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遠い北の町からの電話

昨日、家にいたら電話がなった。

声は落ち着いた中年女性の声。
ゆっくりとした話し方で、
東北のある町で骨董店をやっているが
何か売るものはないか とのこと。
あいにく、ない旨を伝えて
電話を切った。

その後、コーヒーを飲みながら、
彼女の町を想像してみた。

夏でも朝方は寒い。
海からの霧が町をおおう。
うみねこたちが、
さっきまで彼女と話していた電話線
の上で鳴いている。

そんなことを勝手に想像してみた。
二度と会うことのない彼女の町。

行くことはない北の町。



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