見出し画像

合理的配慮をお願いするときの「伝え方」事例

皆様こんにちは
mojoの産業医 木村祐子です。

皆様1月も後半になり、コンビニやデパートには恵方巻きやバレンタインのチョコレートが並ぶようになりましたね。イベント毎には毎回心が躍るタイプなので、2月もワクワクして過ごしたいと思ってます。

我が家には食べ盛りの子供たちがおります。最近の子供達は恵方巻きにあまり心が踊らない。。。ようなので、我が家の恵方巻きは干瓢や椎茸の甘煮などのオーソドックスなものではなく、ヒレカツを棒状に揚げて酢飯で巻くというカツ巻きを出します。棒状のヒレカツに大葉を敷いてお塩をパラパラ、そして巻き巻き。

我が家の子供たちはマイペースに育てており、全く勝負の世界にいるわけではないのですが、カツにあやかり、とにかくメンタル強く育っていただきたい者です。

さて、本題です。
今回は、前回の合理的配慮とわがままの違いについて、皆様の反響が良かった(と勝手に?感じております)ので、続きとして具体例を書いてみます。

はたらくための配慮とわがままの違いについて具体例を考えてみる!

合理的配慮は、企業ではたらくための配慮であるため「企業が配慮してくれれば仕事ができる」という点に重きを置いていることを覚えておきましょう。企業側は、障害者の求める配慮を提供することで、本人が本来持っている力を発揮できるようになる、生産性があがる、周囲と本人が安心・安定してはたらけるようになる、といった効果を考慮して、内容を確定します。求める配慮の内容が、企業側にわがままと捉えられないよう、はたらくための配慮とわがままの違いについて考えてみましょう。

ここで大切なのは「伝え方」なのかもしれないと思います。
下の例を参考にしてみてください。同じ困りごとについて配慮を求めようとしても、伝え方によっては<A: 合理的配慮>に見えることも、<B: わがまま>のように聞こえてしまうケースもあります。

◆勤務時間の調整
<A>
就労スタート時は環境の変化などでストレスが溜まりやすい状態だと思うので、時短勤務から始めていきたい。
<B>
環境が変わると緊張感が高まりストレスが溜まりやすいので、しんどいと感じた日はそのタイミングで退社したい。

◆コミュニケーション
<A>
自己発信が苦手で不安が強いので、定期的に面談や相談の場を設けてほしい。
<B>
自己発信が苦手で不安が強いので、担当の方などから積極的に声をかけてほしい。

◆指示の出し方
<A>
口頭指示だけだと業務理解に時間がかかるため、具体的な手順書や指示書などの作成をお願いしたい。その上で業務に取り組みたい。
<B>
口頭指示の理解ができず業務を進めることが難しい際は他者へ代わってほしい、または別業務に取り組みたい。

◆注意・指摘の仕方
<A>
指摘を受けることに敏感なので、ミスをした際の指摘は、声がけなどの方法に一定のルールを事前に設けてほしい。
<B>
人に注意されると萎縮して行動が制限されてしまうので、ミスをしても注意ないでほしい。

◆声のかけ方
<A>
自分から人に声をかけるのが苦手なので、周囲から声をかけてほしいが、日によっては人との会話が負担に感じる。スタッフ予定を書くホワイトボードに×マークを書いたときは、「今日は声をかけずに、そっとしておいてほしい」というサインであることを職場に共有してほしい。
<B>
自分から人に声をかけるのが苦手なので、周囲から声をかけてほしい。でも、日によっては人との会話が負担に感じるので、朝の自分の表情や態度をみて、声をかけるかどうか判断してほしい。

◆退社のタイミング
<A>
定時で帰宅しようとすると、同じ部署の人たちと駅のホームで一緒になってしまって緊張してしまう。このため、一駅をウォーキングのつもりで歩くことにした。または、少しだけ商店街で時間をつぶしてから帰宅することにした。
<B>
定時で帰宅しようとすると、同じ部署の人たちと駅のホームで一緒になってしまって緊張してしまう。自分だけ、少しだけ早く帰宅させてもらうか、他の人が少し遅く会社を出るようにしてもらいたい。

◆クーラーの設定
<A>
クーラーの冷風が苦手。直接冷気があたらない席に移動させてほしいと希望を出した。または、長そでのカーディガンを着たり、ひざかけをかけて対応するようにした。
<B>
クーラーの冷風が苦手。外から帰ってくる人が暑そうにしているのはわかるが、夏は汗をかくのが当たり前だし、冷え症になったら困るので、真夏日であったとしてもクーラーはとめて、自然の風が入るように窓をあけるだけにしてほしい。

まとめ

特性を持つ人間がはたらく上で、支障となるものを可能な限り減らすことのできる「合理的配慮」ですが、伝え方や理解によってはわがままと捉えられてしまうかもしれません。
自己対処できる方法があるなら、過剰な配慮は求めないことも大切
ですね。
その上で、配慮が得られれば安定した成果を出せる、長期就労が可能、といった点に着目して、配慮事項を考えていくことも大切かもしれません。

何か困った事があればいつでもmojoにご相談ください。
一緒に解決方法を考えましょう!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?