「いい事例記事」ってなんだろう。
はじめまして、モジカク株式会社の大木です!
モジカク株式会社は、SaaSをはじめとしたBtoBサービスの事例コンテンツだけを手掛ける制作会社で、記事やホワイトペーパー、たまに動画も制作しています。
代表の私自身、平日はほぼ毎日事例取材をしていまして、200本強の事例記事を書き続ける生活を続けて5年になりました。
この記事は、そんな事例記事専門の制作会社代表が教える、事例記事の書き方100のコツを紹介するもの、ではありません。BtoBマーケティング、特にコンテンツマーケティングに携わっている方と「いい事例記事」について一緒に考えたい!という思いから書きました。
読み手から「共感」を得られる内容になっているか
BtoBマーケティングのコンテンツは、その目的や施策に応じてさまざまです。ホワイトペーパーやメルマガ、ブログ記事、用語集などなど。これらのコンテンツの目的は、すべて読み手である顧客の課題解決であり、これは事例記事も同様です。
しかし、他のコンテンツと導入事例にはひとつ大きな違いがあります。それはコンテンツの入り口として、「共感」の要素が顧客から強く求められること。つまり、導入事例を読んでいる企業の担当者は、自社と同じ規模・業種の他社も、同じような悩みや課題を抱えていたという事実に共感し、そしてその悩みや課題は解決できるという確信を得たいのです。
書き手側の企業の視点に戻すと、事例記事における共感の要素は、読み手がサービス側に対して無自覚に貼っている心理的なバリアを取り除く効果があります。(「モテる男の会話術」みたいなハウツー本にも書いてありそうなことですね!)
事例記事の構成では、課題と比較検討に関する内容がこの「共感」にあたります。課題に対する解像度が高く、読み手からの共感度が高い事例記事になればなるほど「この企業は私たちのことをよくわかっているな」と信用を得やすくなるでしょう。
「共感」で読み手の心理的バリアを取り除き、そして自社サービスの導入や取り組みを紹介による「課題解決」を提示することで、BtoBマーケティングにおける事例記事の効果はさらに高まるはずです。
自分自身がその事例に対して「熱」を持つこと
「文章術」「〜の書き方」といったビジネス本にはよく「文章は誰か一人に向けて届けるように書きましょう」「文章は手紙(もしくはラブレター)のように書きましょう」と書かれています。
たしかに事例記事でも、ただ企業規模や業界といったぼやっとした輪郭の読み手ではなく、ペルソナまで描けるほど読み手を想像して執筆することは間違いなく大事な要素です。高い解像度で読み手が抱える悩みや課題を意識できれば、より共感を得やすい事例記事が書けるはずです。
ただ私が読み手を明確に想定すること以上に大切にしているのが、書き手側がその事例を「こんなに成果が出ている素晴らしい取り組みは、もっと多くの企業に知られるべきだ!」と「熱」を持つことです。その熱が高ければ高いほど、熱が文字に伝わり、文字から画面へ、画面から読み手に熱が伝わるものだと信じています。いい事例記事を書くそもそもの第一歩は、書き手自身がいい事例だと自信をもって説明できるところから始まるのです。
うそを書かない。成果を盛らない。
世の中に「記事」はあふれています。すぐに思いつくところだと、新聞記事やインタビュー記事、暴露記事、ゴシップ記事あたりでしょうか。新聞や雑誌、Webなど、媒体は違えどもひとつだけ共通点があります。それは事実が書き記されていること。言ってしまえば、事実に基づかない記事は、ただの文字の羅列です。
このことは事例記事にも同じことが言えます。つまり、「事例記事には事実を書きましょう」ということなのですが、「いやいや、何をいまさら」と思われるかもしれません。ですがこれ、意外と無自覚でうそを書いてしまっている、もしくは事実を誇張して書いてしまっているケースが少なくないのです。
特に注意が必要なのは、思ったような話が引き出せなかった取材の事例記事を書くケースです。事例取材を受けてくださる方のほとんどが、取材を受けること自体が初めてであり、ほぼ間違いなく緊張しています。張り詰めた空気で実施した取材だと、聞きたかった質問を聞きそびれてしまったり、想像していた成果のエピソードがでなかったり、という失敗は珍しいことではありません。
だからといって、顧客が話していない感想をでっちあげたり、成果を誇張して書いてしまったりすると、後日クライアントとトラブルになります。実際、弊社にご相談いただいたお客さまも、過去に事例記事がきっかけでトラブルになったそうです。
「いい事例記事」は「いい取材」から生まれます。うそを書かない、成果が盛られていない事例記事を書くためにも、入念に質問項目を準備し、丁寧なアイスブレイクを心がけましょう。そして万が一、事例取材で思うような話が聞けなかった場合は、顧客に確認をとった上で事実のみを書くようにしましょう。
最後に
モジカク株式会社は来月の2024年1月で創業から6期目になります。ちなみに6期目の創業日を確認したところ、すでに事例取材の予定が入っていました。
これまで数多くの企業のご担当者さまに事例取材をさせていただきましたが、事例一つひとつに汗と笑顔があり、ひとつとして同じストーリーはありませんでした。
6期目も引き続き「『いい事例記事』ってなんだろう」と問い続けながら制作に向き合っていきます。
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