幼い頃から男性が苦手だった
幼い頃から男性が苦手だった。
最初は2歳の頃だった。
私が2歳の頃の母の日記に、男性を苦手としているという旨の文を目にしてしまった。
幼稚園、小学校あたりの頃、私はいじめを受けていた。
いじめてくる子の中には女子もいたが、大半は男子だった。
その頃から、「男子は男子同士、女子は女子同士で仲良くするべきだ」という思考が芽生えていた。
小学4年生の頃、いじめがエスカレートし、ついに不登校になった。
そのときのいじめっ子も、女子もいたが大半は男子だった。
これが男性恐怖症を更に加速させた。
小学6年生の頃は市の運営する施設に、中学に上がってからは学校の教育相談室に、教室で授業を受ける代わりに登校した。
特に嫌がらせをしてくる訳ではなかったのでそこにいる男子達のことは嫌ってはいなかったが、「男子は男子同士、女子は女子同士」の思想からか男子とは仲良くできず、私が好意を抱くのはいつも女子だった。
また、リアルだけでなく、好きになるアイドルやアニメのキャラクターも女性だった。
周囲の女子で流行っていたジャニーズやイケメンが沢山登場するような作品を好きになることはなく、AKBやももクロ、ラブライブなんかを好んでいた。
また、中学校の相談室は教室に戻ることを目標としていたため、ちょこちょこ教室チャレンジすることもあった。
そこに居た男子達は、もう私の知っている、声の高さも背丈も私たちと同じくらいの男子ではなかった。
彼らは声は低く、背丈は大きく伸び、ガタイが良くなっていた。
相談室にいる男子達は出席率があまり高くなく、小柄な子や元々背が高い方だったがあまり背が伸びていなかった子しかいなかったので気が付かなかった。
相談室と比べて遥かに人数も多かったからか、怖かった。
そんな浦島太郎状態になっていた私は、更に男性恐怖症を深めた。
高校受験を経て、自らの意思で女子高へ進学した。
入学前は女の子しかいない最高の空間を描いていた。
地元の小学校中学校は治安が悪く、進学先は一応進学校ということもあり、小中よりはかなり居心地が良かった。
しかし、一緒に行動する程度の友人は何人か作ることができたものの、あまりクラスに馴染むことは出来なかった。
男性から隔離されていた私はまだ「男子はいじめてくる、男子は皆私が嫌いなのだ」という思考の持ち主でいた。
大学受験を経て、自らの意思で女子大へ進学した。
相変わらず周囲に溶け込むことの出来ない不溶性の私だったが、数人の友人は出来、今までの学生生活の中で最も楽しい学生生活を送ることができた。
大学外部との繋がりが欲しいと考えていた私は、男女混合のインカレ音楽サークルに入部した。
最初は不安感はあったが、サークルの雰囲気は真面目そうであり、サークル活動を通して、ある程度大人になっていじめてくる人も居ないだろうという考えにシフトしていった。
就活の時にはこれまでと違い、職場の男女比についてはそこまで考えていなかった。
というかそれよりも苦戦しすぎてどこでも良いから取ってくれという気持ちが強かった。
医療事務としての病院への就職が決まった。
診療科の受付に配属となった。
医者を除き、看護師や受付は全員女性だった。
診療科にもよるが、私は医者との関わりはほぼほぼ無かった。
息が苦しかった。
会話内容はその場に居ない人の陰口ばかり。
自分の陰口を耳にしてしまったこともあった。
サバサバして気の強い人の多い職場に、オドオドして気の弱い私は馴染めなかった。
そしてうつ病になり、休職し、別の部署へ復帰した。
それが今働いている部署だ。
男性も女性もそれなりの人数がいる。
今はほぼ誰とも喋ることなく仕事をしている。
それがとても心地よい。
私は人間が苦手だから。
以上、男性が苦手だと思っていたが人間が苦手だったことに気が付いた話でした。
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