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コーヒーの渋みって何?

コーヒーの渋みとは?

コーヒーの味を決定する要因のほとんどは焙煎にあります。
生豆の出来不出来も大きいのですが、やはり焙煎の過程が大事です。

さて、では焙煎と渋みはどんな関係があるのでしょうか。

コーヒーの生豆にはタンニンが多く含まれており、これが渋みの元と考えられます。

実際、焙煎が不完全な場合抽出されたコーヒーは冷めると濁ります。
ちょうど、タンニンが多いアッサム(紅茶)を急冷すると白濁するのに似ています。

このタンニンをきれいに取り除くには、豆の中心部まできちんと熱を通す必要があります。

熱を通すって、焙煎機に放り込んで色が付いたらいいんじゃないの、と思いますよね。

コーヒー豆は成長するときに、ナルト巻のようにくるくると巻きながら成長します。
同時にシルバースキンと言われる薄皮も巻き込んでいきます。

そのため、豆の中心部に熱が到達するには、いくつかの層と障害物
(空気もある)を乗り越える必要があるのです。

もし、コーヒー豆が、このような層が無くひとつの塊だったら、熱が通るにはさほど問題は無かったはずです。

焙煎時に石が混入する場合があります。
約200℃で焙煎しているとき、石を見つければ手で取り除きますが、これは熱い。
当たり前ですが、200℃の石は火傷する熱さです。

では200℃のコーヒー豆はどうでしょう。

実はあまり熱くありません。
瞬間的に熱いのですが、すぐに温度が下がって手のひらでもコロコロ
転がすことができます。

石は全体が熱を帯びていますので、すぐに冷めませんが、コーヒー豆は
表面的には高温でも実は内部はそれほど温度が上がっていなく、外気に
触れるとすぐに下がるのではないか、と推測されます。

焙煎機のドラムの中でコーヒー豆をゴロゴロ回転させるだけでは、不完全なコーヒーしかできないことを知っている焙煎担当者は、これを補正するためにダンパーで調整します。

つまりドラム内部の圧力を調整することで熱をコントロールするわけです。

これは微妙な操作で、締めすぎれば籠った味になりますし、開けすぎると
科学的反応が弱く、味が生成されません。

マウンテンの焙煎スクール【プロフェッショナルコース】では、この
ダンパー操作を詳しく実施しますが、受講者はこの違いにとても驚きます。

見た目が同じコーヒーでもダンパーの違いで全然味が違う訳ですから、
えーっなんでーとなります。

結論。
機械まかせで焙煎したとしても決しておいしいコーヒーはできない、
ということです。くどいですが「決して」です。

おいしい料理が食べようと決めたら、ファミレスに行きますか?
それとも、シェフのいるレストランに行きますか?

焙煎も調理と同じです。技術なのです。

今、自家焙煎コーヒー店が、びっくりするくらいどんどん出来ています。
おしゃれで魅力的なお店が多いのですが、肝心の味はというと、プロレベルではないところも多く見受けられます。

消費者も、コーヒーの渋みが何なのか、正しく焙煎されているのか、
の判断ができないというのが正直なところではないでしょうか。

渋みをコクを勘違いしている人が多いということも、この問題をややこしくしている一因でもあります。

冷めてもおいしくなければ正しい焙煎ではない。
コーヒーに渋みは不要。

この点を押さえてコーヒーを選べば、エグくないおいしさに出会えるはずです。

焙煎という仕事がもっと確固たる地位を得るために、私たちは努力を惜しまず、腕を磨いていかなければなりません。

このコーヒーブームに決して甘んじてはいけないのです。