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双極性Ⅱ型気分障害コラム うつ状態の心理療法(その26)三つの妄想

うつ状態が酷い時は心理状態が不安定になり、色々と正常ではない思考パターンに陥ります。
妄想という表現をしていますが、心理パターンと捉えてもいいかと思います。

だいたいこの3つの思考パターン:罪業(ざいごう)妄想、病苦(びょうく)妄想、貧困妄想に陥ってしまいます。
でも、冷静に考えれば、そんなことはなく、なんとかなるものです。

私もうつ病と最初に診断されたときは、

神様からの罰ではないか?
なんでこんな病気になったんだ?
こんな病気になって働けなくなったら、お金がなくなって生活できない。
家のローンどうしよう?
子供や家族をどう養ったらいいんだ?
死んで生命保険を貰った方がいいかな?

など、ぐるぐるぐるぐる考えていました。

でも、冷静に考えれば何とかなるものだし、実際にはなんとかなっていました。

神様は罰は与えないし、
精神病っていっても、そんな大した病気でもないし、
お金は働かなくても貰えました。

このような思考パターンが強くなってきても、正式に通院して心理療法なり、薬物療法を受けて冷静になれば、結局は大した問題ではなかったのだという正常な思考パターンに戻ります。

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(その26)三つの妄想
 
気分障害でうつ状態がでている時は、3つの妄想が出てると言われています。
これらも病気の症状による妄想ですから、理性的、客観的に認知してこころのバランスを整えていく必要があります。
 
罪業(ざいごう)妄想
「こんな病気になったのは、今までの自分が悪い人間だったせいだ。きっとこれは神様が与えた罰なんだ。」
と妄想的に思い込みます。
ですが、そんなことはありません。
気分障害はれっきとした病気なのです。
神様が与えた罰でも、あなたが罪深いからでもありません。
ただ、単にストレスなどで脳内物質のバランスが崩れただけなのです。
「自分が休んだら会社は回らない。自分が頑張らないといけなかったのに、会社を休んでしまうなんて、みんなに迷惑をかける。何て事をしたんだ。」と思いがちです。
でも、そんなに心配しないでください。
会社は組織ですから、意外となんとか回るものです。
自分一人が会社を背負っているという自負心は大事ですが、実際は多くの人の力で回っています。
確かに、あなたがいなくなって暫くの間は会社も混乱があるかもしれません。しかし、それも数週間程度のものです。
あなたが、体を壊してまで働く必要はない場合が殆どです。
実際、筆者が休職しても、会社は普通に仕事が進んでいきました。
後で考えると、なんか一人で空回りしていたように思えました。

 
病苦(びょうく)妄想
「自分はなんでこんな病気になってしまったんだ。もうきっと治らないに違いない。これからどうすればいいんだ。」
うつ状態が出ている時は、悪いことを通常より100倍悪く考えてしまうものです。
気分障害は十分に休養をとって、適切な投薬治療をすれば、社会復帰できるまで回復できることが殆どです。
今は医師の言うことを良く聞いて、療養に専念してください。
希望をもって、病苦妄想を振り払っていきましょう。
 
貧困妄想
「会社を休んでお給料も貰えない。今ある貯金もすぐに底をつく。お金がない。お金がない。」
といった、貧困妄想が必ず出てきます。
しかし、実際の場合は、健康保険から(その39)の傷病手当金を貰えたり、ある程度の預貯金があったり、支援してくれる家族がいたりと、状況は思っている程深刻でない場合が殆どです。
しかし、うつ状態がある時は、通常より100倍悪く考えてしまいます。
仮に、お金が本当にない場合でも、(その38)(その39)(その40)(その41)のように色々な公的扶助があります。
まずは、ご自分の経済状態を客観的に判断して、必要以上の貧困妄想に陥らないように意識してみては如何でしょうか。
筆者も傷病手当金のみで、18ヶ月生活した時はマンションのローンもあり経済的に厳しいものはありましたが、その時は妻に働いてもらったりしながらなんとかローンも払いながらやっていくことができました。収入が減っても対処方法は色々とあるものです。

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