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米国ドローンライセンスの取得-1 (規則)

 米国でドローンを習得するポイントを数回に分けてご紹介します。ライセンスを必要としないリクリエーション(趣味)目的でも参考になるかもしれません。

 ドローンパイロット(リモートパイロット)の受験科目は以下の5つとなっています。各項目のポイントを簡単に紹介します。今回は、Regulations (規定)です。分かる範囲で図解を作ったので参考にして下さい。私の理解が間違っていたらゴメンなさい。

1 Regulations (規則)
2 National Airspace System(空域)
3 Weather(気象)
4 Loading and Performance(性能)
5 Operations(運用)

1 Regulations (規則)

ここは一通り読んで覚えるだけです。僕は、この科目に関してはフライトスクールで授業を受けずに独学で済ませたました。ハードルは英語のみ。忍耐で、こつこつ訳していきましょう。

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1-1 : Introduction(イントロダクション)
sUASの定義や、Part107の範囲、sUASに関連する用語の説明等。最初からいろいろな用語が出てくるので、我慢して覚えましょう。

1-2 : Remoo Pilot Certification(リモートパイロットの免許)
リモートパイロットの免許の試験を受ける手続きや条件(16歳以上、身体的・精神的条件が、安全なオペレーションを害さない)、有効期間(24ヶ月)等。

1-3 : Remote Pilot Privileges(リモートパイロットの特権)
リモートPIC(免許保持者)は、最終的な権限を有し全ての責任がある。複数の機体をオペレーションしてはいけないなど。

1-4 : Supporting Crew Roles(サポートクルーの役割)
リモートパイロットの免許を持っていない人が操縦する場合、リモートPICの直接管理下で行う。自律操縦はリモートPICの判断で認められる(リターンホームなど)。

Person Manipulating the controls(操縦士)
リモートパイロットのライセンスを保持しているか、資格を持っている人の直接監督下でドローンを操縦する人。

Visual Observer(VO:視認観測者)
ドローンを飛ばしている空域を、危険や障害物を目視で状況を把握する人。リモートPICの責任で必要に応じて、1名、もしくは複数を配置する。必要なければ、配置する必要はない。

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1-5 : Falsification, Reproduction, or Alteration(改ざん、複製、改変)
免許証や免除証の複製、改ざんや改変など不正が認められたら、免許証の停止や失効となる。

1-6 : Accident Reporting(事故報告)
事故が発生したら10日以内にFAAへ報告しなければならない。
人身事故:頭部外傷や骨折など重大な負傷。入院した場合も報告。かすり傷など軽傷は必要なし。(Addreviated Injury Scale (AIS:障害尺度)のレベル3以上。
対物事故:$500以上の損害は報告義務あり。例えば市場価格が$600のものでも修復が$200ならば報告義務はない。安い方の価格が判断基準。

1-7 : FAA Inspections(FAAの査察)
FAAの査察は受け入れなければならない。その際には、免許証、機体登録書、(必要であれば)免除・免責、その他オペレーションに関わる書類の提出が求められる。

1-8 : sUAS Registration(sUASの機体登録)
0.55 pounds以上、55 pounds未満の重量の機体で商用で運用する場合は、飛行する前に登録が必要。機体を登録できる人は13歳以上。

1-9 : Preflight Action and Inspection(プリフライトと検査)
プリフライトで、オペレーションに十分慣れる必要がある。オペレーションする前に、リモートPICはクルーへのブリーフィング(説明)や機体の検査を行う。周囲の天候や空域、フライト制限の有無、地上の人や住居のチェック、その他の危険の可能性を把握する。

1-10 : Carriage of Hazardous Material(危険物の運送)
危険物は運んではいけない。リチウムは危険物だが、機体の動力源となるリチウムバッテリーは対象外。

1-11 : Daylight Operations(日中のオペレーション)
夜間の飛行は禁止されている。日中の定義は、日の出30分前から日没後30分まで(合衆国の地続きの場所)。Civil Twilight(日の出前と日没後の明るい時間帯:薄明)でのオペレーションは、アンチコリジョンライト(衝突防止灯)を装備し点灯させる。

1-12 : Visual Line of Sight(VLOS:視界範囲)
機体が裸眼(メガネやコンタクトレンズにる矯正は可)だけで完全に視認できることが求められる。少しの間でも何らかの遮蔽物により視認できなければ、その時点でVLOSではなくなる。また、望遠鏡などの機器による視認も対象外とされます。ドローンに搭載したカメラによる操縦はVLOSではなくなる。(おそらくDJIのゴーグルによる操縦もVLOSではないのでは。)

1-13 : Operating Limitations(オペレーションにおける制限事項
最高速度87 Knots (100 mph)。
建造物半径400feet以外のエリアでは、高度400ft AGL以上は飛行できない。建造物の真上は、建造物の高さプラス400ft以上は飛行できない。
視界は最低でも3SMが確保されており、雲の下を飛行する場合、雲との間隔が最低500ftある。雲の横を飛行する場合、最低2,000ftの距離が保たれる。

1-14 : Right-of-War Rules(優先権のルール)
ドローンは、有人機に優先権を譲らなければならない。

1-15 : No Operation Over People(頭上でのオペレーション禁止)
ドローンのオペレーション関係者以外の人の頭上を飛行してはならない。人混みを避けて、オ居住地や住宅地でペレーションする場合は、関係者以外の人が、屋内か屋根のある安全な場所にいることを確認する。

1-16 : Operation from Moving Vehicles or Aircraft(車両、または飛行機からのオペレーション)
14CFR Part107では、車両や船からドローンをオペレーションすることが認められている。しかし、飛行機からドローンを操縦することはできない。車両や船を運転する人は、ドローンのオペレーションとは別である。一般公道で車両を使ったドローンの操縦は、道交法に従う必要があり、ほとんど認められていない。

1-17 : Privacy and Other Considerations(プライバシーとその他の考慮事項)
有人機の飛行を妨げてはいけない。
コントロールの限界を超える貨物を積んではいけない。
貨物を含めて、重量が55 poundsを超えてはいけない。
ドローンから、物体を落としてはいけない。
他人のプライバシーを侵害してはいけない。

1-18 : Alcohol and Drugs(アルコールと薬物)
眠気や目眩など副作用のある薬を服用した場合は、オペレーションに参加できない。
アルコールを飲んだ場合は、8時間以上間を開ける。
血中アルコール濃度が0.04%以上は、オペレーションに参加できない。
薬物で違法行為がある人は、1年間は免許の申請ができない。

1-19 : Change of Address(住所変更)
住所変更は、引越してから30日以内にFAAに届け出る。

1-20 : Waivers(免除)
夜間飛行や目視外飛行などPart107の規定外のオペレーションをする場合は、90日以上前もって飛行計画を申請する。FAAが、安全な計画と認められれば許可される。


#ドローン

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