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(2023:その9) DNAスイッチとこころのたてかえ

本日の講社祭でお話した講話の原稿です。
このDNAスイッチの研究結果というのはとても興味深いものです。
神様が言われていることはやはり正しいことばかりではないかと思えてきます。以下は講話の原稿です。

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本日は、DNAスイッチについてのお話をしたいと思います。(かしわ手) 

2021年5月12日にNHKスペシャル(人体)運命を変える「DNAスイッチ」子孫まで影響する?「精子トレーニング」とはという放送がありました。
最近NHKオンデマンドでこれを見てかなり驚くと共に興味深かったのでこのことに関するお話をしたいと思います。

まず、ヒトの場合の遺伝子とゲノムの関係から説明します。
ヒトの1つの細胞には46本のDNAが入っています。
DNAとはデオキシリボ核酸と言って、アデニン(A)とグアニン(G)とシトシン(C)とチミン(T)の4種類の塩基から構成されています。
この46本のDNAを構成する塩基対の合計は約60億あります。
ヒトの命の始まりを考えると、この46本のDNAはもともと卵子に含まれていた23本と、精子に含まれていた23本が受精により一緒になったものです。つまり、卵子・精子それぞれから23本ずつ(約30億塩基対ずつ)受け継がれたDNAが、すべての細胞に入っています。
また、ヒトの46本のDNAを長さの順に並べてみると、同じ長さのDNAが1対(2本)ずつ存在しています。
このとき、対となるDNAのうちの一方だけを集めた23本を1組と考え、これをゲノムと呼びます。
つまり、父・母それぞれから1組ずつゲノムが受け継がれるので、ヒトの細胞には2組のゲノムが存在していると考えることができます。
ヒトのゲノムにはヒトをつくるために必要な遺伝情報が含まれており、最新の研究では1組のゲノムの中には、2万1306箇所が遺伝子としてはたらく部分であると考えらえています。

遺伝子とは人の体の特徴や病気へのなり易さ等を司るDNAのある一部の領域を言います。
実はこれは約60億あるDNAの塩基対の内わずか2%しかありません。
残りの98%は非コードDNAとかジャンクDNAとか言われて役に立たない部分だと従来は考えられていました。
しかし、最新の科学では実はそうではないと考えられるようになってきています。
特に、今回のNHKスペシャルでは、かなり面白い紹介があっていました。概要は以下の通りです。

今、遺伝子の研究で最もホットな分野の一つがDNAのスイッチと呼ばれるものです。なんとDNAにはまるでスイッチのような仕組みがあり、その切り替えによって遺伝子の働きががらりと変化するというのです。遺伝子はさまざまな体質や能力、病気のなりやすさなどを決めるものですが、その遺伝子の働きが変わり、私たちの運命や人生までも左右するというのです。
このことが科学的に確かめられたのは、同じ受精卵から生まれる双子、一卵性双生児の研究がきっかけでした。
一卵性双生児は全く同じDNAを持っていますが、2人の体質や能力、病気のなりやすさなどは次第に異なっていき、運命は大きく変わっていくというのです。
例えば、1万6000組の一卵性双生児のデータの解析によると、生まれ持った遺伝子が原因でがんになる確率は、たった8%ほどだそうです。残りの92%の原因は育った環境や生活習慣などが影響しているという従来の説明だけで説明できなくなってきました。
ところが、そこにDNAのスイッチが大きく関わっていることが分かってきたというのです。
DNAのスイッチは全く同じDNAを持つ一卵性双生児の運命を分けるそうです。
細胞の異常な増殖を抑える働きを持つ「がんを抑える遺伝子」というものがありますが、ジョンズ・ホプキンス大学のスティーブン・ベイリン博士らの研究によりますと、健康な人の場合はこの遺伝子が働いてがんが防がれます。しかし、がん患者のDNAスイッチの状態を詳しく調べたところ、「がんを抑える遺伝子」を持っているにもかかわらず、そのスイッチがオフになっている人が多くいることが分かったそうです。
こうしたスイッチの切り替えは、およそ2万個ある全ての遺伝子で起きる可能性があるそうです。その結果、体質や能力、病気のなりやすさなどが変化し、私たちの運命が大きく変わっていくそうです。
このDNAスイッチを切り替える働きを持つ薬も登場してきています。「がんを抑える遺伝子」のスイッチをオンに戻す薬の開発です。
さらに、病気だけでなく、さまざまな能力や体質などに関わるDNAスイッチを切り替えるための研究も、盛んに行われています。

例えば・・・
運動する→「脳の神経細胞を成長させる遺伝子」のスイッチがオンに→記憶力アップ!?
音楽を聴く→「聴覚に関わる神経伝達物質」を作るスイッチがオンに→音楽能力アップ!?

ほかにも、「老化を進める遺伝子」のスイッチをオフにして肌を若返らせようという研究や、寿命を延ばしたり、糖尿病を防いだりといった研究が世界中で進められています。
また、親の世代のDNAスイッチのオン/オフは自分の子や孫の運命まで変えられる可能性があるという衝撃の事実も明らかになってきています。
しかし、これは今までの科学の常識ではありえないとされていたことです。しかしロマン・バレス博士の肥満に関する最新の精子のDNAスイッチの研究ではその常識が覆えされました。そのまま子供に伝わる肥満に関するDNAスイッチが少なくとも2種類あることが分かりました。それはなんと、「食欲を増す」と「脂肪をためる」に関わるDNAスイッチだったそうです。親がダイエットをすると「食欲を増す」と「脂肪をためる」に関わる精子のDNAスイッチが切れて、太ったままだとDNAスイッチが入ったままだったそうです。
今、こうした最先端の研究によって、親が「経験によって獲得した性質や体質」の一部が、次の世代に遺伝する可能性が明らかになってきているのです。

NHKサイトより抜粋編集

というような内容でした。

人のDNAの99.9%はチンパンジーと同一だそうです。わずか0.1%しかDNAが違わないのにこの大きな外見の違いがあります。
また、殆ど一緒のDNAである人間同士でもやはり個々人の色々な特徴が大きく変わってきています。
完全に同一のDNAである一卵性双生児でさえも、性格や体質などは大きく違ってきます。

これがなぜだろうと従来から疑問ではありましたが、DNAスイッチの概念が分かると、その違いが出てくる理由も説明がつきます。

さて、ここからは天理教的なお話になります。

天理教ではよくいんねんということを言われます。
親がいい行い、悪い行いをするとそれは、善いいんねんまたは悪いいんねんとなって子孫に伝わると言われています。
以前はそんなことがある筈はないよなと思っていたのですが、DNAスイッチの概念が分かるとこれもあながち間違った考え方ではなく、実は正しい考え方だったのかもしれないと思いだしました。

DNAスイッチの概念からすると、卵子や精子が作られる際の親の体質が子供のDNAスイッチのオン/オフに影響すると分かってきています。

前述のNHKスペシャルでは肥満体質のみの研究結果でしたが、遺伝子自体は性格や考え方にも影響を与えることが分かっています。

考え込みやすい遺伝子や楽観的な遺伝子、知識やその他諸々に関わることも遺伝子のせいであると言われています。
そうであるならば、DNAスイッチの概念はこれらにも当てはまる可能性があります。
親の行いや考え方も、どの遺伝子かのDNAスイッチのオン/オフによってなされます。
つまり、親の行いや考え方を善い方に向ければ、当然子供も同じような行いをするようなDNAスイッチのオン/オフが起こりますし、悪い行いや考え方をすれば、子供も同じような行いをするようなDNAスイッチのオン/オフが起こることになります。
特に先ほどの精子のDNAスイッチの研究を考えると、子供が受精した段階での親の状態が大きく影響される可能性が高いということかと思います。

天理教では子供が小さい時に起こる問題は、親に対する神様からのお知らせとよく言われていましたが、これってやっぱりそういうことだったのかな?と思えてきます。
しかし、これは親子におけるいんねんの引継ぎだけではなく、DNAスイッチのオン/オフは人生のどの段階でも起こり得ると考えるのが妥当かと思います。

特に、神様は考え方やこころづかいのあり方を変えた瞬間に必ず守護をすると言われています。
心を立て替えさえすれば、神様はすぐと受け取ると言われています。
おや様からお諭しを受けてこころを立て替えていった先人達は、奇跡的な御守護を沢山いただいたとお聞きしています。
これは心を立て替えることによってオンになっていた病気の遺伝子のDNAスイッチが瞬時にオフになった為ではないかとも考えることができます。

こころの立て替えでDNAスイッチのオン/オフができるとするならば、こころ一つでいかようにも守護をするという神様の御詞は正に科学的にも真実であると言えるのではないかと思うのです。

やはり、善いたねをまけば善い理が生えるし、悪いたねをまけば悪い理が生えるということではないのかなと思うのです。

いんねんという言葉は人を責めるような言葉に聞こえるので、私は嫌いではありますが、神様が言われている理の世界がDNAスイッチのオン/オフにも関連してくるのであれば、理を立てるということでDNAスイッチのオン/オフができる仕組みを神様は作られたのではないかなと改めて思わせるNHKスペシャルでございましたので今回皆様にご紹介させて戴きました。

以上つたないお話ではございましたが、御清聴ありがとうございました。(かしわ手)

 

 

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