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[翻訳][デスタク][レガシー]Death And Taxes For Eternal Weekend 2021 Vol.2 -サーガinヨリタク編-

さてさて、翻訳している間に、これから紹介する《ウルザの物語》入りのヨリタクがレガシーのイベントで立て続けに優勝していました。(後者はラガバン禁止の独自フォーマットだそうですが)

こんなホットなサーガ入りヨリタク。早速、中身を観ていきましょう。

《ウルザの物語》入り構築

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過去にも何度かヨリタクに《ウルザの物語》を採用してみようと言及してきましたが、ここに来てとてもホットな話題になってきているので、ここで大きく枠をとって言及していきたいと思います。

モダホラ2リリース後すぐのメタにおいて、私を含め何人ものヨリタクプレイヤーが《ウルザの物語》を試してみたものの、揃えて同じ結果に帰着していました。

このカードは強力だが、常にマナを必要とするヨリタクにおいて、更にマナを必要とする要素を追加する上、デッキの弱点の補強になっていない

加えて、当時は《ウルザの物語》は強力にメタられており、《活性の力》、《溶融》、《激しい叱責》更には《静寂》などの専用サイドを搭載したプレイヤーが増加していました。

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こうしたメタの間は、私は《ウルザの物語》を採用しないほうが良いと結論づけました。が、その一方で、デスタク・ヨリタク(そしてDoomsday)がメタられるようになり、《倦怠の宝珠》などの対策カードがサイドに取られるようになったならば、すなわち《ウルザの物語》包囲網が緩んだならば、また試してみようと機会を伺っていました。そして、それから4ヶ月、その時がきたのです。

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《ウルザの物語》を採用したヨリタクが徐々に増えてきており、今のメタで改めて試してみようと考えました。回してみた結果、《ウルザの物語》のありなしは、どちらが良いというものではなく、トレードオフがあるという結論に至りました。

《ウルザの物語》抜き構築の優位点

より安定したマナ基盤

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ヨリタクのマナ基盤の重要性は、何度強調しても足りません。このデッキは土地を破壊しながら、ゆっくりとしたゲームを展開することが多く、そのゲームスピードの中で、装備品、《護衛募集員》《孤独》そしてヨーリオンと、3マナから5マナのカードを展開していきます。

こうした展開の中で、3ターン後に自壊してしまう《ウルザの物語》はマナ源としてカウントすることが難しく、キープ基準を厳しくしてしまう傾向にあります。また、《ウルザの物語》を採用すると、白2マナの確保が難しくなるため、強力な3マナのクリーチャの展開という点に関しては、抜き構築に軍配が上がるでしょう。


マナ基盤への干渉手段が強力

ヨリタクは多くのアーティファクトを擁しているため《ウルザの物語》は比較的強く使えるものの、アーティファクト主体に組まれ、構築物トークンのサイズで圧倒される場合や、3章でのサーチが強力なデッキが繰り出す《ウルザの物語》には見劣りします。今回紹介したように、《廃墟の地》にアクセスできる構築のほうが、《ウルザの物語》を主体に戦うデッキに対しては優位に戦えるでしょう。


土地・アーティファクトヘイトに対する耐性

基本土地を多く採用している通常のヨリタクの構成は、《不毛の大地》や《血染めの月》といった、土地ヘイトの影響を受けにくいです。

一方《ウルザの物語》は《不毛の大地》で真っ先に狙われる土地であり、割られることはテンポ以上に大きな損害となりえます。また、《ウルザの物語》を採用すると、自然とアーティファクトへの依存度が高まるため、《活性の力》、《無のロッド》、《溶融》などの対策カードがより刺さるようになってしまいます。


《ちらつき鬼火》4刺しは正義

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《ウルザの物語》は本質的には「3マナのカード」です。そのため、これを採用するにあたっては、何枚か3マナ域を調整する必要が出てきます。今回紹介したリストでは《ちらつき鬼火》と《スカイクレイブの亡霊》をそれぞれ1枚ずつ抜きました。しかしながら、《ちらつき鬼火》はデスタクを象徴するカードであり、これはできるならば4刺ししておくべきでしょう

《ウルザの物語》入り構築の優位点

カードパワーがぶっ壊れている

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このカードはとんでもなく強力です。回答を持たない対戦相手に1枚で勝てるゲームもしばしばあります。

キープ基準が厳しくなると前述しましたが、一方で「キープしたときにはとても強い手札」になるということでもあります。《平地》をおいた次のターンに《ウルザの物語》を遅い青デッキ相手に叩きつけるのは、、、最高の気分です。

《ウルザの物語》のビート性能は非常に高いです。このカードはデスタクが苦手とする非コンボデッキとの相性を良くしてくれるでしょう。

Nic Fitや12Postなど、デスタクに対して大きなクリーチャを展開するようなデッキに対しては、ゲーム展開速度が遅いことに付け込んで勝利をもぎ取れるようになるでしょう。《ウルザの物語》から展開される構築物トークンを中心に据えた戦略は、速やかにゲームを終わらせることができる性能を持っています。この点ではこのカードは《カルドラの完成体》と同じような能力を持っているとも言えるでしょう。


優れたシルバーバレット戦略

《ウルザの物語》の主眼は構築物トークンによるビート性能ですが、チュータ能力も見過ごせない性能です。コンボデッキに対しては、1ターン目の《ウルザの物語》が強力なプレイングになります。

GWデプスやエルフのような遅い「アンフェア」なマッチアップでは、3ターン目に《真髄の針》や《墓掘りの檻》をサーチするという方法で、従来でき得なかった勝ち筋が生まれます。また、対フェアデッキとのマッチアップにおいては、ウーロや《ドラゴンの怒りの媒介者》に対しては《大祖始の遺産》が、また単純に《改良式鋳造所》をサーチするプレイが強力です。

ロングゲームにおいては《霊気の薬瓶》を持ってくるのもよいでしょう。また《影槍》はレガシーではあまり使われない装備品ではあるものの、トランプルと絆魂は対デルバーなどのライフレースにおいて、非常に強力な能力です。

デスタク対策カードに対する耐性

前述したように《倦怠の宝珠》は、《ウルザの物語》入り構築が以前よりも優位になった思う大きな理由です。物語入り構築においても、《倦怠の宝珠》はかなりきついカードですが、これを乗り越えて殴りきれるカードを増やすことは、最も単純な対策といえるでしょう。

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また、サイズが大きい構築物トークンは、《紅蓮地獄》や《疫病をもたらすもの》などの軽量な全除去や、ヨーリオンにぶっ刺さる《封じ込める僧侶》などの対デスタク・ヨリタクカードに対する耐性をもたらしてくれるでしょう。

さて、どっちを選ぶ?

さて、ここまでヨリタクに《ウルザの物語》を刺すか刺さないかの話をしてきましたが、結局どちらがよいのでしょうか。

どちらが最適という解はありません。強い一貫性を持つ通常の構築高いパワーを持つ物語入り構築の間にはトレードオフがあり、それぞれに異なる魅力があると思います。結局は、自分の好きな方でプレイするのが良さそうです。

ただ一点だけ。物語入りの構築はプレイの難易度が高まっていると思います。特にマナのかみ合わせが悪いので、キープ基準や独特なプレイの順序を理解するために、多くの試行が必要になると思います。もしより快適なリストが欲しいのであれば、通常の構築をお勧めします。

私は、今回のEternal Weekend 2021には《ウルザの物語》を採用した構築で出場しようと思います。通常の構築は一貫性が高く、充分に強力です。が、現在のメタでは、多くのデッキが《倦怠の宝珠》を対策カードとして採用しており、また単純な《ウルザの物語》の飛び抜けたカードパワーは否定できるものではありません。

終わりに

いやぁ、この記事を書いて、物語入りヨリタクででて、そのまま勝っちまう@xJCloudさんは、ガチで半端ないっすわ・・・!

デスタクコミュニティでもこの記事を受けて早速試してみて、強かった・・・!という声が聞こえてきています。

《ウルザの物語》が端的に言って単純にぶっ壊れて強い、と言ってしまえば身も蓋もないのですが、ちょうど手元にパーツもあることですし、ちょっと遊んでみようかなと思いました。

今日はこんなところで。特にオチもなく終わる。

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