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前科あります(10)

私は健康だけが取り柄なので、どこでも眠れる、何でも食べられる、ということで、あまり関係のなかった病気の話。

1.急病
警察の留置場で、夜中に急にうめき声が聞こえ始めました。
どうやら隣の隣の房にいる若い男性みたいです。

私は男たちを見たことがないのですが、そんなに広くない留置場です、大声で話している彼らの素性ぐらいはだいたいわかっていました。

たぶん私と同じぐらいの年のニート君。ネット詐欺で捕まったらしい。
その人が、夜中に七転八倒。

今日の当番の警察官だけでは、手に負えないということで、応援を呼んで、一緒に病院行くことになりました。

取り調べの時に聞いたら、胃に穴が開き書けたみたいで、応急処置して、次の日に帰ってきました。

このお金、どうすると思います?
実は、警察が払います。

捕まっている間は、健康保険が使えません。
というより、使う必要がないそうです。つかまっている間の健康は国が責任を持つらしいです。

担当の女性警察官があ同僚から聞いた話で、本当かどうかはわからないけど、留置場で子供を出産した女性がいたそうです。

一切合切、警察が費用を持ったそうです。おまけに子供を生んだら、勾留停止、踏んだり蹴ったりだったとか。

2.健康診断
たぶん一か月に一回だと思うけれど、医師が来て、健康診断をしてくれます。

基本的には内科だけですが、他にも調子が悪いところがあれば診察してくれます。

自分の手に負えないと思えば病院に送り込んでくれます。
大きな都道府県には警察病院がある? なくても警察と提携(?)している病院があるそうです。

でも、手錠付きで普通の病院行くのあんまり気が進まなさそう。
まあ死ぬか生きるかになったら、どうでもいいんだろうけど。全然知らない人ばかりでもあまり見られたくはないなあ。

3.拘置所で
拘置所でも、健康診断はあります。やっぱり中で病気になったりすると待遇がとか騒がれることがあるからかな。

なんか外の世界にいるときにそんなに医者になんか行かない、金がなくて行けない、みたいな人たち、ここに居たら国が面倒見てくれる。

糖尿の人はインシュリン支給されたりするらしい、ほんとか嘘かは知らんけど。

ここの暮らしを何回も繰り返しているベテランさんがいて、運動の時間に話してくれた。

その人の話によると、大きな街にはやっぱりつかまっている人用の病院があって、手術とかもしてくれるそう。

ただ、善良な人たちが行くような病院じゃなくて、中の雑用も懲役さんがやっているらしく、手術跡もきれいになんてことはないらしい。

雑に切って雑に縫うんだって、うー、そんなんされたら、外で服脱げなくなっちゃうよね。

お客さんにもろばれちゃうじゃん。

といったら、どうせまともな結婚なんてできないんだし、体売るんなら、むしろ面白がって客が付く、だって。
本当かなあ。

私も外出たら、風俗かなあ、うーん。
と思ったことがあります。

話がそれてしまった。
拘置所は、留置所より医療がしっかりしてます。

集に何日かは医師がやってきて、体調が悪いって申請すると診察してくれます。薬もタダで出してくれます。

そういえば、虫歯とか歯槽膿漏も治療してくれるから、入っているうちに全部治したという人もいるとか。

4. くすりの話
薬ついでに「くすり」の話。
もちろん違法薬物のことです。

これも運動の時の話。
可愛い女の子がいて、何で捕まったんだろうと思ったら、覚せい剤がらみだった。

男に誘われてだって。
使ってやると気持ちいいからって、はまったらしい。

男は長距離トラックの運転手やってて、当時は勤務が無茶苦茶で、眠気とばして稼ぐためにが最初らしい。

そのうちに、前を走っている車に人が張り付いてるとか、天井から腕がいっぱい出てくるとか。

一度、アパートのベランダから飛び降りそうになったらしい、
外にきれいなお花畑があって、ペガサスに乗った女の人が手招きしたんだって。

で、一度はやめたんだそうだけど、やっぱりやめきれないし、エッチの時の快感が……。

彼女曰く、タバコと一人エッチがやめられない人は違法薬物には手を出すな。

無事に男が捕まって、彼女も芋づる式に捕まったそうです。


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