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【ソムリエ勉強用メモ】ニュージーランド編 ~主要産地 South Island 南島

⑥【Marlborough マールボロ】
ニュージーランド最大の産地。同国のブドウ栽培面積の68%を占める。うち、ソーヴィニヨン・ブランの栽培面積は8割を占める
・南島の東端に位置。北東は「クック海峡」、北側のリッチモンド・レンジが悪天候を遮り、南側のウィザー・ヒルズが太平洋からの強風など厳しい天候から守っている
・両山地間にワイラウ川が南西から北西に流れ、その流域に畑が広がる
・トロピカルフルーツとハーベイシャスな香りを持つスタイルのソーヴィニヨン・ブランは、ワイン産業を大きく発展させる原動力となった
・栽培面積2位のピノ・ノワールも重要。赤いフルーツが豊かで、丸みのある柔らかな味わい
・海外から進出した生産者が多い。「Clos Henriクロ・アンリ(フランス)」「Cloudy Bayクラウディ・ベイ(オーストラリア)」「Froomフロム(スイス)」など。日本人生産者には「Folium Vineyardフォリウム・ヴィンヤード」と「Kimura Cellarsキムラ・セラーズ」がある
・マールボロは3つのサブリージョンで構成される(GIではない)
 ■Wairau Valley ワイラウ・ヴァレー
  ・沖積土壌が分布するワイウラ川流域。ソーヴィニヨン・ブランは熟成が早く、果実の凝縮感とボディの強さが特徴
 ■Southern Valley サザン・ヴァレー
  ・国道6号を境に南側の粘土・シルトが堆積しているエリア。ソーヴィニヨン・ブランには粘土由来の豊かな粘性とフルーツの柔らかさがある
 ■Awatere Valley アワテレ・ヴァレー
  ・ウィザー・ヒルズを超えた南部。太平洋から直接厳しい強風を受けより冷涼。ソーヴィニヨン・ブランは厳しい栽培環境で収量が少なく、より堅牢で酸が豊か
⑦【Nelson ネルソン】
・マールボロよりも西側に位置する。西からの低気圧の影響で降雨量は約1,000mと多め
・主要品種はソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリ、ピノ・ノワール
・ネルソンの町から内陸、西側に連なる丘「アッパー・ムーテリー」と、ワイメア川沿い「ワイメア・プレインズ」にワイナリーが点在する。ワイナリー数は35社。
・「アッパー・ムーテリー」のワインは果実の充実感があり、骨格がしっかりしたものがみられる
・ビールの原料「ネルソン・ホップ」の重要産地でもある

⑧【Canterbury カンタベリー】
・主要品種はリースリング、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリ、ピノ・ノワール
・カンタベリー地方は3つのGIが重なっている。地方全域を「GI Canterbury」、うち地方北部でワイカリ、ワイパラ地域を含むのが「North Canterbury」(GI審査中)。そして「GI Waipara Valley」はNorth Canterbury内に位置する。
 ❽GI Waipara Valley ワイパラ・ヴァレー
  ・クライストチャーチから車で1時間ほど
  ・内陸部にサザン・アルプス山脈があり、西からの悪天候を遮る。太平洋側には、太平洋プレートの沈み込みにより、かつての海底が隆起して形成された低い山々が沿岸に連なり、海風を遮るためクライストチャーチよりも温暖な気候をもつ
  ・クライストチャーチのリンカーン大学でブドウ栽培を教えていたダニエル・シュスター氏は、ピノ・ノワールであれば南島でも可能性があると考え推奨。カリフォルニアからのクローンの導入など、1970~80年代にかけてのピノ・ノワール栽培の基礎づくりに貢献した
  ・代表的な生産者は「Pegasus Beyペガサス・ベイ」
 ❼North Canterbury ノース・カンタベリー
  ・ワイパラ・ヴァレーからさらに内陸の「Waikari ワイカリ」地域を含む。同地域は石灰岩質(チョーク質)が広く分布
  ・ワイカリはチョーク質由来の柔らかいミネラル感と、滑らかなテクスチャーが特徴
  ・代表的な生産者は、「Bell Hillベル・ヒル」「Pyramid Valleyピラミッド・ヴァレー」
⑨【Waitaki Valley North Otago ワイタキ・ヴァレー・ノース・オタゴ】
・オタゴの北端。カンタベリーとの境界となるワイタキ川南岸に沿う新興産地
・石灰岩質が発見されたことをきっかけに開発が始まった、注目の産地
・寒冷で気象条件が厳しく収穫量が安定しない
・代表的な生産者は「Ostler オスラー」「Valli ヴァリ」
⑩【Central Otago セントラル・オタゴ】
南緯45度に位置し、世界最南端の産地
・ニュージーランドで唯一の半大陸性気候。昼夜の寒暖差が非常に激しい
・サザン・アルプスのお陰で西からの悪天候が遮られる
・主要品種はリースリング、シャルドネ、ピノ・ノワール
栽培面積最大の品種はピノ・ノワールで7割超を占める
・「1864年にフランス人ジャン・デザイア・フェローがアレクサンドラ周辺にブドウ樹を植え、1881年シドニーで金賞を取った」という最も古いワイン造りの記録がある
・代表的なワイナリーに、ピノ・ノワール産地として世界に知らしめ、産地発展のきっかけとなった「Felton Roadフェルトン・ロード」がある
生産者出資の任意のマーケティング団体「COPNL コプネル(Central Otago Pinot Noir Limited」が産地のプロモーションを担っており、「Central Otago Pinot Noir Celebration(COPNC)」を毎年開催している
・地域全体の基盤となる土壌は極めて硬い「シスト(変成片岩)」。土壌中の有機物が乏しく、有機堆積物を増やすために早くから有機栽培やビオディナミが盛ん
・サブリージョンは7つに分かれる(すべてGIではない)
 ■Gibbston Valley ギブストン・ヴァレー
  ・南極からの詰めてい南風(Southerly サウザリー)が入り込む、オタゴの中で最も標高が高く、冷涼な産地
  ・繊細なワインとなる。ラズベリーなどの赤い果実と豊かな酸が特徴。収穫はバノックバーンより数週間遅い
 ■BannockBurn バノックバーン/Cromwell クロムウェル
  ・ダンストン・レイク周辺の盆地を「Cromwell Basin クロムウェル盆地」といい、4つのエリア(バノックバーン、ピサ・レンジ、ローバーン、ベンディゴ)を含む
  ・バノックバーンの丘陵下部は深いレス土壌。土壌中に石灰岩と間違えそうな、雨で流されリン酸カルシウムの凝固したものが見られる
  ・骨格の柔らかい、丸みのたっぷりとした黒系果実のワインを生み出す
  ・これがセントラル・オタゴを象徴するスタイルとなり、90年代末から国際的評価が高まった
 ■Pisa Renge ピサ・レンジ と Lowburn ローバーン
  ・上流のワナカレイクから流れてきた川石や砂の堆積土壌が分布。さらにその下流であるローバーンは、砂主体となる
  ・ワインのスタイルは、骨格の柔らかい丸みのある、バノックバーンに近くなる
 ■Bendigo ベンディゴ
  ・石英を含むシストの丘に畑が開発された地区。オタゴの中で最も暑い地区のひとつ
  ・ピノ・ノワールは色が濃く、シスト由来の強烈なスパイシーさとミネラル感が感じられる。リースリングも同様
 ■Wanka ワナカ
  ・サザン・アルプスに最も近く、オタゴの中では比較的冷涼。ワナカレイクに向かってシストの母岩がスロープ状に分布する
  ・ピノ・ノワール、ガメイ、リースリングなど品種を問わず、シスト由来のスパイシーな味がある
 ■Alexandra アレクサンドラ
  ・表土の薄いシストから、川沿いのシルト土壌まで多様
  ・シストの畑から香り高いリースリングが生まれる

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