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レシピ動画が最後まで見られない。

そうだ、あの料理を作ろう。
ふと思い立ってネットでレシピを検索すると、最近は文字で書かれたレシピよりも、動画で作り方を紹介しているサイトへ飛ばされることが多い。
その中でもとりわけ有名なのは「クラシル」や「DELISH KITCHEN(デリッシュキッチン)」だろうか。動画の再生時間は1分にも満たないものばかり。カメラの位置は俯瞰で固定されていて、わかりやすいレシピを的確に紹介することで「20代~40代の女性」を中心に、人気を集めているという。

私も、ターゲットである「20代~40代の女性」に含まれているはず。
でも、どうしても、どーーーうしても、レシピ動画を見ても、内容がまったく頭に入ってこないのだ。

「きのこを水洗い」「ベーコンを炒める」といった映像は見なくても想像できるのだから、私が知りたいのは作る工程だけなの……ゆったりとお野菜を並べている映像とかも要らないの……。なんなら、最初に完成映像が入り、ゆったりと箸で持ち上げている様子とかも入れないでほしい。完成図を理解してから作り始めるのは大切かもしれないけれど、知りたい情報(気を付けなければいけないポイント)と、淡々と玉ねぎをみじん切りにしていく映像が同じ速度で流れていくレシピ動画を見ていると、自分が何に気を付けて料理をすればいいかが分からなくなる。

人気ユーチューバーがアップしているようなレシピ動画も「知りたい情報」がすぐに見つからず、イライラして止めてしまう。私が知りたいのは「材料・手順」などの要点。前置きの動画は要らない。動画の概要欄に使用する食材と分量が書かれてあればまだいいが、動画のみで紹介しているレシピはも無理だ。「今時の若い子たちは、材料や分量、手順を一回がーっと見ただけで理解できるの???え、すごくない???」と思ってしまうし、こまめに一時停止して使用する材料をメモする気力もない。

正直、「文章で読むほうがはやい」のだ。
だって必要じゃないところはさらーーっと読んでいけばいいし、わからないところはすぐに読み返せばいいし。必要な情報を文章のなかで拾い上げ、自分のなかで整理するほうが圧倒的にはやい。動画では、必要な情報がどこにあるかを探すために、その動画を見続けないといけない。その時間がもったいないし、動画内で「自分が欲しい情報」を探すのに躍起になってしまう。

少し前に、Twitter上で「若年層は動画視聴を好む」というまとめを見かけた。物事の説明を動画にまとめないと、理解できない層がいるんだという。また、YouTubeなどの動画コンテンツの広まりも相まって、若年層ほど長時間動画を見るのに慣れているようだ。

私は、ニュースですら文章で読みたいし、おもしろまとめ記事も、動画になっていると最後まで見続けられない。アニメを見るときは「よーし見るぞ!」と気合が必要だし、逆に漫画は気が向いたときにさくっと開いてさくっと読めるので好きだ。ドラマや映画は先に原作を知りたくなるし、なんならWikipediaなどであらすじを理解してから見始めたほうが理解が深まり、楽しむことができる。どんなときでも、動画より文字で理解を深めようとしてしまう。

私はオールドタイプの人間なのだろうか???と思ったが、周囲の私より年上の世代にも、レシピ動画やYouTubeの説明動画を好んで見る人もいる。なぜレシピ動画を好むのか聞いてみたら「映像の方が、視覚的に情報を見ることができるのでわかりやすい!」と話していた。

どうやら、人によって、感覚機能のどこを使って物事を認知しているか……という「認知特性」があるらしい。

https://overpass.dokkoisho.com/cognitive/
↑本田40式認知特性テスト
とか、こういうの。

試しにやってみたら、私は圧倒的に「目で見た文字から情報を入れ、それを自分の頭で想像する」タイプだった。逆に、サウンドや映像からの理解能力が低い。

そういえば、学生時代に「自分が分からないところしか私の話を聞いていない」と塾の講師に怒られたっけ。わかりそうなところは全部聞き流して、その間に自分でテキストを読み進めていく。不明点を脳内でピックアップして、先生の説明がその場所に来るのを待っていた気がする。最初から最後まで動画で説明する、オンライン授業とかも苦手だった。

多分私はこれからもずっと、動画ではなく「文字」でレシピを見るんだろう。そして、楽しそうな前振りやオープニングムービーとかも飛ばして、必要な材料だけを確認するんだろう。長ったらしい演説やニュースは文字でのまとめや書き起こしを読むだろうし、アニメや映画をみるときも、事前にあらすじを見たり、登場人物を把握してから行くだろう。

動画が最後まで見られないのは、私だけじゃないはず。
最近、SNS上で「動画を最後まで見るのがつらい」と言っている人を見かけて、思わず「わかる!!!」と思ったので、このnoteを書いている。私だけじゃないと知って、なんだか安心した。

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