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備忘録/創作鑑定をお願いした話


2023年12月、水煮さん(http://hoshican.jp/)に占星術の創作鑑定をしていただきました。
水煮さんは占星術などを使って、実際の創作物(二次創作OK!)を見ながらその人の作風・人生のテーマ・創作のお悩みなどについて鑑定するサービスをされている占い師さんです。
私は二度目のリピートで、前回のレポはこちら

今回、同人に関しては3点質問をしました。

①現状の作風分析

②前回作品の強みを見てもらったので、苦手なもの・避けるべき傾向を知りたい。自分では直接的な表現(「愛してる」とか)をうまく作中に落とし込めないなと思っている

③同じCPで長く活動することができず、本を出す度に別ジャンルになってしまう。いっそオフ活動を諦めてwebだけで散漫に描く方がいいのか、人の目を気にせず好きに本出してもいいのか、占いで見えるものがあれば教えてほしい。

③が切実すぎる。でも全部に答えやヒントをくださいました。すごい。
今回の私の場合、一問一答というより全体的に繋がったお話の中で回答が散りばめられていたので、実際の鑑定の流れに沿ってレポというか備忘録を書きたいと思います。
ちなみに一度目の鑑定では

人生のテーマ:自分にとって価値あるものを見せてその価値を測る。新たな価値を発見する。動機は私的だが表現は外向き。

作風の強み:曖昧なもの・かたちをもたないものを、周りの空気を描くことで浮き彫りにする。エモの供給。

というお話がありました。今回の鑑定でも前回のお話とリンクした部分が多々あったので、都度振り返ります。
ちなみに提出した創作物は先月書いた1.5万字くらいの小説1点(pixivのURLをお送りしました)と数ページのweb漫画やイラスト数点。複数のジャンル・CPを混ぜてお送りしています。



"チーズちくわのチーズを作る人"

最初に創作スタイル、活動姿勢に関する鑑定結果のお話になったんですが

水煮さん「自分の中でこれだ!と思う隙間を見つけた時、そこに夢やイメージを充填せずにはいられない。隙間がないところには用がない。隙間を見つけ次第そこで創作して、埋まったのを確認して去っていく…というようなスタイルです」

いきなりものすごく図星でした。
「フラフラしてるというか、自分で新しいジャンルを探しに行くという感じでもない」そうなので、多分自分で穴を掘る程の能動性はないんですよね。でもふと隙間(創作したい!と感じる余地的なもの)に出会っちゃうと、もう埋めないと気が済まない…みたいなのはめちゃ身に覚えがあります。だから軽い気持ちで見た作品で事故りがちだし良いなと思ったらすぐ描いちゃうんだろうな~~…笑

この”隙間を埋めたい”創作スタンスの例えとして水煮さんが出してくださった例が「チーズちくわのチーズを作る人」で、これがめちゃくちゃ面白かったです。

水煮さん「色んなちくわメーカーに対して卸すから、サイズや切り方、微妙な配合も変えられて小回りが利く。でも何でも作れますよ!ではなく、一貫してプロセスチーズを作り続けます、みたいな」

私「ちくわがジャンルでチーズが私の作品ってことですよね…!?」

水煮さん「そうですね! 絶対にチーズ入りちくわ…というかチーズ入り製品を作りたいというこだわりがあると思います」

私「チーズだけで売り出そうというよりは、中に入れ込むものとして作りたい、と」

水煮さん「ですね、単品で食べるよりは組み合わせる方が好きそうです」

水瓶座の特徴として「既存のものを分解して再構築したい」があるそうで、そういえば前回も水瓶座が強い天体配置だと言われたので、それが強く出てるのかな~と思いました。
実際自分の同人においても、一次創作をしたい気持ちは全くなくて、子供の頃から二次創作にしか興味がなかったんですよね。前述の「隙間がないところに用がない」とか「ちくわに合うチーズを作りたい」とかがまさにそれだ…………。

水煮さん「マンネリが苦手なところもあるので、時々ちくわじゃなくてハンバーグの上に乗せたりもしますね。そのくらいアレンジ力が高い、柔軟性が大部分を占めてるけど、そこは本質じゃないんです。謎な星回り笑 本質としては毎日チーズを食べたいなので」

これだからジャンルフラフラオタクなのかな!? マンネリ苦手というか結構納得すると満足しちゃうところあります。でも推しカプを推すことと二次創作をすることはもう何年も続けてもはやライフワークと化してる。多分この先も体力尽きるまでチーズ食べてる気がします。チーズおいしい。

拘りと柔軟。異素材の組み合わせ

水煮さん「ぱるまさんの星回りって面白いというか、これとこれが合わさるんだ、みたいな要素が多くて。
すごく柔らかくてうつろいやすい側面と、絶対に変わってやらない!というこだわりの強さが調和してるんですよね」

こだわりの部分が”冷たくて固い紫檀みたいな木材”、柔らかい部分が”ミルキーな樹脂”で、そのふたつの異素材を組み合わせて一枚の板に成型する…という性質の星回りだそうです。前回も矛盾のある天体配置だと言われていたんですが「まったく違う要素が反発せずまとまっている」というのはへ~!と思ったり。
創作においては「自分の強いこだわりと、何でも受け入れてやる!のスタンスをうまく組み合わせて形にする」という姿勢になるそうで、結果として「ジャンルがバラバラでもやっていることには統一性があり、全然違うものでも同じ製造ラインで作っていることが分かる」とのこと。

水煮さん「描こうとしているというよりは”求めているもの”が同じですね。絶妙な温度感を求めて、そこにぴったりと合わせていく。ジャンルやキャラがそれぞれに持つ熱の発し方とか熱伝導率に合わせて、距離感や書き方を調節して駆使して、結果としていい感じの同じ温度に持って行く…多分意図的じゃなくて感覚的にやってると思います」

同じ温度感を求めるっていうのすごくわかるな~というか振り返るとそうだなと思いました。描いてきたどのカプ思い浮かべても受けに似たような表情させてる気が…………笑
人から見ても「芯というよりは外骨格、纏う雰囲気が同じ印象」になるそうで、ということはこだわりの表現に成功してるのかな? 嬉しい。

水煮さん「出来上がったものまで見ないと、ぱるまさんの求めているものや目指しているものはわからないですね。でも温度感とか空気感さえ一致すれば割と何でも好き
私「確かに…あんまりこう、例えば年下攻めが好きとかそういうのがなくて、何にハマるか自分でもわからないのにいっつも同じ萌え方をしているというか」
水煮さん「萌え方! そう、萌え方が決まってるのに、そこに放り込まれるものはいつも違う。ガチで何でも好きだと思います。この形でアプローチが固定される方は珍しい気がしますね」

本当にそれすぎる。振り返ってみてもジャンルやキャラの好きな傾向がよくわからないんですよね。年齢も種族もバラバラだしBLじゃない時もあるし、並べたらほんとか?みたいな絵面になりそう。
自分が一ヶ月後何にハマってるかわからないけど間違いなく何らかのカプを推して似たような狂い方してることはほぼ確定だと思ってます。誰か私の今後の予定を教えてくださいほんとに。

漠然とした方がむしろ本質

質問の「創作で苦手なもの」のところ、実際のメールでは”直接的な台詞での恋愛描写が苦手で、愛してる・恋人といった言葉をうまく作品に落とし込めない。でもCPものは恋愛を含んだ関係性を描きたいと思っている”と記載していたのですが

水煮さん「言葉を”細かいニュアンスの総体”みたいな感じで捉えてそうで、ニュアンスが零れ落ちるのが哀しくてしょうがない。『恋愛を含んだ関係性』って書かれてるんですが、愛してる・恋人って言葉からイメージされる関係性って『恋愛のみ』に限定されやすくて。ぱるまさんの場合は愛情全般だと思うんですよ」

この「ニュアンスが零れ落ちるのが哀しい」って表現、それだ…!!!!って膝を打ちました。元の関係性を恋愛に置き換える・変化させるというよりは、元の関係性に恋愛感情を上乗せしたいという思想信条が割と強くあります。『恋愛を含んだ関係性』とかいう面倒な書き方から滲み出すぎている。
星回り的に「細かい調整が苦手」というのがあるそうで(確かに細かい誤字ほんと多いんですって言ったらでしょうね~!的な反応でめちゃ笑った)「愛してるっていうのは細かく刻む方に入っちゃう」と言われてはっとしました。ああ~~~たしかに…意味というよりはニュアンスの限定を感じる………愛、むずかしい

水煮さん「圧のある天体配置なので、伝わるように書くぞ!という気持ちはあって…零さずに伝えたいからこそ全体でドサッと渡すんだと思います。漠然とした方がむしろ本質を捉えてるんじゃないかって思ってそうで…細部をあえて落とすことでしか語れないものもあるよね、的な」

いや~~~わかりすぎる……ポルノグラフィティのパレットという曲の歌詞の中に「感情を言葉にするのは無理矢理窮屈な服を着せてるみたいだ」的なフレーズがあるんですが、まさにその思想あります。「好きだよ」とかの方が台詞として使いやすいのもそういうことかもしれない。愛してるよりもうちょっと漠然とした好意っぽいし、文脈で重くも軽くもできるので。

この直接表現しづらい問題、本当になんでだ?恥ずかしいのか?って長年微妙な悩みだったので、「限定するのが嫌」って答えが出て本当にスッキリしました。ちなみに「書こうと思っても多分できない」そうなので気にしないことにします!!

作品は「イメージの奔流」

とにかくニュアンスを大事にしたい、雰囲気的な部分にこだわりや好きが詰まっている、という流れから、私の作品を見てくださったうえでの作風のお話に。

水煮さん「ちゃんとやってることやイベントの描写があるのに、ここが良かったです!というよりは全てがひとかたまりなんですよね。拝読した印象も、シーンとかの区切りがしっかりしてるのに、ひとつの大きな流れがうねりとして押し寄せてくる感じ。イメージの奔流ですね。情景が流れ込んできて読んでいる感覚すら消えるけど、嵐のような激しさは無いんです」

例えが全部水に関係してるのすごいな~と思ってこの辺りうんうんと唸っていました。このお話の前に「感情の流れを重視する」とも言われて、全体的に水っぽい(?)のかもしれない。

水煮さん「自分で読み解こうとしなくていいから雰囲気で読める。一方で受け手の意識は消え失せて、読んでる間は頭を塗り替えられてしまいますね。だから読み終えると不思議なさっぱり感があります」

私「引きずるというよりはポジティブな感じですか?」

水煮さん「傷つけて去る感じは無いですね! ピンポイントで性癖を刺すとかでもなく、全てが刺激されて押し流されて、いいものも悪いものも根こそぎ巻き込んで去っていく…でも何も残らない訳じゃなく、台風の後の星空がキレイみたいな感じになります」

ヒ~~~エモい~!!!実際エモさが作風の特徴らしいです。そうなんだ…これはあんまり自覚がないです。絵の色使いとかはエモっぽいのが好きかも?くらい。

水煮さん「細かい調整が苦手ではあるんですが、細部の甘さが逆に人間の脳の想像力を引きずり出しているところもあります。全部が細かく描写されてる気がするけど実際そんなことはなくて。読み手の想像を刺激するけど、雰囲気で読めちゃうから脳に負担をかけないし、滞りなく圧倒的な映像が流れてくる。シンプルに見せ方の上手さですね。情報の粗密を扱うのがすごく得意だと思います」

これは小説向きの特性のようで、褒められて素直にめちゃ嬉しかったです。スッと読んでもらえるのが一番いい。ちなみに漫画でも「アップのシーンでは表情を細かく書き込んで、流してほしいシーンは書き込まない」というので同じ効果を出してるとのことでした。こっちは結構意識的で、出張編集部でいただいたアドバイスが活きてるな~と思ってたら「感覚的にも意識的にもできる」と言われ…ウワーッ図星!

『想像力を刺激することで行間まで読ませる小説』に対して『漫画も1Pでも4Pくらい読んだような心地になる』共通して『圧縮したフリーズドライみたいな技術によって成り立っている作品』と総評いただいたのが面白かったです。漫画も小説も好きに描いてるけどやっぱ同じ味がするところあるんだな~。

親切心で本を出し続けている

作風的にはwebとも相性がいいそうですが、汎用性が高く本とも相性がいいとのことで、質問③ベースのオフ活動についてお話いただきました。

水煮さん「最終的には手元に残るものを作りたいという星回りですね。自分用の一部のために何十部か出す、その方が一冊当たりのコスト下がるし、せっかくだったら共有しておこうの二つ。それであわよくば人から見てどんな価値があるのか教えてほしい、そういう対価を受け取りたい……でもそういった承認とか評価が欲しいだけじゃなく、普通に親切心だけでやってる感じもあります
「『一冊でも増えた方が嬉しいよね』『きっとこういうの読みたい人もいるよね』『届くべき人に届いてほしいな~』みたいな…けっこう善意です。作品発表が善意タイプって中々面白い感じで…笑」

ぜ、善意………?? 目がきらきらしてそうなヤバい奴みたいな鑑定結果でめちゃくちゃ笑う。でも続き聞いてすごい納得しました。

水煮さん「承認欲求が無いわけじゃないけど善意が普通に勝る。自分自身もそれで助かりを得た経験があるからこそ、世界に与えられたから自分も世界に還元しようという…この感じがめちゃくちゃ強いと思います」

あ、ある~~~~!!!! それすぎる 本当に一言一句そう

感想いただけたらすごい嬉しいけど、来なくて凹むみたいなことは割と少ないです。どちらかというと見てもらえれば嬉しいというか「あっ同カプの人に届いたな……」的なよろこびが大半で…いやこれ善意かもしれないたしかに…笑 その心理って私が自カプを書いてくださる方々に救われてるからなんですよね。私のような飢えた(しかも飢えてるくせに固定拗らせすぎて他カプは読めない)オタクがもしどこかにいたら救いたい。だからXやpixivに投稿するときはちゃんとCP名書くしタグつける、本出したらとらのあな等に登録する。創作するというより創作を発表する動機は間違いなくこの辺の気持ちにあります。ウワ~~~~水煮さんの鑑定、すごい…!!!

水煮さん「過去の自分の本を読んで『あ~私ってこういうの好きなんだな』とじんわり確認するのが好きだと思うので…アルバムづくりのコストを下げて人と共有するために親切心で本を出し続ける、それで良さそうです」

私「じゃあやっぱり本は作りたい時に作って、という方がいいですか?」

水煮さん「そうですね~! あんまり流行を追いかけてる感、前のめり感は出ないし、傍目からもそれがわかりやすいと思うんですよね。フラフラしてる、柔らかいけど圧はあるからしっかり愛は伝わるし、嫌な感じは出ないです。逆に無理してそのジャンルにしがみつこうとかは、ぱるまさんの場合はできないしやらないと思います」

その時溢れてくるものを溢れるままに書いてるんだろうな感」の方が人から見た印象になりやすいようで、いやほんとにそうなんで生温くそっとしておいてください…………しか言えないです。あと「”溢れたからおすそ分けしよう”になる」とも言われましたが、まさにハマって最初の本出す時それだな…………(2023年のさまざまを振り返りながら)

私にとって同人誌自体は自分のためのアルバムだけど、それを発行するのは今同じものが好きな人達に届けたいという動機。なので自分のためにも本づくりは続けていい…続けたい!!と改めて決心できました。
多分今回の鑑定がなくても結局好きにやってたとは思うんですが、信頼できる人から肯定をもらえるのってやっぱり勇気が出るので、機会をいただけて本当によかったです。

さいごに

もう一つプライベートな鑑定もお願いしたのですがそれは割愛します。でもすごいウワーッマジですか!!?って感じでした(?)

前回の鑑定でも思ったのですが、占星術に対する漠然としたイメージが、水煮さんと実際にお話するとガラッと変わります。私自身星座占いとかはわりと好きな方というか「私って水瓶座すぎる…」としみじみ思うくらいではあったんですが(実際鑑定でも水瓶座が強い配置と言われたのでそうなんだと思います…)水煮さんの鑑定は「実際の作品を読んでいただく」「創作の悩みや質問のやり取りをする」ことで、自分の持つ星回りを一緒に解釈していく感じなので、かなり深いところまで納得があり……。当たっている部分ははっとさせられるし、自覚のなかった部分は新たな発見があって、すごく楽しい一時間を過ごさせていただきました。

鑑定結果どおり私は雰囲気人間なので笑、こうして自分のことを客観的に言葉にしてもらえるのはすごくありがたいです。前回の鑑定も活動の励みやヒントになる機会がたくさんあったので、きっと今回のお話も私のこれからの糧になるんだろうと思います。とりあえず来年も好きに本出すぞ!!!!というパワーを得ましたヤッタ~!

水煮さんの鑑定には通常抽選枠、時価枠、リピート枠とあるのですが、今回リピート枠ではなく抽選で申し込んでいます。ここで当たればきっと私に必要なタイミングだったんだろうし、落ちればまだその時じゃなかったんだろうな…と、巡り合わせに委ねてみました。ご興味ある方はぜひチャレンジしてみてください。私もまた悩んだ時、お話聞きたいな~と思った時にぜひお願いしたいです。ありがとうございました!!

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