【蓮ノ空】3rdツアーの会場について思うこと

蓮ノ空が荒れている。これまで以上に荒れている。
なぜオタクが文句を言っているのか。簡単に言えば、「3rdツアー会場のキャパシティが小さすぎる!!」ということである。普段ネガティブなことを言わない人まで苦言を呈する有様で、過去にないほど失望の嵐が吹き荒れていた。

ここまで見ると「そんなに狭いの?」と疑問を持つ方もいるだろう。
はっきり言って狭い。3rdツアーは三大都市でユニット、神奈川(横浜)で全員がライブを行う形式なのだが、問題はユニット。
こちらのキャパは、なんと2500〜3000程度しかない。蓮ノ空の人気と比較して非常に狭いのである。一応1日2公演だが、公演日も1日しかなく焼け石に水。
なお、横浜は1万3000人程度とされるため、そこそこ広いが需要を満たしているかどうかは微妙。

蓮ノ空とキャパシティの問題は根深い。
まず、先日行われた2ndツアーもキャパが小さかった。特に兵庫公演は8000人程度で、とにかくチケットが当たらない。
チケットの抽選にあたり「両日当選できないよう、片方を弾いていたのでは?」と噂されるレベルで、事実、両日参加できた人は極めて少ない(二度の抽選をくぐり抜ければ両日参加はできた)。

つまり、このキャパシティで全然足りていないのである。いわんや、3rdをや……。
ナンバリングを冠しているということは重要である、と考えられるため、ユニットライブはすでに阿鼻叫喚の嵐。早速CDを10枚以上積む方も現れており、「蓮ノ空ショック」の様相を呈している。これがファンミーティングなどの形式ならば、まだマシ(というか諦められる)かもしれない。

そう聞くと、「じゃあなんで広い会場取らないの?」と当然の疑問が湧いてくる。私もそう思う。

しかし、主に二つの理由が運営の予測を狂わせているようだ。

まず、現状の箱不足。
私は業界人ではないので詳しくないが、キャパや利便性などを勘案した「ちょうどいいライブ会場」は慢性的に足りていないらしい。コロナが緩和されてからはリベンジや振替もあり尚更。特に大阪は顕著で、設営や出張などの採算に見合ういい会場がなく、公演をやりづらいとニュースで見たことがある。
また、箱を押さえるにも半年から1年ほどの余裕が必要とのこと。ずっと前から予測を立てて動かないといけないわけで、人気や規模を見誤ることもあると思われる。

そしてもう一つが、異次元フェス後の人気爆発である。これが最も大きい。
12月に行われたラブライブ!とアイドルマスターの異次元フェス。これが過去最高とも言える熱狂と興奮をもたらしたことは記憶に新しい。
その中でも蓮ノ空は無名ながらも超強力な曲をひっさげ、アイドルマスター界隈だけでなくラブライバーの間でも爪跡を残し、大きく飛躍するきっかけを作ったのである。
よく「異次元前」「異次元後」とキリストさん?と思うような言われ方をするが、全く誇張ではないほど、この2日の影響は凄まじかった。

しかし、この大ブレークが蓮ノ空の青写真を大きく狂わせている。嬉しい誤算ではあるのだが……
あまりにファンが増えすぎて、グッズの供給量が足りていなかったり高値で転売されたり、ライブの会場が狭すぎたりすることが頻繁に起きているのだ。

直近の2ndツアーもそうだが、3rdツアーも異次元から半年しか経っていない。つまり、3rdも異次元の影響をモロに喰らっており、箱の予測がついていなかった可能性が高い。

思えば、これまでのライブは蓮ノ空の人気が「緩やかな上昇カーブ」を描いた時に適正、あるいはやや少ない程度を想定しているかもしれない。

1stライブはおおよそ1万人規模だった。
ここは手探りだったから、会場は少し大きかったかもしれない。今では考えられないが、アルバム1枚で両日参加することも余裕だった。この時、アルバムも1万枚売れてめでたい!世間に見つかった!とみんなでキャッキャしていたのを思い出す。今思うとめちゃくちゃ可愛いものである。ここを「想定8000人」としよう。

で、そこから緩やかに上昇していけば2ndツアーのキャパは関東キープ、地方は少なめでもおそらく収容できる。この辺りで「想定1万人超」だろうか。
そして3rdツアー。ユニットライブのキャパは激減するが、1日2公演だから実質5000〜6000人となる。ユニットによる分散効果を考えれば、多少ハズレは出るだろうが参加はできると思われる。そして、横浜で1万人超のライブをやれば希望者はほぼ全員参加できる!

……と思われた。
繰り返しとなるが、異次元という特異点があり、2ndあたりからもう狂っているのだ。こんなキャパでは絶対に足りない。異次元からの来訪者を受け入れられない。ましてや3rdなどは舐めていると言われても仕方ないのである。この嬉しい誤算の弊害は秋、体感だと冬まで尾を引くだろう。

運営を擁護するなら、こうした反響や人気といった「ナマモノ」に対し箱やグッズといった「リアル」は大人の事情もあって約束を覆しにくく、また「異次元を織り込めよ!」と言われても、Aqoursや虹ヶ咲などが暴れるイベントで蓮が跳ねると想定するのも無理な話である(私も厳しいと思っていた)。
現状がけっこう異常なので、動きを読むのは至難の業。卒業や新入生の加入で下降を辿るビジョンもあったのかもしれないし。キャパや人気を考え、ライブを企画した人が気の毒だと思う。

しかし、私は運営が見誤ったもう一つの甘さを指弾したい。
それはファンの「熱意」である。

蓮ノ空のファンは、それこそ規模が小さいころから「蓮ノ空はいいぞ!」と声高に叫んできた。買い支える意識も高く、草の根精神が根付いている。
また、明確な卒業の概念があるため、「推しは推せる時に推そう」と前向きだ。よって、ライブはおろか日々の小さい供給でさえきちんと拾っているのだ。ナンバリングライブならなおさらである。

ところが、箱がかなり小さいではないか。
大人の事情があるので、選定にはシビアな目が必要かもしれない。しかし、曲の作成には一流で話題性のあるクリエイターを起用し、キャストも日々の活動を密に行なっている。ファンも少なかっただろうが、熱量は極めて高い。

だからこそ、キャパが小さいことに対して怒っているし、仕方ないので必死にCDを買い集めることをしている。このような人たちがチケットを取るためにとても令和と思えぬCD争奪戦に身を置き、それでも行けないだろうと諦めているのは不健全な在り方だと思う。ライブこそ、詳細が決まった時から楽しみで仕方ないくらいのエンタメであってほしい。

私が言いたいのは、キャストやクリエイター、ファンが絶えず燃やしてきた蓮ノ空への愛情と熱意を信じきれていなかったのか、ということ。異次元による誤算に同情は示しつつも、そこはいまいち釈然としない。

次にナンバリングライブを開催するとしたら、それは102期にとって区切りとなるものだろう。その時は多くの人が泣いて笑って送り出せるような環境であることを望む。

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