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Jazzmaster完成への道 その1

1965年と言われて、私のところにやってきたボディは、そもそもBlond色に塗られていたのかも。ピックアップが取り付けれる四角に凹んだ部分に残っているペイントが、オリジナルの色のようだからだ。

ネック部分の木の色がそのまま残っている部分は、塗装のために、金具でボティが吊るされた跡のはずで、だから塗装が乗ってないわけだ。ここだけ観ると、元の色が赤系だったかもとも思えてしまう。

この頃の特徴として、ボディを削った職人さんのサインが残っているはずなのだが、このボディでは、ピックガード下に描かれているZのようなサインが、それのはずだ。

後から吹かれたメタリックの塗装が、ボディのざぐりの部分まで及んでいたのだが、マイナスドライバーで、じっくり擦ったら、ペイントが簡単に削れて、下からノイズ対策用の真鍮板が出来てきた。上部の空間と下部の空間の底に、それぞれ平らな真鍮板が挽いてあるのは、コストダウンのためだろう。ご存知のように、65年にFenderは、CBSに買収される。経営的に苦しくなっていた頃だ。65年製のこのボディは、まさに買収される頃、工場で作られていたのだろう。

この真鍮板は、ボディから外れないように、小さな正三角形の金属片が、ざぐりの側面に刺さっていて、それを真鍮板にハンダで固定するという方法で、取り付けられている。これ他のシリーズでは見たことが無い気がする。Fender社のエレキギターって、ほんとシリーズによって、それぞれの工夫がある。まさに毎回新しいチャレンジをする創始者Leo Fenderさんらしい


じつは、58年発表からの初期のボディには、バスタブ型ともいうべき真鍮製のシールドが施されていた。立体的な非常に凝った作りで、これはコストがかかっていたはずだ。さらにピックアップなどの電装品が取り付けれれる大きなピックガードは、導電性のアノタイズが採用されていた。両方からサンドイッチして、全体をシールドすることにより、外部ノイズ対策としたのだろう。ここまで入念なノイズ対策は、後のFenderのエレキギターには見られないと思うのである。

ここからは、ググったり、Jazzmasterの本を読んだり、いろいろなVintage Jazzmasterたちの写真をじっくり観たり、結論として、バスタブ型じゃなく上下にただの板を敷くのが、65年からだと理解したのであった。

それにしても、ピックアップの裏にあたる部分も、真鍮板が敷いてあったはずなので、これはボディだけにされた時点で、失われているわけだ。必要なパーツは揃うのだろうか? どうせなら同じ年代のパーツを揃えて、Vintageとして復活させたい。ボディだけ残ったというギターの運命は、どんなものだったのだろう? ネックが折れ、電装パーツは、部品取りにされたのだろうか? どんなミュージシャンが弾いていたのだろうか?




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