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(2022:その13) はたらき:お金

朝起き、正直、はたらき 3部作の第三回目です。

今回は、はたらき:お金についての神殿講話の原稿です。

はたらく=お金をもらうことですが、
お金を貰うことって悪いことでしょうか?

私は、全うに働いて稼いだお金はとても意味があり、ひのきしんにも通じるものがあると思っています。

世の為、人の為に一生懸命に働いて、結果、世の中が陽気ぐらしの世界になれば、それが親神様が望まれていることだと思うのです。

そんな想いを信者さん方にどう言ったら伝わるかなぁ〜と思いながら書いた神殿講話の原稿です。

天理教会長もいちゃんのお話 (2022年) | もいちゃん | 宗教学 | Kindleストア | Amazon
からの抜粋です、

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本日は、 『朝起き、正直、働き』の はたらき について思う所をお話したいと思います。(かしわ手)
 
『稿本天理教教祖伝逸話篇』に「二九 三つの宝」という逸話がおさめられています。
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ある時、教祖は、飯降伊蔵(注)に向かって、「伊蔵さん、掌を拡げてごらん。」と、仰せられた。
伊蔵が、仰せ通りに掌を拡げると、教祖は、籾を三粒持って、「これは朝起き、これは正直、これは働きやで。」と、仰せられて、一粒ずつ、伊蔵の掌の上にお載せ下されて、「この三つを、しっかり握って、失わんようにせにゃいかんで。」と、仰せられた。
伊蔵は、生涯この教えを守って通ったのである。
「二九 三つの宝」『稿本天理教教祖伝逸話篇』P47 参照
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この、『朝起き、正直、働き』のはたらき について考えてみたいと思います。
 
諸説ありますが、はたらく「働く」とは、「傍(はた)を楽(らく)にする」という意味だと言われているそうです。
 
辞書によれば、
」とは、
(傍・側)そば。かたわら。また、そばにいる人。第三者。
 
楽(らく)」とは、
1.心身に苦痛などがなく、快く安らかなこと。また、そのさま。「気が―になる」「―な姿勢」「どうぞお―に」
2.生計が豊かなこと。また、そのさま。「不動産収入で―な暮らしをする
3.たやすいこと。簡単なこと。また、そのさま。「―な計算問題」「―に勝てる相手」
 
直訳すると、はたらくとは、
そばにいる人や第三者を、快く安らかにすること
又は、
そばにいる人や第三者の、生計を豊かにすること
という意味になるのかと思います。
 
先日の私の神殿講話でお話しましたが、陽気ぐらしとは人生を楽(たの)しむことであって、自分が楽(らく)をすることではないと申し上げました。
はたらくとは、自分が楽(らく)をすることではなく、周囲の方を安心させ、豊かにすることです。

そう考えると、はたらきとは、陽気ぐらしを実践する第一の方法でもあると思います。ですので、あえて、おや様は朝起き、正直、はたらきが大事と仰せになり、自分が楽(らく)をすることではなく、周囲の方を楽(らく)にする生き方を私達人間にススメられているのだと思います。
 
また、以前お金についてもお話しましたが、お金ができた経緯は以下の通りです。

もともと人間は、それぞれの人が、作物を作り、狩猟をして得たものを人々の間で、物々交換して助け合って生きていました。自分が汗水たらして、得たものを交換しあって生きていたのです。

ただ、社会が発達してくると、物々交換ではなかなか効率が悪いので、お金というものを作って、自分で作った物やサービスを一旦お金と交換して、今度は、そのお金を使って他の人からの物やサービスを受け取る。こういった過程でお金ができました。

つまり本来お金とは、自分が人様の為にはたらいた代価であり、そのお金を使って、今度は人様から物やサービスを受け取ることができるものです。

つまりお金とは、人様の為にはたらいたという【証文】みたいなものだと考えられます。

ですので、人様の為にはたらいて得たお金はとてもありがたいものです。

そして、次に、この人様の為にはたらいて得たお金を、今度は人様に払うことで、人様に自分の為にはたらいていただくということだと思います。

このため、お金を使う時は、お互いに人様に感謝をもって使うという使い方を心がけたら、お互いに感謝の念が湧いて、親神様が喜ばれるお金の循環・使い方になるのかなと思います。

結局、お金を稼ぐということは、人様を助けた結果ですので、実際に銀行の貯金通帳の残高が増えると共に天に貯金していることにもなるのかなと思います。

その天の貯金を有意義に使って、周りの人達を喜ばせていければいいのかなと思います。

お金を使って自分自身傍(自分の家族)も喜ばせて、ちょっと余裕があれば、傍(周りの方)にも喜んで頂ける使い方ができたらいいのかなと思います。

日々、傍を楽させるために働き、その結果、お金を戴き、今度はそれを人様に対して感謝をもって使わせてもらえたら、お互いが傍を楽させあう陽気ぐらしの神様の望まれる世界になるのではないかと思っております。
 
日々そういう世界にならないかと思う今日この頃です。
 
以上つたない話ではございましたが、御清聴ありがとうございました。(かしわ手)
 
 
(注)
飯降伊蔵:中山みきの没後、親神様の天啓(神がかりして、神言を発すること)を受け継いだ方。天理教では本席と呼ばれている。

 

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