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小説家のようなシューマン

シューマンに惹かれている理由が
少しずつ見えてきた
まるで小説家のように
様々な登場人物を音楽の中に散りばめて
あたかも「物語」を読んでいるような
そんな錯覚に陥るからか・・・


彼の書いた音楽評論が残っていて
読むことができる
まるで時空を遡るようで
興味深い


シューマン著であるにも関わらず
彼は自分以外の人物を登場させて
ドラマチックに音楽について
語っている


情熱的なフロレスタン
論理的に分析するオイゼビウス
冷静な判断の意見を述べるラロー先生
そして本人ロベルト・シューマン


出版業を営む家に生まれた彼は
13歳の頃から文筆にも関わる
文学少年だったのだ
彼は自分のことを
「音の詩人」と呼んでいる


シューマン著「音楽と音楽家」より

ショパンについて述べた《作品二》では
まるで小説のように、または演劇のようにその素晴らしさを語っていた。

引用
オイゼビウスはまるで霊感がのりうつったようにひいた。(中略)この変奏曲はきっとベートーヴェンかシューベルトが書いたのだろう、何しろこの二人は大変なピアノの名人だったのだから、といった。ところが表紙をめくってみると意外にも、
「その手をこちらに。
 管弦楽の伴奏をもった ピアノ変奏曲
 フレデリック・ショパン 作品二」
と書いてあるので、さすがの僕らもびっくりして、思わず「作品二だって!」と大声を上げると同時に、腹の底から関心したので顔が真っ赤にほてった。こうして何か大声でわめくほかは、「ふん、こいつは何とか話せるぞ―ショパン―そんな名前は聞いたことがないよ
どんな奴だろう―とにかく天才だよ

シューマン著 吉田秀和訳
「音楽と音楽家」《作品二》より引用

シューマンは無名の新人だったショパンをこのように紹介したことからショパンが世に知られるところとなったのだそう・・・。後に、ブラームスについても彼が紹介することで波紋を呼んだのだとか・・・。
ちなみに、ショパンがシューマンに敬意がなかったとのではという憶測もあるらしいですが、上記のように劇的に紹介してくれたシューマンに対してショパンは感激し、敬意を抱いたのではないかとシューマンとショパンの一ファンの私は思っています。

諸説あるようですが下記リンク記事によると、ショパンが二回もシューマンを訪ねていること、ショパンが友人に送った手紙を分析した結果「ショパンがシューマンに敬意がないというのは、もはや事故と呼べるレベルの話」と述べられています。

シューマンの作曲するメロディーが美しいことは言うまでもありませんが、その文章力と音楽に対する審美眼も素晴らしいです😊✨
或る和音の響きから「最初の愛の接吻を見事に描いている」だなんて思いつきません・・よね?
作曲家としても数々の素晴らしい作品を残しています。✨

シューマン作「謝肉祭」「パンタロンとコロンビーヌ」

対称的な特徴を持つ 2 人のキャラクターを通じて表現されています。パンタロンは好色でお金持ちの老人を象徴し、一方、コロンビーヌは若い召使いを表現します。シューマンはこれらの対照的な性格を織り交ぜ、音楽によってその人物像を描写しています。コロンビーヌが持つタンバリンは、パンタロンがしつこく言い寄るシーンを音楽的に表現しています。
この作品では、イタリアの即興喜劇「コンメディア・デラルテ」に登場する道化師のカップルをモチーフにしており、16 分音符のスタッカートな動きや華やかなエンディングなど、2 人の関係や個性が音楽によって表現されています。シューマンは、音楽を通じてパンタロンとコロンビーヌの物語や感情を鮮やかに描写しました。

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