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トランスジェンダー医療に関する統計情報・社会的トランス編(翻訳) #包括的性教育

🚨この情報集は論文に裏付けられており、その出典は翻訳文下部にリンクした「Statas for gender.org」の各ページに記されています。

更新:2023,11/25


⚠️社会的トランス


⭕️社会的トランス(名前、代名詞:he/she等、服装、トイレの使用方法の変更)は、トランスジェンダーとしてのアイデンティティの持続と相関している。

 性同一性障害児(dysphoric children)に思春期ブロッカー を使用した最初の開拓者であるオランダの小児トランス医(Pediatric transition doctors)たちは、社会的トランス(Social transition)は若者のジェンダー・アイデンティティに関する持続性の亢進と相関していることを観測[1]。故に、彼らは思春期前の社会的トランスに警戒を促した。

 別の論文[2]では、社会的トランスが行われた思春期では、性同一性障害(gender dysphoria:ジェンダー違和)がより持続すると指摘、そのため、社会的トランスは「医原性(iatrogenic)として特徴づけられる可能性のある心理社会的介入」、つまり治療そのものによって引き起こされる医学的問題であると主張している。

 女児よりも男児の方が、子供の社会的トランスと持続性に強い相関があることが判明した証拠 [3]もある。



⭕️ジェンダー・クリニックを受診する頃には、すでに社会的にトランス(多くの場合、人称代名詞性別の変更も含む)している子供たちが増えている。

 オランダのデータ[1]が示すところによると、2000年から2004年の間に、ジェンダー・クリニックに紹介された時点で、社会的に完全にトランス(服装、髪型、名前の変更、代名詞の使用)していた子供は3.3%、服装や髪型はすでに望ましいジェンダー様式(gender role)で生活していた子供が19%であったが、その19%が名前と代名詞の変更を希望していたとは発表していなかったとのこと。

 しかし、2005年から2009年の間に、この割合はそれぞれ8.9%と33.3%に増加しており、医療的トランスを検討する前に、社会的トランスがより一般的になってきていると、明らかにした。




⭕️ある研究によれば、社会的トランスがなければ、10代前半(pre-teen)の性同一性障害の男性(ジェンダー違和の男性)の3分の2近くがゲイかバイセクシュアルに成長するという。

 トロント大学の研究[1]では、思春期前(pre-pubertal)の社会的トランスを行わず、「見守る」治療を受けた早発性性同一性障害(early onset gender dysphoria:早発性ジェンダー違和)の少年の63.6%が、ゲイまたはバイセクシュアルに成長することがわかった。

 トランスフェミニンであると自認し続けた研究参加者は、わずか12%であった。



⭕️胸部圧縮帯(通称ナベシャツ)に関連する健康への悪影響を羅列。

 胸部圧縮帯が引き起こす可能性のある悪影響は多岐に渡る[1]。

 胸を圧縮するトランス男性(編注:トランス男性を自認する女性)を対象とした調査[2]では、68%が健康への影響を懸念していると判明。圧縮に関連する最も一般的な症状は以下の通り。
背中の痛み(65%)
息切れ(48.6%)
悪い姿勢(32%)
胸の痛み(30%)
軽い頭痛(30%)



⭕️胸部圧縮(ナベシャツ着用)が肺機能に統計学的に有意な影響を与えるという証拠が存在する。

ある研究[1]によると:
胸部圧縮帯を使用しているトランスジェンダーは肺機能に異常がある。圧縮帯装着の急性効果は、全体的な容積の減少であり、その他の変化はほとんどないように見受けられる、とのこと。



⭕️(乳房を)圧縮することによる27種類の健康への悪影響を調査した研究によると、何年もの間、その悪影響が現れないものもあると、判明した。

 乳房圧縮帯(ナベシャツ)を使用した1800人の女性を対象とした調査[1]では、時間とともに発現する健康への悪影響が数多く報告されている。これらの影響の中には、すぐに感じられるものもある。
しかし、他のケースでは健康への悪影響が完全に現れるまでに何年もかかる場合もある:

https://statsforgender.org/there-are-27-different-negative-health-effects-of-binding-which-can-develop-over-time-some-not-showing-for-years/


⭕️ある調査ではタックしたトランス女性の50%が健康への悪影響を懸念していた。(編注:タック:男性器を股に挟んで隠す行為)

 タック(男性の股間の膨らみを目立たなくするプロセス)を行ったトランス女性に対する調査[1]では、半数がタックによる健康への影響を懸念していると報告されている。

トランス女性たちが報告した症状は以下の通り。
かゆみ(28%)
発疹(21%)
精巣痛(17%)
陰茎の痛み(14%)
皮膚感染症(12%)

 さらに、患者は精巣の不定愁訴のために医療機関を受診することに消極的であり、受診しても精巣を救うにはすでに手遅れである可能性がある。[2]



⭕️社会的トランスは、トランスジェンダーのアイデンティティを強固にする。

 トランスジェンダーである若者317人を対象とした調査では、最初の社会的トランスから平均5年後、94%が二元的なトランスジェンダーであることを認め続け、3.5%がノンバイナリーであると認めた。
(編注:二元的なトランスジェンダー=トランス女性及び男性のいずれか)

 Olsonらによる2022年の縦断研究では、317人のトランス自認の青少年を、最初の社会的トランスから平均5年間追跡した。(調査開始時の平均年齢=8.1歳)。その結果、社会的トランスから5年後、

94%の青少年が二元的トランスジェンダー、
3.5%がノンバイナリー、
2.5%がシスジェンダーを、自認し続けていた。

 御両親による生命倫理観に配慮して、DSM-5による性同一性障害(gender dysphoria:ジェンダー違和)の基準の使用は避け、この研究では、ジェンダー・アイデンティティや嗜好の兆候を示す初診時のデータと、親が報告した「性別を超えた」嗜好を用いて ジェンダー自認感(gender identification)を分類した。最終的なアイデンティティは、2021年1月1日以前に青少年またはその両親と交わした直近のやりとりに基づいて設定された。[1] 


⚠️補足

・タック


・ナベシャツ


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