Column-9 Prodigy
YouTube普及のお陰で、神童ミュージシャンが、世界に知られることが普通になってきた。演奏を観て聴けば力量がわかる。幼い時からプロミュージシャンたちからも、世間からも評価されるって、厳しい状態なのだが、むしろ世界にファンを作ってそのまま躓かず成長してしまう人が本物というわけだ。
超弩級の神童と言えば、バイオリンのHIMARIだ。僕は彼女が8歳の時の動画で気がついて、以来追いかけている。
チゴイネルワイゼンは、父親が好きだったので子供の頃から、名演奏家のレコードを何枚も聴いてきた。人の感情を揺さぶる情熱的な演奏に慣れていたので、HIMARIの神の視点で人を表現したかのような演奏に本当に驚いた。まさに神懸かり。12歳でカーティス音楽院の大学生となり、2025年3月には、なんとZubin Mehta指揮のベルリンフィルとの演奏会が予定されている。並外れているどころではない
幼い時から訓練を積むクラシック界は、昔から神童の宝庫だ。
8歳の時の動画でぶっ飛んだのが、北海道石狩市のYOYOKA。
時は1970年、Led Zeppelinのコピーバンドの難関は、Good Times Bad Times のドラム。僕は都内のトップクラスの高校生を集めてバンドをやっていた。しかし、ツインバスにして両足じゃないとコピー出来ないというのだ。
YOYOKAの右足を見て欲しい。最も容易く三連符を決めている。海外からはJhon Bonhamの生まれ変わりとのコメント。Robert Plantも反応した。11歳でのDeep PurpleのBurnでは、当の元祖手数王Ian Paiceが動画でリアクション。
僕がもっとも驚いたのはYOYOKA12歳の動画。Tower of PowerのWhat is Hip?。ソウルミュージックのグルーヴは、プロでも出せない。基本ブラックアメリカンのドラマーの専売特許みたいなもの。それを生き生きと叩いてしまう。アメリカの音楽リアクションおじさんYouTuber達が”Oh Jesus!”と驚いたのだった。
2022年、YOYOKAの将来のため家族は渡米を決意、Auckland へ。23年9月にLAに移住。地元のライブハウスでセッションを繰り返している。現在14歳、アメリカでチャンスを掴むことを願うばかりだ。
2023年11月の動画には、さらにビックリ! ジャズドラマーとしてもワールドクラスになっていた‼️
今回最後に紹介するのは、Li-sa-X。8歳ぐらいからYouTubeで見ていたけど、これは12歳の時のMV、すでにプロになっている。
そして、LI-sa-X BANDを結成。相方ギタリストは注目のメタルバンドNEMOPHIRAのギタリスト葉月。Li-sa-Xは16歳にしてコンポーザーとしても才能も開花。 心に残る楽曲だ‼️
Looking up to You
里奈の素晴らしいボーカル、世界トップクラスの演奏。これからを期待していたら、あえなく消滅。
2022年からは、ボーカルにKOTONOを迎えKOIAIを始動。葉月とのツインギターにボーカル、バンドらしくするなら、ドラマーとベーシストが欲しいよなと思っていたら、2023年10月、YOYOKAと双璧と言われてきた佐藤奏が正式加入。10歳でこれ❗️
KANADEで検索すれば子供の頃からの彼女の驚異的なプレイが出てくる。フュージョン系バンドMUSESでは、僕が好きなソウルフルなベーシストJUNA SERITAと組んでいた。KANADEの演奏が突出していることは、一聴してわかるけど、なんかシックリこないと感じていた。
KOIAIのライブ映像は、世界のロックおじさんリアクターたちをビックリさせる。「これカバーだよね。AC/DCだと思う」と、でも実際はLi-sa-Xのオリジナル。2023年にこんな良質な80年代ロックに出会えるとは本当に幸せだ。
ベーシストは、Marty Friedmanのツアーメンバーでもあるわかざえもん。でも、わかざえもんは、East of Edenのメンバー。Li-sa-Xにピッタリのベーシストは誰だろう?分厚いミュージシャンコミュニティから選んで、しばらくは安定したバンド活動をやってもらいたい。
さて同じライブからの’A New Picture’は、これぞLi-sa-X世代の感覚といえる曲だと感じた。彼女のギタープレイは本当に驚異的だ。音色も美しい。おじさんたちはエンディングが受け入れ難いというリアクションも多いけど、僕は好きだ❗️
キリが無いから最後にひとつ、こんな気持ち良い‘Automatic’のカバーが聴けるなんて。
見事に育った神童Li-sa-Xと佐藤奏が一緒にバンドを組んでいるなんて夢のようだ。現時点最もテクニカルなライブ演奏ができるKOIAIに必要なのはヒットだろう。
YouTubeのお陰で、神童ミュージシャンを小学生の頃から、大人になるまで、ずっと追いかけていける。フィジカルに楽器を演奏するミュージシャンは、AIで代替えできない。ライブは、ますます人間生活にとって重要なものとなるだろう。
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