少子化と東京一極集中は表裏一体

大学と企業が東京にあるから地方から吸引された若者がそのまま東京に残り、それなりに東京生活の刺激を楽しんで、そして独身のまま40代となり、このままではよくないとはたと気が付くも、新たに仕事を探すことの恐怖や東京を離れたら離れたらで都落ちしたように感じ、そのまま50代、60代に突入してしまった人も多い。私の知っている人にそういう人はいる。

私は地方都市から東京に出て来て、中小企業で働きながら、給料日前には手持ちの現金はゼロで、このままどうなるのだろうかと思いながら、仕事終わりに同僚と飲みに行き、だらだらと過ごしていた。東京の家賃、外食費、飲み代を払えば、私の会社の給料では100万円の貯金をすることすら夢のまた夢。どうするかはまた今度考えようと言い聞かせ、易きに流れた生活をしていた。

東京を離れた転機は、海外駐在員として会社のお金で外国に出ようと思い立ち、転職したときだった。私のような人間は、立派な大企業には入れない、仮に立派な大企業に入れたとしても、海外駐在員になれないかもしれないし、仮になれたところで40歳をすぎているだろう、それで、すぐにでも海外に送り出してくれそうな会社を探し、関西の地方都市(県庁、府庁所在都市ではない)にある会社に潜り込んだ。それがが東京を離れる転機になった。転職活動をしていたときは東京を離れるということは全く考えていなかったので、地方都市に本社のある会社にしか入社出来ない自分に、自分の価値を思い知らされた。結局、その会社では、関西での本社勤務を経て、すぐに東京勤務となり、辞めるまでずっと東京勤務。ただ、この会社のおかげで東京を離れることに抵抗がなくなったこともあり、数年後に、その会社をやめ、関西にある本社勤務の会社に転職。その後、関西本社勤務を経て海外駐在。

東京のような大都会(1000万都市)は本当に若者に刺激を与え、興奮させる。田舎から大都会に出てきた人にはなおさらだ。日々の刺激に自分が消耗させられていることに気が付けない。私は、東京を離れてからも、2年おきくらいに東京には滞在しているが、20代、30代の人たちが東京生活の刺激に身をゆだね、消耗させられ、濁流の中にいるのを見ると本当にもったいないと思う。本当にこの街にいるべき人、いたらよい人なんてかぎられているのだからね。

賢い小金持ちは東京を離れる。勤務医をやっている知人が二人いる。既婚で、子持ちだ。彼らはいずれも東京を離れ、地方の百万都市に暮らしている。医者だから東京でもそれなりの生活を送ることが出来るだけの収入はあるが、大都市は人が住むところじゃない、という判断で東京を離れた。


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