるかと思います。


はあ、ヤバイィ……ってところ

ここから先はオタクに向けて語りかけていきます。

(以下おジャ魔女どれみシリーズのネタバレ含みます)

みなさん、この『どれみと魔女をやめた魔女』を初めて見たときにどんな感想を抱きましたか?
正確には見終わった時、ではなく、見ているときにどう思ったかの話です。

なんで、この回"だけ"細田守さんが関わっているんでしょうか?

スケジュールが空いていたので頼んじゃった? とか?
いや、わからないんですけど。

まあ、とにかく僕が見ていて思ったのは、おジャ魔女どれみとしては明らかに異質な回だなあということでした。

質は高いんですが異質なんです。

具体的に言うと、対象年齢が間違っている。

おジャ魔女どれみの対象年齢って3歳くらいから小学校低学年くらいまでだと思うんですけど、上記に載せた作り込みってどう考えてももう少し大人向けの味付けなんです。
別に子どもにこの良さはわからないよと言うつもりはありませんが、知能の発達段階というものもやはりありまして、さすがに小学生にはこの描写をちゃんと理解するのは難しいはずです。

みかん?
そうそう、いい匂いなんだよねえ〜。
ハーブならあるけど。
私、先月ショウガでやってんけどな。えへ、やってみよかな。
いいよ〜。お肌すべすべだし体もポッカポカ!

こういう脚本の入り方って「体もポッカポカ」まで会話の内容を短期記憶でなんとなく覚えておきつつ、長期記憶からみかん湯、ハーブ湯、ショウガ湯というお風呂の入り方があることを引っ張ってきて、照合して、「あ、この子たちはいまお風呂の話をしているんだ〜」っていうのを次のセリフが来る前にドドドドっと処理しなければいけないという、けっこう脳の仕事としては高度なことが要求されるんです。
下手したら、大人でも言われるまでピンとこないんじゃないかという気もします。
その代わりに得られるのが、登場人物が本当にそんな会話をしているんじゃないかという説得力で、作り物っぽさを減らしてキャラクターに実在感を与える効果があります。

いや、だからでもそれだって"大人が常識と照らし合わせて"実在感を得ているだけだし"大人に作り物っぽさを感じさせない"ための工夫なわけでして、やっぱり大人向けなんですね。

だから、この回って誰のために作られたのかよくわからんのです。
しかし、僕にとってはめちゃくちゃ面白かった。

あれ??? 僕のために作られた回なんじゃないかな????

でも、もしかするとおおむね合っているような気がするんです。

いつもの帰り道の、いつもの分かれ道。
いつもと違う道を行くと、不思議な人に会いました。
あの人の言ったこと、今の私にはよくわからないけど、いつか、わかる時が来るのかな。
おジャ魔女どれみドッカ〜ン!『どれみと魔女をやめた魔女』
ピュアピュアドリームでっかくそーだて!

この回は"わかる時が来た"我々のための回なのかもしれないです。
作り手がどういう意図で作ったのかまではわからないですが、僕はそういう風に思えます。

そう考えると、おジャ魔女どれみドッカ〜ン!の第40話は異質であることが正解なんです。
特に前後の繋がりもないこの話がなぜこの位置にあるのかというのも、おジャ魔女どれみのこれまでの流れと、おジャ魔女どれみという作品の姿勢を考えれば納得がいくのです。


・おジャ魔女どれみシリーズの189話と劇場版2本おさらい

-初代-

どれみちゃん魔女に憧れる。

魔法堂でマジョリカを魔女だと見破る。

魔女だと人間に見破られた魔女は魔女ガエルになってしまう。

魔女ガエルになってしまった魔女は、自分を見破った人間を魔女見習いとして育てて魔女にし、その子の魔法によって元の姿に戻してもらう以外に、人間の姿に戻れる方法がない。

マジョリカは元の姿に戻りたいのでどれみを魔女見習いにすると言う。

どれみは魔女に憧れていた元気少女なのでオッケーと魔女見習いを始める。

魔法を使ってやいのやいの過ごしていたら、イキリ過ぎて親友のはづきちゃんとあいこちゃんに魔法を使っていることがバレそうになる。

魔女見習いであることがバレたらどれみも魔女ガエルになってしまうので、先手を打って親友のはづきちゃんとあいこちゃんも魔女見習いに引き摺り込む。

魔女見習い試験を頑張る。

魔法を使うには魔法玉(現金)が必要なので雑貨店MAHO堂に改装して児童労働のようなことをしながら日銭を稼ぐ。

途中でどれみの妹のぽっぷにも魔法の存在がバレちゃったので、ぽっぷも魔女見習いになる。

どれみのクラスに人気チャイドルの瀬川おんぷちゃんが転校してくる。

おんぷちゃんも実はマジョリカのライバルのマジョルカのもとで魔女見習いをやっているが、倫理観と法令遵守意識が欠落しており、人の心を変える禁断の魔法をバンバン使う。

禁断の魔法には、死んだ人を生き返らせる、怪我や病気を直す、人の心を変える等が該当し、使うと必ず大きなしっぺ返しが来ると言われている。はづきちゃんも一回使って謹慎をくらっている。怪我や病気を直す系はそれと同等の怪我や病気が自分に返ってくる。人の心を変える系は規模によって自分に呪いが返ってくる。

どれみたちと一緒に過ごしているうちにおんぷちゃんにも倫理観が芽生え、最後の最後に改心し、みんなで魔女見習い試験1級に合格する。

しかし、魔女見習い試験1級をやってるときに同級生に見つかってしまっていたので、魔女になったよ〜と魔女界から凱旋帰宅したところ、友達保護者各位に魔女の格好でほうきに乗っているところを見つかる。

魔女であることを指摘されたら摘みなので絶体絶命の状況。

せっかく法令遵守意識も芽生えたおんぷちゃんだったが、クセになっていたため「一回くらいいけるっしょw」というつもりでその場にいた人間全員の記憶を消す魔法を使ってしまい、その代償として100年間眠り続ける呪いにかかってしまう。

せっかく頑張って魔女になったどれみ達だったが、おんぷちゃんを助けたいということで魔女界の女王様に相談して、おんぷちゃんを助けるためのマジカルステージを行う。

なんとかおんぷちゃんを助けることができたが、おんぷちゃんの呪いを解く魔法自体が禁断の魔法だったので、魔女失格となり、魔女の資格を剥奪されてしまう。

ぽっぷちゃんもマジカルステージに参加していたので連帯で魔女見習いをやめさせられる。

マジョリカも「元の姿に戻れないの確定したんでもう店やってる意味ねーや」ってことでMAHO堂を店じまいする。



-#(しゃーぷっ)-

マジョリカはどれみ達に黙って魔女界に帰ってしまう。

魔女界ではウィッチークイーンローズの花から100年に一度産まれるという特別な魔女の赤ちゃんが産まれそうという情勢になっている。

人の心を操る魔法は禁断だが、人の行動を誘導するのはOKという独自ルールにより女王様にハメられたどれみ達は再び魔女界に行き、魔女の赤ちゃんの誕生に立ち会うことになる。

赤ちゃんの誕生に立ち会った者は育ての母となり、1年間ちゃんと育てなければならない、という独自ルールにより(女王様が仕組んだのにもかかわらず)どれみは小4にして赤ちゃんのママになることを命じられる。

このへんから始まる女王様の特例祭りにより、魔女にはしてあげられないが、魔女見習い試験1級合格者にだけ使えるアイテム(バンダイ製)を使って再び魔法を使えるようになる。

1年間赤ちゃんをちゃんと育てることができれば、魔女の資格である水晶玉を返してもらえることになった。(水晶玉はバンダイ製ではない)

またMAHO堂で商売ができるようになり、今度はフラワーショップを始めることになる。

ぽっぷちゃんはよくわからないが、なぜか無条件で普通に魔女見習いに戻れる。

赤ちゃんは、ハナちゃんと名付けられる。

貴重などれみのお風呂シーンにより、どう考えてもあの髪型じゃない方が可愛いことと、風呂上りにもあの髪型にセットしているという衝撃事実が発覚する。

赤ちゃんは次期女王候補レベルのめちゃ強な魔力があることがわかり、あからさまに贔屓目な扱いを受けはじめる。

ハナちゃんの魔力がヤバ過ぎて魔女界に呪いの森を出現させる。

呪いの森とは、史上最強レベルの魔力を持った先々代の女王が人間に絶望して作った森らしい。

1000年以上前までは人間界と魔女界は普通に交流していたらしい。

先々代の女王は人間の男性に恋をし、人間界で結婚するが、最愛の夫を事故で亡くしてしまう。その上、魔女は寿命がめちゃ長いので最愛の息子の死を看取ることになり、深い悲しみが上乗せされる。こんな苦しみはもう誰にも味合わせない!ってことで交流を禁じることにしたらしい。

魔女が人間界に行くことを恐れさせるために、魔女ガエルの呪いを世界にかけたのも先々代の女王。

呪いの森のせいでハナちゃんは謎の高熱になり危篤状態になる。呪いの森にあると言うラブシュプリームという花があればハナちゃんを助けられるらしい。

激ヤバ危険な森だが、ハナちゃんを救うためにどれみ達は呪いの森へ入る。

森に入る際、女王様の特例により、水晶玉を返してもらったものの、先々代の女王の呪いの試練に立ち向かった時にみんなの水晶玉は割れてしまう。

どれみ達はラブシュプリームの花をなんとか取ってきたが、1000年の眠りにつく呪いをかけられてしまう。

ラブシュプリームのおかげでハナちゃんは助かり、ハナちゃんのチートパワーによりどれみ達も眠りから目覚める。

命こそ助かったが、水晶玉が割れちゃったので、どれみ達はもう魔女になれなくなり、ハナちゃんにも会えなくなる。

#の最終回が激シブな終わり方で終わる。



-も〜っと!-

女王様は、どれみ達はいろいろあったけど特例で魔女にさせてあげていいんじゃないかなあということを通すために元老院にかけあい、パティシエ試験に合格すれば魔女になれる資格を返してあげるのはどうかという訳のわからない提案をし、なぜか通る。

めっちゃ唐突にももこが仲間に加わり、魔女見習いにまた戻る。

ももちゃん、とてもかわいい。

ももちゃん、英語がガチ。

魔女界に再び行けるようになったのにハナちゃんに会えないという矛盾のためか、いつの間にか魔女の赤ちゃんは一人前になるまで育ての親と会わせてはいけないという謎ルールが追加される。

謎ルールにハナちゃんも怒ったのか、幼稚園の同期の母親をまとめて召喚するというすごい魔法を使ってしまい、また先々代の女王の逆鱗に触れ、呪いの森が出現する。

元老院の魔女の中に、先々代の女王のそばでお菓子作りをしていた魔女がいて、先々代の女王がプロポーズのときにもらったケーキの幻のレシピを再現できれば先々代の女王も人間との楽しかった記憶を思い出し、呪いを解いてくれるのではないかという話になる。

どうにかこうにか幻のレシピを再現したケーキを呪いの森にいる先々代の女王に食べさせたことによって、呪いの森は半壊(?)する。

ケーキを食べさせたのは先々代の女王の本体ではなく、先々代の女王が作り出した幻だったらしく、森の半壊によって眠りについた先々代の女王の真の姿があらわになる。

しかしながら、先々代の女王にはまだ強力なバリアがかかっており、近づくことができず、魔女ガエルの呪いも解かれないまま。

その件に関してはいったん置いておいて、パティシエ試験には全部合格したのでどれみ達は魔女になることが承認される。

とはいえ、水晶玉が無いままなので、女王様になんとかしてもらわないとまだ魔女になれない。

も〜っと!の最終回がパッとしない終わり方で終わる。



-ドッカ〜ン!-

先々代の女王の妖精が封印から解かれ、先々代の女王は夫と息子以外にも6人の孫との関係悪化による悲しみを背負っていたことが判明する。

ハナちゃんは突如として「ハナちゃんも学校いくぅ〜」とか言い出し、スーパー激ヤバ魔法を使って小6まで成長して人間界に来る。そんな魔法を使ったばかりにハナちゃんの水晶玉も割れる。

お得意の特例措置として、女王様は自分の水晶玉を砕いて与えるとか言い出し、どれみ達とハナちゃんはまとめて魔女見習いになる。

先々代の女王に孫(人間)たちとの幸せだった頃の思い出を思い出させてあげるために、先々代の女王の妖精と過去を追憶しながら手芸アイテム(バンダイ製)を使って思い出の品を送るという話になる。

孫(人間)たちとの幸せだった頃の思い出のエピソードが描写されながら、先々代の女王の呪いは少しずつ解かれていく……。

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と、ここまでがおジャ魔女どれみシリーズの189話と劇場版2本おさらいでした。(めっちゃ長くなった)
これは主に、魔女関係のメインストーリーについてさらっています。
ちなみに劇場版2本はメインストーリーにはそこまで直接的に関与してきませんがいろんな意味で面白いので見てね。

そんでもって、話を戻しますと、こうしてまとめて見るとおジャ魔女どれみのメインストーリーの大半は先々代の女王のこじらせに起因しているということがわかります。

そして、先々代の女王がなぜここまでこじらせてしまったのかというと

魔女なのに人間に大きな感情を抱いてしまったからです。

つまり、魔女と人間ではタイムスケールが違い過ぎて、迂闊に交流するととんでもなく辛い思いをしてしまうということなのです。

普通の魔女だったらまだいいんですが、先々代の女王は史上最強の魔女だったもので、それで魔女界と人間界の交流を断ち、魔女ガエルの呪いという超絶大規模な魔法を使えてしまったわけです。
そしてそれによって、おジャ魔女どれみという物語の根幹が出来上がっています。

そんな物語をおもろいなーと189話と劇場版2本を見て、ちょっとした疑問を僕は抱いていました。

あれ、魔女になったらどれみ達の寿命とかってどうなるんだろ?

って🤔

なんとなく疑問には思いつつも、まあ子供向けアニメだから言及はないんだろうなと思いながら見ていたところ……190話目にして描かれちゃうんですよね。

それが『どれみと魔女をやめた魔女』という回でした。

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ガラスってね冷えて固まっているように見えて、本当はゆっくり動いているのよ。
ただし、何十年も、何百年も、何千年もかけて少しずつゆっくりと。
あんまりゆっくりなもんで、人間の目には止まっているようにしか見えないわけ。

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でも、何千年も生きる魔女はガラスが動いているを見ることができる。
いずれ、私も、それを見る。

小学生に対して、容赦が無さすぎる……。

あ、それ言っちゃうんだ??って思いましたね。

どういうつもりなんでしょうか?

だけど、やはりこれはひとつの教育の形なんだと思います。

欺瞞なんですよ。
ストーリーの根幹に魔女が人間と交流したことによる悲しみが根ざしているのに、それに触れずに楽しく明るい魔女見習いの話だけを書くというのは子供を騙しています。
別に騙してもいいと思います。子供の頃見たアニメのことなんて大人になったら忘れちゃうだろうし、誰もアニメのことを責めないでしょう。
だけど、どれみ達は時を経て、必ずいつかは魔女になったことで悲しみを抱える日が来てしまいます。
今はそれをよくわかっていないだけで、必ずいつかは思い知るはずです。
創作物ですから、うやむやにすることも可能です。
ですが、それに対して誤魔化さずに向き合ったのがおジャ魔女どれみという作品なんだと思います。
189話かけて少しずつ魔女の呪いと悲しみを描いて、それでちょっと今は難しいかもしれないけれど、魔女になるってこういうことなんだよ、と教えるのがこの190話。

小学3年生だったどれみ達とともに4年間かけて語られてきた物語の最終クールで、きっと大人に差し掛かった子供達へ、嘘や誤魔化しの無い態度で作られたこの1話が『どれみと魔女をやめた魔女』だったんだと思います。

だから異質であることが本質的なんですよね。子供達に、これまで話していなかったもっと広く深い世界を初めて見せるような話ですから。

前に189話あることで初めて意味のある話になり、当時の子供が大人になって見返して初めて言っていることが全部わかるような話。

うーん、こんな1話って後にも先にもおジャ魔女どれみじゃなければ実現しなかったんじゃないでしょうか……?

や、ヤバイィ……。

こうして私はクソデカ感情が溢れてしまったので、限界長文を書くことになったのでした。
あー、マジでおジャ魔女やばい。

限界すぎてここから話数を進めるのが怖くもありますが、うろ覚えの最終回もしっかり見届けなければなりませんね。

そして完走して『魔女見習いをさがして』観に行くっきゃない。


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