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文学_新美南吉『ごんぎつね』のあらすじ

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面白さ

新美南吉の特徴は、教師の経験、童話作家、若くして亡くなるという人生を送ります。

そのため、「北の賢治、南の南吉」と言われています。


北の賢治とは、宮沢賢治ですね。

『注文の多い料理店』を解説してますので、ご興味があればぜひ。


そして『ごんぎつね』は、小学生の教科書に載っていて、

衝撃的なラストで印象に残っている方が多いのではないでしょうか?

懐かしいな〜とも思いつつ、改めて解説します。


音声で聴きたい方はこちら

登場人物

ごんぎつね…イタズラ好きのキツネ
兵十…村の男


あらすじ

ごんは様々ないたずらをしてきました。

畑で芋を掘り散らかしたり、菜種油に火をつけたり、唐辛子をパクったり…。


ある日、それは大雨が降ったあとの晴れの日でした。

増水した川で兵十が網で鰻を取っていました。

大雨のあとだと、鰻が取れやすいみたいです。


びくという魚を入れるカゴには鰻が取れていました。

ごんは兵十が居ない間に、びくの中の魚を勝手に放流しました。


しかし、鰻だけは手でつかめず放流できなかったので、咥えると鰻がごんの首に巻き付きました。

ちょうどそこで兵十に見つかります。

ごんは慌てて逃げました。


ごんの後悔

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そんな日から10日後…

村人が何かの支度をしていました。

お歯黒塗ったり、髪をといていたり。

これは冠婚葬祭などの非日常の日にする準備でした。


村人は支度を終えると、ぞろぞろと兵十の家に集まっていきます。

兵十の顔は元気がありませんでした…。

というのも、兵十のお母さんが亡くなってしまったのです。

ごんはふと思います。

きっと病床でお母さんは最期に鰻が食べたかったに違いないなと。

しかし、ごんが、いたずらをして勝手に放流してしまいました。

いたずらなんかしなかったら良かったと、ごんは後悔します。


ごんの償い

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兵十が井戸で1人で麦をといでいました。

そんな兵十の姿を見て、兵十もおれと同じ1人か…と、ごんは共感します。

可哀そうなことをしたと少し後悔しています。


ごんは村のお店からイワシをパクって兵十の家に投げ込みました。

ごんは鰻の件の償いとして良いことをしたと満足げでした。


あくる日は、栗を届けようと兵十の家に訪れました。

よく見ると、兵十の顔には傷がありました。

「誰がイワシを投げ込んだんや。おかげで泥棒扱いで殴られたやんけ…」と独り言を呟いています。

ごんのせいで兵十は殴られてしまったのです。

それを聞いたごんは、そっと栗をおいて帰っていきました。

それから数日、毎日栗を届けます。時には、まつたけも添えて届けます。


兵十と友達の会話

ある夜、兵十と友達が歩いていました。

ごんは、そっと後ろを付けて聞き耳を立てます。

「最近、不思議なことがあって…。誰かわからんけど、お母さんが亡くなってから栗や松茸を毎日家に届くんだ。」と。

友達はそれに対して「神様の仕業だろうから、毎日神様にお礼を言った方がいいね」と言います。

ごんにお礼を言わずに、神様にお礼を言うのか…とごんはつまらなさそうにしました。


ラストシーン

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次の日も、ごんは栗を持っていきました。

兵十は縄を結っていましたが、ふと頭を上げると狐が家の中に入っていきました。

兵十からすると、鰻を放流された恨みがあります。

兵十は火縄銃に火薬を詰めて、そーっと近づいて…。

ドン…

ごんは倒れ、兵十が駆け寄ります。

土間を見ると、栗が落ちていました。

「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは…。」
ごんはぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
兵十は火縄銃を落とし、青い煙がまだ筒口から出ていました。

解釈

ごんの心情としては、償い→共感→気づいてほしいとなり、

ごんの最期はぐったりとしてうなずきました。

この時、ごんは気づいてもらい嬉しかったのではないかなと思いました。


また、ごんは、子狐ではなく小狐と書かれています。

そのため、小さい、大人なキツネかもしれませんね。


『ごんぎつね』は下記の一文で始まります。

これは私が小さいときに、村のおじいちゃんから聞いた話です。

フィクションではなく、実際にあった感じがしますね。

また、この村のおじいちゃんは、このエピソードを誰から聞いたのでしょうか?

ごんを殺してしまった事実や栗を運んできていた事実は兵十しか知りません。

そして、その兵十が話すとしたら、きっと兵十の友達でしょうか。

兵十の友達がこの物語を、村のおじいちゃんに伝えたのか、

兵十自身が伝えたのかは分かりませんが、想像すると面白いですね。


次に食材について考えてみましょう。

この物語の季節は秋です。

そして、食材として出てくるのは、鰻、栗、まつたけ、イワシ。

このうち、秋が旬ではない食材はイワシのみです。

イワシだけ直接殴られていましたね。

そんなところも見てみると、面白いですね〜


ちなみに、土用の丑の日は、鰻屋が売れない夏にプロモーションの一環として初めたものです。

そのため、土用の丑の日に鰻を食べるのは、旬ではありませんw


他にも、色の対比を使った表現もあります。

赤い彼岸花と白い着物、白い裃(和服の正装)と赤いさつまいもみたいな普段の元気な顔など。

解釈を膨らますポイントはいっぱいありますね。


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